つのだじろうの詫び状事件。梶原一騎を魔子で中傷、空手バカ一代の作画交代。トキワ荘との関係

代表作『恐怖新聞』や『うしろの百太郎』で有名な漫画家のつのだじろうさん。

業界内で語り継がれる詫び状事件では、漫画家の梶原一騎さんとの確執が浮き彫りとなりました。

漫画『魔子』の作中では、謎めいた呪文を使って梶原さんを中傷したこともあります。

梶原さんが原作を描いた『空手バカ一代』では、つのださんが作画を担当していたものの、途中で別の漫画家に交代しました。

つのださんの個性的な人柄について、トキワ荘でのエピソードも踏まえて見ていきましょう。

つのだじろうのプロフィール

本名:角田次朗

生年月日:1936年7月3日

出身地:東京府東京市下谷区豊住町(現在の東京都台東区下谷1丁目)

最終学歴:東京都立青山高等学校

つのだじろうの詫び状事件

漫画家業界内で語り継がれる、つのださんの詫び状事件。

いったいどのような事件だったのか詳細を確認しましょう。

かつてつのださんが作画を担当していたのが、空手家の大山倍達さんの伝記漫画として人気を誇った『空手バカ一代』。


梶原一騎さんが原作を描いた同作は、1970年代にアニメも放送されたことで、空手ブームの火付け役となりました。

しかし漫画を見てみると、作品は前半と後半で、絵柄の雰囲気が大きく異なっています。

実はつのださんが作画を担当していたのは前半だけで、後半は別の漫画家が描いていたのです。

つのださんは、いつも梶原さんからの原稿が届くのが遅く、不満を抱いていました。

そのためなかなか仕事を進められず、アシスタントにも大きな負担をかけることになっていたそうです。

結果的に多くのアシスタントが、つのださんのもとから逃げ出してしまいました。

原稿が届かないことで、アシスタントまで失ったのですから、原作者を恨むのは当然ですね。

結果的につのださんと梶原さんは不仲になってしまいました。

しかもつのださんは、自身の漫画内に、梶原さんを中傷する言葉を書いたのです。

梶原さんは激怒し、つのださんをホテルに監禁。

出版社や同業者に向けて、ホテルの一室で詫び状を書かせたのです。

このエピソードが業界内では「詫び状事件」と言われています。

つのだじろうは梶原一騎を魔子で中傷し、空手バカ一代を降板

詫び状事件の直前、つのださんのもとには、梶原さんから脅迫文が届くようになっていました。

そこでつのださんは秘かに復讐を決意します。

漫画『魔子』の最終回に、とあるセリフを書き込んだのです。

『魔子』は魔族の美女・魔子に翻弄される男たちの姿を描いた、オカルトセクシーコミックでした。

「増刊ビッグコミックス」で連載されていた同作の最終回に、謎めいた呪文のようなセリフが登場します。

「カラワジ・イキツ・キマト・ワヒオサ・ハノクキョウ・ミツオ・レシモオイ」
「呪われよ」


梶原さんの弟子がこのセリフを、
「梶原一騎と(その弟)真樹日佐夫、脅迫の罪を思い知れ」
「呪われよ」
を入れ替えたものと見破ります。

呪文は文字を入れ替える言葉遊び「アナグラム」だったのです。

梶原サイドはこのセリフを脅迫と断定し、先述したつのださんの監禁事件、いわゆる詫び状事件へとつながるのです。

こうして両者の不仲は決定的となり、つのださんは『空手バカ一代』を降板。

その後は影丸譲也さんが作画を担当することになりました。

後々までつのださんの梶原さんへの恨みは消えず、心霊漫画『恐怖新聞』にも、梶原さんがモデルと思しき嫌な性格の侍を登場させています。

両者ともに自分の主張を曲げない、頑固な性格の人物だったようですね。

つのだじろうはトキワ荘へ通っていた

つのださんは、かつて豊島区にあった漫画家の共同アパート「トキワ荘」に通っていました。

自身はトキワ荘のメンバーではなかったものの、トキワ荘とつながりのあるグループ「新漫画党」に所属していました。

トキワ荘と言えば、漫画家を志す青年たちが集まり、熱い議論を交わしていたイメージが強いですね。

しかし元トキワ荘メンバーの藤子不二雄Ⓐ(本名:安孫子素雄)さんによると、仲間内では漫画の話を一切していなかったそうです。

面白いのが、藤子不二雄Ⓐさんが一緒に漫画家コンビ「藤子不二雄」を名乗っていた、相方の藤本弘さんの主張。

藤本さんによると「漫画は自分で作るものであり、漫画家同士で漫画について話してはいけない」のだそうです。

しかしトキワ荘に通っていたつのださんは、漫画の話を一切しないメンバーたちに不満を抱いていました。

つのださんはわざわざ毎日スクーターに乗ってトキワ荘へ通っていたそうです。

「せっかく志が同じ仲間が集まっているのだから、もっと刺激的な議論をしたい」と考えていたようですね。

誰も漫画の話をしないことに業を煮やし、ついにトキワ荘メンバーに決闘状のような巻物を送りつけます。

そこで藤本さんが先述した理由を冷静に説明した返事を出しました。

返事を読んだつのださんはようやく納得したそうです。


各種エピソードから、つのださんはやや興奮しやすく、喧嘩を売りつけるのが得意な人のように思えますね。

喧嘩も覚悟のうえで調和をかき乱し、議論を生じさせることに刺激的な喜びを感じる、ユニークな性格の持ち主なのでしょう。

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