70年代、『女囚さそり』や『修羅雪姫』シリーズで凄みのある女性アウトローを好演し、鮮烈な印象を残した梶芽衣子(かじめいこ)さん。
すでにキャリアは半世紀以上ですが、いまだに根強いファンが多い女優です。
鬼才タランティーノ監督も『キルビル』で梶芽衣子さんの歌『修羅の花』を使用するなどオマージュを捧げていますね。
これをきっかけに人気が再燃し、今や若い世代や海外にもその名が知られるようになりました。
美しいと評判のクールな美貌についても迫ります。
タランティーノは梶芽衣子に心酔!
日本映画をこよなく愛し、梶芽衣子さんのポスターを部屋に貼るほどのファンと公言しているクエンティン・タランティーノ監督。
来日した際には二人で会う時間を設けてほしいと要求し、念願の対談が実現しました。
憧れの女優を前にしたタランティーノ監督は、顔を赤らめながら梶芽衣子さんの手を握り、あなたの映画を観て恋に落ちましたといきなり愛の告白。
映画監督としての姿勢を誉められると、恥ずかしそうな表情を浮かべたそうです。
タランティーノ監督というと、常にテンションが上がりっぱなしの人という印象がありますが、意外にシャイなのかもしれませんね。
対談は世代や人種を超えた映画談義に花が咲き、終始なごやかなムードのうちに終了。
しかし後日、梶芽衣子さんサイドから明らかにされた裏話があります。
タランティーノ監督は対談が始まってから終わるまでずっと手を握っていたそうで、梶芽衣子さんは、汗でじっとりして気持ち悪かったと苦笑い。
けれども、出演した自分ですら忘れていたような昔の作品も実によく記憶していたことに驚きを隠せなかったようです。
梶芽衣子の歌『修羅の花』が『キルビル』の挿入歌に!
大ヒット作『キルビル』は梶芽衣子さんの主演作『修羅雪姫』をモチーフにしたと明かしているタランティーノ監督。
『修羅雪姫』から多大な影響を受けたことは、作中でオマージュを捧げていることからも明らかです。
1973年に公開された『修羅雪姫』は明治時代を舞台にした復讐劇。
母の恨みを晴らすために修羅の道を選んだ娘・雪と仇たちとの戦いを描いています。
梶芽衣子さんの歌う主題歌『修羅の花』も『キルビル』に使用されており、エンディング曲に至っては『女囚さそり』シリーズの主題歌『怨み節』という凝りよう。
タランティーノ監督の梶芽衣子愛がうかがえますね。
思わぬキルビル効果で梶芽衣子さんは30年を経て再び注目を集めることになり、『修羅の花』や『怨み節』を収録した全曲集のCDが新たにリリースされたほか、『野良猫ロック』シリーズや『曽根崎心中』といった過去の作品がDVD化されることに。
いずれもセールスは好調だったそうです。
もはや手が汗ばんでうんぬんと苦笑いしている場合ではなく、足を向けて寝られないレベルでしょう。
梶芽衣子、海外からの出演オファーに興味なし!
若い世代のみならず、今やワールドワイドに名前が知れ渡った梶芽衣子さん。
海外からは映画出演のオファーが殺到したそうですが、すべて断ったといいます。
その中には、『タクシードライバー』などで知られるマーティン・スコセッシ監督からのオファーもあったそう。
断った理由は、アタシは英語の芝居なんてできないから。
これだけでは真意がわかりにくいのですが、梶芽衣子さんの説明をかみ砕いてみると、どうやらこういうことらしいのです。
自分が生まれ育った言葉で演じ、歌うこと以外はやりたくない。
他の国で、その国の文化を演じようとは思わない。
これはおそらく梶芽衣子さんの女優としての心意気であり、確固たる信念でもあるのでしょう。
これまでスクリーンで演じてきた、一本筋の通った女性たちを彷彿とさせる潔さです。
美しい梶芽衣子。クールビューティーぶりに注目!
元祖クールビューティーともいわれる梶芽衣子さん。
一度見たら忘れられないのが意志の強さを感じさせる目力です。
『女囚701号/さそり』の主人公・松島ナミはほとんどセリフを発さず、観る者を射抜くような瞳で全てを語ります。
このアイディアは、ヒロインがセリフを封印したら凄みが増して面白くなるのではと思った梶芽衣子さんが出演の条件として提示したもの。
ナイフのような鋭い眼差しで後方確認。#梶芽衣子 pic.twitter.com/XP5GmRIIi0
— ヒグチ✴︎ダイスケ (@higuchi_dai) 2019年3月24日
着物姿や番傘もとても絵になる女優です。
凛とした和の美しさにどこか影を漂わせ、楚々と歩く姿に心を奪われる外国人は多いでしょう。
佇まいも美しいですが、アップになるとさらに美貌が引き立つところがさすが女優という感じです。
#修羅雪姫、#鬼平犯科帖、#剣客商売、そして #きのう何食べた、こんなに自然に、そして美しく年を重ねていく女優さんって稀有な存在だと思う。ぜひ #必殺シリーズ が元気なうちに、 #山田五十鈴、#草笛光子、#京マチ子、#高峰三枝子 に並ぶ女元締めとして出ていただきたかったな。#梶芽衣子 pic.twitter.com/SVNST2DH60
— 和矢 (@torakazya) 2019年6月22日
新人時代から一本気な性格だったという梶芽衣子さん。
たとえ相手が映画監督であろうと、言いたいことははっきりと伝えてきたそうです。
そうした態度に反感を抱かれることもありましたが、その媚びない姿勢こそが女優人生のベースを作り上げたのかもしれませんね。
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