小野正嗣のファッション・メガネ・髪型が藤田嗣治。元立教大学教授で今は?

大江健三郎さんや中上健次さんに影響を受け、郷里の大分県に根ざした小説を発表してきた芥川賞作家の小野正嗣(おのまさつぐ)さん。

フランス留学時代に音楽や美術に触れたことで芸術に開眼したそうで、2018年からはNHK『日曜美術館』にも出演していますね。

同番組に画家・藤田嗣治さんそっくりのファッション、メガネ、髪型で登場して反響を呼んだ件を振り返ります。

芥川賞受賞時は立教大学の准教授 でしたが、2023年現在はどちらの大学で教鞭をとっているのでしょうか。

小野正嗣のプロフィール

本名:小野正嗣

生年月日:1970年11月27日

出身地:大分県佐伯市

最終学歴:東京大学

職業:小説家、文学者

芥川賞受賞の会見はシックかつカジュアルなファッション

1970年11月27日、大分県の旧蒲江町(現在の佐伯市)で誕生した小野正嗣さん。


東京大学に進学し、同大学院を経て、パリ第8大学で文学博士号を取得しました。

大学院時代から小説を書きはじめ、1996年に新潮学生小説コンクールで文壇デビューします。

2003年の「水死人の帰還」、2008年の「マイクロバス」、2013年の「獅子渡り鼻」が芥川賞候補となるも落選。

2015年、四度目の候補となった「九年前の祈り」でようやく念願を果たしました。

これまでもたびたび描いてきた、故郷への思いにあふれた作品です。

小野正嗣さんというと、忘れられないのが記者会見でのテンション高めの受け答え。

受賞の喜びが手伝ったのか、身振り手振りの豊かなジェスチャーを交えた楽しい会見になりました。

まるでお祝いのお酒を少し口にして登壇したとしか思えない熱弁ぶり。

大学で講義をする時もこういうテンションなのだろうか、と思った人もいたのではないでしょうか。

会見ではジャージー素材の襟なし黒ジャケットに白いシャツ、ゆったりしたグレーのズボンという落ち着いたカジュアルなファッションで、メガネはかけていませんでした。

『日曜美術館』でのメガネと髪型が藤田嗣治にそっくり!

その後髪型は何度か変わり、視力が落ちたのか老眼なのかメガネをかけるようになりました。

そんな中、2018年4月から『日曜美術館』の司会を務めることになった小野正嗣さん。

番組内での奇抜な出で立ちに注目が集まります。


まるで藤田嗣治さんをコピーするかのように、小さめの丸メガネ、パッツン前髪で登場した小野正嗣さん。

藤田嗣治さんは日本生まれでフランスに帰化した画家であり、第一次世界大戦前からパリで活躍したエコール・ド・パリの代表的な芸術家です。

洗礼名はレオナール・ツグハル・フジタ。

二人は名前の「嗣」の字が共通するばかりか、誕生日も同じです。

ネット上には「この新司会者に期待」という声のほか、「藤田嗣治って、まだ生きてたんだ!」というボケツイートも。

ところが視聴者の期待もむなしく、やがて小野さんは普通の司会者のスタイルに。

番組の性質から、藤田嗣治さんへのオマージュだったとも解釈できますね。

パリに8年間留学した経験があり、フランス文学者でもある小野正嗣さんですから、同じパリで活躍した藤田嗣治さんに親しみを感じているのかもしれません。

小野正嗣は立教大学教授から早稲田大学教授に


小野正嗣さんは東京大学助手、明治学院大学准教授を経て、2014年4月に立教大学文学部文学科文芸・思想専修の准教授に就任。

芥川賞受賞時の肩書は立教大学准教授でした。

池袋キャンパスで行われた受賞後初の講義には紫のセーター姿で現れ、学生たちから祝福を受けたあと、「きょうはスクールカラーでキメてきました!」と笑いをとります。

1年間指導を受けてきた学生によると、どんな質問にも的を射た答えを返してくれ、その博学ぶりに驚かされるとのこと。

映像に頼らず、言葉できちんと表現することの大切さを教えてきたという小野正嗣さん。

受賞後、かつての教え子たちから数え切れないほどのメールが届いたことが何よりうれしかったそうです。

教育者、研究者としての一面がうかがえるエピソードですね。

2016年4月に教授に就任したあと、2019年からは早稲田大学文化構想学部の教授を務めています。

会見では、「弱者についてどう思いますか」という記者からの質問に対して「僕は弱者という言葉は使いたくない」と穏やかに答えた小野正嗣さん。

インタビュー記事を読んでいて、ハッとさせられる言葉がありました。

小野作品では「障害者」というストレートな言葉を控え、「困難を抱える人」といった遠まわしな表現がよく使われているのですが、その理由は、単語を使うとわかった気分になり、そこで思考が停止してしまうからなのだそう。


さすがの名言であり、自戒とともに覚えておきたい言葉です。

テレビ番組向きのキャラクターともお見受けしますので、バラエティ番組への進出も期待したい芥川賞作家です。

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