古武術を土台とした介護テクニックの指導者や、著述家として活動する甲野善紀(こうの よしのり)さん。
どうやら筋トレをあまり快く思っていない様子です。
甲野さんの道場では、どのようなカリキュラムを用意しているのでしょうか。
さらに息子の詳細、古武術と合気道の探求、糖質抜きの食事について見ていきます。
甲野善紀のプロフィール
本名:甲野善紀
生年月日:1949年
身長:168cm
出身地:東京都
最終学歴:東京農業大学畜産学科中退
甲野善紀は筋トレを批判。骨トレを実践
甲野さんは筋トレを批判してきたことで有名です。
本当にこのことは、現在ではどれほど声を大きくして言っても言い足りない思いです。「筋トレ」の問題は、以前招かれて千葉大の医学部に行った折に、そこの研究でも動作が不器用になるという結論が出ているとの事でした。
https://t.co/EAfRdVTj65— 甲野善紀 (@shouseikan) August 30, 2018
彼の代表作である『「筋肉」よりも「骨」を使え!』は、筋トレではなく「骨ストレッチ」の重要性を主張した本です。
この本面白い。従来のウエイトトレーニング、体幹トレーニング、ストレッチなど「科学的」トレーニング方法に真っ向から疑問を呈し、より身体が自由に動ける方策を探る。>『「筋肉」よりも「骨」を使え!』甲野善紀、松村卓 著 ディスカヴァー携書 pic.twitter.com/tUo6ef6oqK
— 三宮美帆 みんみん | 体癖講座 (@Sannomiya_Miho) September 23, 2014
骨ストレッチの考案者である松村卓さんとの対談形式のため、実質は共著といえますね。
骨ストレッチは、筋肉を鍛えていた元アスリートが、怪我をきっかけに取り入れたメソッドです。
筋トレによって身体を固めるのではなく、骨の仕組みを考慮し、柔軟な動きを実践します。
甲野さんは従来の筋トレに効果がないと語り、骨をほぐし、正しく使うことで運動能力の向上を目指すよう主張しました。
日夜筋トレに励むトレーナーやアスリートからすれば、受け入れたくない主張かもしれませんね。
人の体質は各々異なるため、それぞれに合ったやり方でトレーニングすることがいちばんでしょう。
筋トレで身体に不調をきたした人であれば、一度骨ストレッチを試してみると良いかもしれません。
どちらか正しいか断定せずに、自分に合ったやり方を見つけられれば理想的ですね。
甲野善紀の道場は松聲館
1978年に甲野さんは松聲館道場を建てて、武術稽古研究会の活動を始めました。
道場は聖蹟桜ヶ丘駅から車で5分ほどの立地にあります。
20畳ほどの狭い道場で、甲野さんが研究の末に編み出した技を披露してきました。
格闘するのではなく、甲野流の古武道を発表するサロンのような道場だそうです。
技を身に付けて強くなりたい人には不向きかもしれませんが、身体の仕組みを研究したい人に適した場所といえますね。
甲野さんは2007年から3年間、神戸女学院大学で客員教授も務めたほど、研究と教育に才能がある人です。
彼の道場は体育会系の人よりも、研究者肌の人が満足できる環境なのでしょう。
息子・甲野陽紀は父の元アシスタントで身体技法も考案
甲野さんには甲野陽紀(こうの はるのり)さんという息子がいます。
高校卒業後に父のアシスタントとなり、国内外での講座や講演会に同行しました。
同時に単独でも身体操作法を考案し、2007年からは単独講師として各地で身体技法を披露しています。
父から学んだ古武術を土台としつつ、独自の身体技法を考案し、日常動作や介護などに応用が利く動作をレクチャーしてきました。
動かなさないように持とうと思うと、動いてしまうことが多い。それならばしっかり持つことを心がけるほうがいいのだが、しっかり持つとは腕や足など身体の一部を強化すると思いがちになる。しっかりさせるのは心身ともに含んだ全身であることを心がけたい。
— 甲野陽紀 (@natsu_no_haru) July 21, 2021
陽紀さんのアプローチは、指先をはじめ身体の末端から動かしていくものです。
末端が正常に動くかどうかで、身体全体に及ぼす影響の大きさを伝えてきました。
たとえばパソコンのキーボードを打つ際、指先が動かず、指の付け根から動かしている人がいるとのこと。
すると末端である指先が固まった状態となり、身体に余計な負荷がかかって、肩や背中が凝るといいます。
陽紀さんの講座では、身体の末端を動かす訓練を経て、快適な身体動作の習得を目指せるようですね。
彼は父の教えを土台としつつも、より実践的な方法論をレクチャーしてくれる名講師といえるでしょう。
甲野善紀は古武術と合気道を探求
甲野さんは元々、合気道の訓練に励んでいました。
甲野先生×内田先生の合気道対談、始まりました! pic.twitter.com/ePCec2Lg3r
— Nagayama Haruna (@harunanag) February 20, 2015
しかし20代後半に合気道を離れ、古武術の道に専念するのです。
合気道は武道家の植芝盛平が、柔術や剣術などの古武術を研究した末、体術をメインにまとめた武道です。
甲野さんの場合は植芝とは逆で、合気道から古武術へと遡って研究したといえます。
彼は武術や武道を究めつつ、古伝書も読み込みながら、独自の技を編み出しました。
技はやがてスポーツや介護、楽器演奏などにも応用され、彼の知名度は高まっていきます。
甲野さんは合気道を学んだからこそできる柔軟な動きを、古武術に応用してきました。
同時に古武術の動きを活かして、合気道の動きに対する改善点も提案してきたのです。
甲野善紀先生から、身体の使い方を教わりました。
甲野先生も、元々合気道をされていたので、古武術を学んで、合気道の動きはこうした方が良いといろいろ思われていたみたいです。
皆様の研鑽の一助にしていただけたら幸いですhttps://t.co/F36OLwOCYc pic.twitter.com/9GrKK0DR9X— 塩田将大・塩田合気道 (@shioda_aikido) February 26, 2021
古武術と合気道の両方を究めた点で、甲野さんは総合武道研究者と呼ぶにふさわしい人材といえますね。
甲野善紀の食事は糖質抜き。禁糖に関するツイート
ストイックな甲野さんは、食事にも気を遣っているイメージがありますね。
実際はどのような食生活を送っているのか確認したところ、2012年に禁糖関連のツイートを立て続けに投稿していました。
どうやら糖質抜きの食事を心がけている様子です。
ツイートの情報によると甲野さんは、お菓子と砂糖が入った料理の摂取を辞めたとのことでした。
また穀類は、糖が吸収されやすい米を辞めて、蕎麦に変更したようです。
禁糖はいわゆる「糖質カット」とは別物とのこと。
糖質カットの場合は、適度な量であれば米やアルコールを摂取しても構いません。
しかし禁糖は完全に糖質を抜くため、米や芋、アルコールも厳禁です。
お酒もね。外食はほぼほぼ無理でございましょう。甲野先生は果物も芋類も召し上がらないそうですが、わが家では果物芋類OKのゆる禁糖でーす💕
調味料としてのお酒や味醂も使いません。ソースやケチャップ、マヨネーズなんかも大概お砂糖入ってます💦
— サトウクミコ=ちょび (@chobi4451) February 5, 2020
甲野さんが2023年現在も厳しい禁糖を実践しているかはわかりません。
ただ食事量を以前より減らしたことで、快適に過ごしている様子です。
食べる量は今までの半分以下となり、しかも驚くほど体調の改善が続いています。このこと一つとっても、現代の栄養学では、なぜこんなにも食事量を減らして体調がいいのか説明がつかないと思います。
— 甲野善紀 (@shouseikan) April 29, 2020
あまり禁糖にこだわりすぎるのも、身体に悪い印象があるため、無理のない範囲で取り組んでいる可能性が高いでしょう。
健康な身体を目指すなら、果物や炭水化物などの糖質を適度に取り入れることも重要なはずです。
栄養バランスの良い食事を心がけつつ、今後も末永く活躍し続けて欲しいですね。
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