元宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略がおすすめな理由!

2015年でちょうど100周年となった宝塚歌劇団。
筆者であり元宝塚の星組プロデューサー・総支配人である森下信雄はもともと駅員・車掌・電車の運転手という変わった経歴の持ち主です。

筆者 森下信雄のプロフィール・経歴

1963年岡山県に生まれ、86年に阪急電鉄に入社。
その後98年に宝塚歌劇団に出向し、総支配人をつとめました。

そもそも宝塚歌劇団ってどんな団体?

宝塚は全員未婚、「清く、正しく、美しく」がモットーで、現在400人が在籍しています。
花組・月組・雪組・星組・宙組で構成され、ベテランの一部20人〜30人は専科に配属されています。
世界的に見ても、こういった団体は存在しません。

宝塚は阪急電鉄が所有していますが、設立当初は利益度外視で広告宣伝費扱いだったとのことです。
ところが現在、阪急ホールディングスは阪神ホールディングスと一緒になり、
売上
1位 鉄道部門
2位 不動産部門
3位 エンターテインメント部門(阪神タイガースと宝塚歌劇団)
となっています。
今やホールディングスの売上の柱のひとつになっているのです。

【「タカラヅカ」の経営戦略】に書かれていること

森下信雄さんが出向を命じられた際は、「えらいことになったが、驚きはなかった」とのこと。
サラリーマンでそんな経験ができるのは、ラッキーなことだと感じたそうです。

この本のサブタイトルである、「ロマンとそろばん」は言い換えれば「エンターテインメントと経営」。
非常に興味をそそるものがあります。

基本的な活動としては、5組(レギュラー40人ずつ)が宝塚市の宝塚大劇場と東京の宝塚劇場をメインとして、
他都市を準本拠地としてツアーします。

それを支えているのは、熱狂的なファンの存在です。
人気の男役トップスターには、10年かかると言われていますが、スターになるまで10年間追っかけをするそうです。

宝塚とAKBの大きな共通点

 

ある意味では、AKBと重なる所があります。
400人の団員のうち200人からなる5組のレギュラーを目指して、日々しのぎを削っているのです。
駆け出しの素人状態から、スターになるまでファンは見守り、応援したくなるシステムはまさにAKBの原型になっているのかもしれません。

宝塚団員のパフォーマンスが、向上していく過程を楽しむことがファンの醍醐味であることもAKBと重なっている特徴です。
【「タカラヅカ」の経営戦略】では、「コンセプトの近接性」という言葉で、このことを表現しています。
また、ファンと宝塚団員が一緒になってスターを目指す、過程そのものが指示されていると解説されています。

いかにファンコミュニティを醸成していくか、そのことがこういったエンターテインメントにおいて重要だとも指摘しています。
また、マーケティングの重要性も指摘していて、戦略とともに体系化(ノウハウとして伝えていく)することが成功の指標となるとのことです。


他にもいろいろなエピソードや手法・考え方が書かれていて、非常に面白いのでぜひ読んでみてくださいね。

経営者
アスネタ – 芸能ニュースメディア

コメント