大野克夫のバンド経歴&大野雄二とタッグ。井上堯之・沢田研二との関係は?

近年は『名探偵コナン』シリーズの音楽を担当する作曲家として広く知られる大野克夫(おおのかつお)さん。

かつてはザ・スパイダーズのメンバーとしてグループサウンズブームを牽引し、ブームが去ったあとは沢田研二さんの全盛期を支えた立役者でもありました。

この記事では大野克夫さんのバンド経歴を振り返るとともに、ザ・スパイダーズ時代からの盟友・井上堯之さんや、映画で音楽の競演を果たしたジャズピアニスト・大野雄二さんとの関係についてまとめます。

大野克夫のバンド経歴まとめ

京都の呉服屋に生まれ、父は尺八、母は琴の名手という音楽一家で育った大野克夫さん。


一般的には『太陽にほえろ!』『名探偵コナン』などのテレビ・映画音楽や、『勝手にしやがれ』『カサブランカダンディ』をはじめとする絶頂期の沢田研二さんへの提供曲が有名ですね。

グループサウンズ出身の作曲家の一人ですが、ここではまず大野克夫さんのバンド経歴をおさらいしてみましょう。

スチールギター奏者として関西で名をはせていた大野克夫さんは、スカウトされて1962年にザ・スパイダースに加入。

ザ・スパイダーズはグループサウンズの人気バンドで、メンバーは堺正章さん、井上順さん、かまやつひろしさん、井上堯之さんといった豪華な顔ぶれでした。

『夕陽が泣いている』『あの時君は若かった』などのヒット曲は世代を問わず耳にしたことがあるでしょう。

解散後は盟友の井上堯之さんほか、ライバルバンドだったザ・タイガース、ザ・テンプターズからも二人ずつ参加したスーパーバンドPYGが始動。

YMOのように「ピーワイジー」と読む人がいますが、「ピッグ」です。

今となっては見られない沢田研二さんと萩原健一さんのツインヴォーカルバンドでした。

しかし、やがて萩原健一さんが俳優業に転向。

メンバーは井上堯之バンドとして沢田研二さんのバックバンドに形を変えます。

井上堯之バンドは1979年に若いバンドと交代し、翌年に解散。

大野克夫さんは大野克夫バンドを結成して、井上堯之バンドが担当していたテレビドラマなどの音楽を引き継ぐことになります。

大野克夫と大野雄二が映画で強力タッグ!

2013年の『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』で、ファンにとっては夢のような音楽の競演を果たした大野克夫さんと大野雄二さん。

ちなみに兄弟ではありません。

そもそもルパン三世と名探偵コナンがスクリーンで共演することが夢のような企画。

大野雄二さんは1977年にスタートしたテレビアニメ『ルパン三世』第2シリーズから音楽を担当してきた作曲家。

同時期には映画『犬神家の一族』の音楽のほか、『人間の証明』や『野生の証明』の主題歌も手がけています。

近年は作曲活動を抑え気味にして、プレイヤーとして活動を再開。

2016年にはYuji Ohno & Lupintic Sixを結成し、精力的にライブを行っているとのこと。

2019年に78歳を迎えましたが、とにかくエネルギッシュな大野雄二さんです。

自らステージに立ちたい、演奏したいというのは、ジャズピアニストの生理なのかもしれませんね。

井上堯之や沢田研二との関係は?名曲『時の過ぎゆくままに』誕生秘話

井上堯之さんは2018年5月、敗血症のため77歳で他界。


ちょうど1年前の5月に催された、かまやつひろしさんのお別れの会が公の場に見せた最後の姿になりました。

ザ・スパイダーズ時代は音楽的な屋台骨として大野克夫さんとともにバンドを支えた井上堯之さん。

大野克夫さんの作曲家としての才能は、PYGから井上堯之バンドへ移行した頃に一気に開花したように思えます。

沢田研二さんの最大のヒット曲というと、歌謡大賞とレコード大賞をさらった『勝手にしやがれ』と思いがちですが、この曲を上回るセールスを記録したのが『時の過ぎゆくままに』でした。

主演ドラマ『悪魔のようなあいつ』の挿入歌として、昭和世代にはおなじみの名バラードです。

すでに完成していた阿久悠さんの詞に曲をつけることになり、大野克夫さんと井上堯之さんは演出家の久世光彦さんと打ち合わせをすることに。

ところが実は6人の作曲家によるコンペだったことを知らされ、井上堯之さんは激怒。

かたや大野克夫さんは、詞を渡されて目を通した瞬間にメロディーが降りてきて、とにかく早く帰宅して完成させたくて打ち合わせどころではなかったそうです。

コンペの顔ぶれには加瀬邦彦さん、都倉俊一さん、井上大輔さんらがいたことがわかっていますが、この歌詞にはこのメロディーしかないと思わせるほどの名曲です。

井上堯之さんの哀愁を帯びたギターも心に迫ります。


沢田研二さんはバックバンドが変わったあともこの曲を歌い続けてきましたが、井上堯之さん以外のギタリストではどこかしっくりこない感が否めません。

全盛期のジュリーのパフォーマンスは、大野克夫さんが作り上げた楽曲を井上堯之バンドが演奏することで生まれた化学反応の賜物だったのかもしれませんね。

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