田口ランディ、兄と父が原点。娘・夫と学歴について。スピリチュアル体験なし?

配信したメールマガジンが大勢の購買者を獲得したことで小説家デビューを果たした田口ランディ(たぐちランディ)さん。

その作品群は社会問題からスピリチュアルなテーマまで、まさにボーダーレスです。

長い間、自死やアルコール依存症の問題にも取り組んできましたが、そのきっかけとなった兄や父についてみていきます。

また娘や夫、学歴についてもまとめます。

田口ランディの原点となった兄と父

1959年10月3日、東京都に誕生した田口ランディさん。

「ランディ」はペンネームで、本名はけい子さんといいます。

90年代後半から配信したメルマガが10万人の読者を得たことで出版社から声がかかり、書き上げたのが長編小説『コンセント』でした。


同作は10年あまりの引きこもりの末に42歳で孤独死した8歳年上の兄をモデルにした作品です。

兄が他界して数年がたち、ようやく兄の死を受け入れられるようになった時、表現したいという強い欲求が湧き上がってくるのを感じたと語っています。

兄の家庭内暴力がはじまったのは中学生の頃。

高校卒業後にいったん就職したものの、転職を繰り返し、やがて引きこもりの状態になりました。

30代後半からは父とのいさかいが絶えなくなり、精神的に追い詰められていきます。

そして1995年、アパートの自室で衰弱死しているところを発見されました。

おそらく父とのトラブルに疲れ果てたのだろう、と振り返るランディさん。

父は気性が激しく、酒乱で多動症の傾向があり、アルコール依存症でした。

独善的な父に振り回され、男であることを否定され続ける兄を見ていると苦しそうでせつなかったにもかかわらず、両親とランディさんが兄に言い続けた言葉は「働け」の一言のみだったそうです。

男同士の父や兄と違い、自分は女だったため逃げ場があったと述べています。

一切の労働を拒否し、コンセントにつながれたままの掃除機がある部屋で餓死した兄のことを今思うと、生きたいように生きられず、心がくたびれ果てていたことがわかるそうです。

兄の後を追うように母も翌年に他界し、父は晩年に末期がんが発覚して余命半年に。

入院した病院でアルコール依存症の禁断症状が現れ、幻覚を見て徘徊を繰り返すうちに認知症に移行して、ランディさんのことも認識できなくなりました。

母の顔を見れば思い出すかもしれないと思い、家族が写った写真を見せると、父は母ではなく兄を指さしてポロポロと涙を流したそうです。

兄の死に深い罪悪感を感じていたことに気づいたランディさん。

父を許し、和解することを決めたのはこの時でした。

田口ランディの娘と会社の同僚だった夫

エディタースクールで学んでいた頃、「きみは学校より実践で学ぶほうが向いている」と講師が紹介してくれたのが広告代理店のアルバイトでした。

まもなく社員になり、企画編集に携わるようになった田口ランディさん。

夫はこの会社の元同僚です。

結婚を機に独立し、26歳で友人と編集プロダクションを立ち上げました。

当時はバブル時代で、仕事をしてたくさんの収入を得ることが楽しくてしかたがなかったそうです。

やがてお金の感覚に麻痺している自分に気づき、これが本当に望んでいた人生なのかと疑問を抱いて、いったん仕事から離れることに。

会社をやめた途端に妊娠し、38歳で女児を出産しました。

妊娠中に暇にまかせてはじめたメルマガが小説家デビューにつながっていきます。

やがて娘は成長して大学に進学。

ところが、わずか5か月で退学してしまいます。

この時ランディさんは、兄に間違った対応をしてきた自分がもう一度試されているのだと受けとめたそうです。

娘には「学費が浮いて助かるから、その分何をしてもよし」と言いました。

田口ランディの学歴について

田口ランディさんの学歴については明確な情報がないのですが、インタビューの発言から推測すると最終学歴は高校卒業と思われます。

「家に残って家計を助けてほしい」という両親の願いをふりきり、高校卒業後に家を出ています。


その後は新聞の専売所や英語教材の訪問販売の仕事をしますが、高収入だったのはやはり夜の仕事で、銀座のクラブに3年ほど勤めていたそうです。

常連客に大手新聞社の社員がいて、マスコミの仕事につくにはどうすればよいかと訊ねたところ、「この世界は完全な学歴社会だから、高卒で編集の仕事を志望しても小さな編集プロダクションでこき使われるのが関の山」と諭されたとのこと。

この時は23歳でした。

田口ランディは意外にもスピリチュアル体験なし

宗教、精神世界、スピリチュアルな世界を描いた小説や作品が多い田口ランディさんですが、その原点はやはり家庭環境にあるとご本人は自己分析しています。

お酒を飲むと豹変する父親を不思議に思い、なぜ幻覚が見えたり認知のしかたが変わったりするのか、その心の謎を知りたかったそうです。

日本のスピリチュアル研究の第一人者、秋山眞人さんと対談したり、一緒にスピリチュアルスポットを訪れる内容の著作もありますね。

読者にも「ランディさんてスピリチュアルな人ですよね」とよく言われるそうですが、作品はひとまず置いておくとして、自分自身はスピリチュアルな人間ではないと明言しています。

生まれてこの方、霊を見たこともなければ、霊的な体験をしたこともないのだそう。

小説の内容を実体験と誤解している読者も多いと発言していますが、誤解する読者が多いのはリアリティがある証拠ともいえるでしょう。


両親と自分は兄の社会復帰を焦るあまりに急ぎすぎ、大切な何かを見落として最悪の結末を迎えてしまったと語る田口ランディさん。

これまでの壮絶な体験を原動力にして、今後も作家の枠にとらわれない独自の活動を続けてほしいと思います。

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