イタリア語の通訳・翻訳者で、エッセイストとしても活躍中の田丸公美子(たまる くみこ)さん。
エッセイにおいては、「シモネッタ」という名前でも知られていますね。
今回は田丸さん、現在の様子、夫の詳細、息子が弁護士という情報を確認します。
また講演情報、親友だった米原万里さんとのエピソードも見ていきましょう。
田丸公美子のプロフィール
本名:田丸公美子
生年月日:非公表
身長:不明
出身地:広島県
最終学歴:東京外国語大学イタリア語学科
田丸公美子の現在
まず田丸さんの現在についてです。
#自宅フヅクエ
イタリア語通訳者、田丸公美子さんの『シモネッタのアマルコルド』。語り口がリズミカルで、ウィットに富んでいて、そして難しい日本語が沢山(笑)。曖昧な理解の日本語は辞書をひきひき読んでます。 pic.twitter.com/eLcpz2OXcz— aks (@aks66950565) July 30, 2020
最近はあまり目立った活動をしていない様子の田丸さん。
とくに病気の情報もないため、今どのように過ごしているか、正確なところはわかりません。
長くイタリアで生活しているため、日本に情報が入ってきにくいことも影響しているでしょう。
もしかすると、これまで執筆やイタリア語の通訳・翻訳、講演などで色々と活動してきた分、充電期間に入ったのかもしれませんね。
彼女について、もっとも最近話題になったのは、2014年に発表したエッセイ『シモネッタのどこまでいっても男と女』。
田丸公美子『シモネッタのどこまでいっても男と女』
そこまでページ数もなくて読みやすいのに、ボリューム感がある
すべて笑えてとても面白いけど、最後の章は笑いではなく感動をもたらす素晴らしいエッセイ集
解説もよい pic.twitter.com/FLRtxJDM3k— 里帆 (@rbibouroku) February 25, 2019
シモネッタのどこまでいっても男と女(著:田丸公美子、講談社文庫)読了。書店でシモネッタという言葉を見て米原万里さんのご友人だよなと買ってみた。イタリア男との長い付き合いの中でのエピソードが面白い。老いていく男の変わり方にちょっぴり癒されたりする pic.twitter.com/wOi31d4mLm
— はらみ (@izumium777) May 12, 2017
子供が独立した田丸さんは、ようやく落ち着いたためか、自身の夫婦・家族生活を客観的につづりました。
さらに家族以外の身近な人々を題材に、男女の悲喜こもごもがユーモアを交えて描かれています。
とくに注目すべきなのが、これまで公表されてこなかった、田丸さんの夫の存在です。
田丸公美子の夫
田丸さんの夫は、エッセイの中では「組紐学園の理事長」と表現されています。
「組紐」とは、「公美子のヒモ状態」ということ。
つまり旦那さんは定職に就かず、通訳や作家として活躍する田丸さんの収入を頼りに暮らしているのです。
しかも彼は事業の失敗により、借金も背負ってしまいました。
田丸さんは必死に働いて家計を支え、借金を返済してきたのです。
夫を責めたことはあったものの、苦しい体験をユーモラスなエンタメ作品に仕上げる手腕は見事。
彼は妻に感謝しているはずですが、何も恩返ししていないとすれば反省すべきかもしれませんね。
ユーモラスでありながらドライな田丸作品は、読む人につらい現実を乗り越える力をもたらしてくれるでしょう。
息子は弁護士
田丸さんは「ヒモ状態」の夫を支えながら、息子も育て上げました。
2011年の著書『シモネッタのドラゴン姥桜』によると、通訳者として多忙な30代で、息子のユウタさんを出産。
ユウタさんは名門開成高校から東京大学に進学し、今は弁護士として活躍しています。
絵に描いたようなエリートといえますね。
ただし彼はガリ勉タイプではなく、母に対して反抗することもあったようです。
茶髪を叱ると、翌日は金髪にして反抗心を示しました。
しかし田丸さんは厳しく育てるのではなく、母子で信頼関係を育みながら、彼の自由に任せていたようです。
結果的にユウタさんは、学校内で人望を獲得し、恋愛も謳歌しながらのびのび育ちました。
彼は著名な作家である母に反抗しつつも、意思を尊重しながら育ててくれた彼女に感謝しているはず。
強い信頼で結ばれた、賢くユーモラスな母子であることがうかがえますね。
田丸公美子の講演情報
田丸さんは日本国内で、イタリア文化に関する講演を行ってきました。
近年はあまり開催されていないうえ、公式サイトがない分、最新情報を手に入れるのが難しい状況です。
ただこれまでの講演内容を調べると、「シモネッタ」らしい下ネタ満載の、楽しい講演を行ってきたようですね。
2010年の講演では、「日本語のレベルが低い場合、低いレベルのイタリア語しか話せない」と語りました。
「かわいい」や「おいしい」、「やばい」など、単純な日本語で済ませてしまう人が、外国語で豊かに表現できるはずがありません。
彼女の言葉を聞けば、日本語を正しく使えない人が多い中で外国語教育を推進することへの危機意識が高まるでしょう。
下ネタをちりばめつつ、深いテーマも内包している彼女の講演が、再び行われる日が来るといいですね。
田丸公美子と米原万里は親友
田丸さんは、ロシア語通訳者でエッセイストの米原万里さんと親友同士でした。
今年最後(31の夜)に読む予定
『言葉を育てる〜米原万里対談集』イタリア語通訳・翻訳者、エッセイストの田丸公美子さん(万里さんの盟友)との、抱腹絶倒対談が5本も入っている。コロナ禍の陰鬱な空気が一変します❗️
万里さんが亡くなってもう14年… pic.twitter.com/71Ioxip8gP
— あずきごろりん (@19heyheymymy45) December 30, 2020
2人は通訳関係の仕事がきっかけで出会ったそうです。
共に東京外国語大学を卒業しており、親近感がわいたのでしょう。
元々「シモネッタ」という通称は、米原さんのあだ名でした。
しかし下ネタが大好きな田丸さんの方が、この呼び方にふさわしいと考え、米原さんが自身のあだ名を献呈。
結果的に田丸さんが「シモネッタ」、米原さんが「エカテリーナ(え勝手リーナ)」と呼ばれるようになりました。
前者はイタリア語の女性名、後者はロシア語の女性名のため、それぞれの専門分野に合っていますね。
米原さんは2006年、卵巣がんにより、56歳の若さで亡くなりました。
無二の親友を失った田丸さんは、今でも喪失感を抱きながら過ごしていることでしょう。
夫の借金、親友の死を乗り越えて、たくましく進んできた彼女の生き方。
なかなか真似することは難しいですが、田丸作品のユーモアに触れれば、きっと明日を生きる希望を見出せるでしょう。
コメント