桜木紫乃の実家はラブホテル。大学進学せず、夫が公務員。ホテルローヤルで直木賞

現代における性愛文学の名手である小説家の桜木紫乃(さくらぎ しの)さん。

北海道釧路市の実家がラブホテルだったことが、作品に大きな影響を与えています。

また出身大学の詳細と、夫が公務員という情報を確認。

独特な生い立ちが、直木賞受賞作の『ホテルローヤル』に与えた影響を見ていきます。

桜木紫乃のプロフィール

本名:金沢志保

生年月日:1965年4月19日

身長:不明

出身地:北海道釧路市

最終学歴:北海道釧路東高等学校

桜木紫乃の実家はラブホテル「ホテルローヤル」

桜木さんの実家は、かつて釧路町にあったラブホテル「ホテルローヤル」です。

元々の稼業は床屋でしたが、桜木さんが中学3年生のとき、父がいきなりラブホテル経営を始めたといいます。

ある日突然、自分の父が「ラボホテルを経営する」と宣言したら、普通の人なら驚くでしょう。


しかし桜木さんの父は野心に満ちた人だったそうで、突拍子もないことを行うのが日常茶飯事だったようですね。

そのため桜木さんはさほど驚かず、15歳から結婚する24歳まで、ホテルの部屋を掃除していたといいます。

若くしてラブホテルの掃除を担当した経験は、忘れ難いものでしょう。

掃除をしに部屋へ入ると、男女の残り香が鼻を刺したそうです。

しかし父が「ラブホテルで食べていく」と決めたら、子供は文句を言わずに従うしかありませんでした。

ただ「ホテル屋の娘だから」と後ろ指を指されないよう、常に気を付けながら過ごしていたそうです。

多感な時期にラブホテルの掃除をこなし、周囲の視線も気にした特異な経験。

長女だったからこそ父から「家業を継げ」とも言われていました。

桜木さんは無理やりラブホテル稼業を継がされそうになったことへの違和感を抱き続けます。

そして自分の息子と娘に対しては、価値観を押し付けることなく育てることにしたのです。

今では実家のラブホテルは廃業し、建物も消えました。

しかし桜木さんは忘れ難い経験を土台に、代表作『ホテルローヤル』を執筆するのです。

桜木紫乃は大学に進学せず裁判所に就職

インテリのイメージがある小説家に対して、「大学を卒業している」という勝手な印象を抱いてしまいがちですよね。

しかし桜木さんは大学を卒業しておらず、北海道釧路東高校が最終学歴です。

高校在学中は文芸部に所属していたため、実践的に文章の書き方を身に付けたのでしょう。

わざわざ大学に進学しなくても、高校の時点で文才を磨いていたに違いありませんね。

高校卒業後は裁判所に和文タイピストとして就職しています。

裁判所で出会った6歳年上の書記官と結婚し、24歳で退職しました。

夫は公務員、正確には裁判所の書記官

桜木さんは22歳のとき、職場の裁判所で書記官の男性に出会い、恋に落ちました。

「顔は坂東玉三郎、声はジュリー」に似ていたとのこと。

要するに桜木さん好みの二枚目だったそうです。

「土日はパンツを穿かない」などと噂されるほどの色男だったといいます。

桜木さんは執念深く男性を追いかけ、24歳で結婚に至るのです。

色男を射止めるまで追いかけるとは、恋に対して積極的な桜木さんの性格がうかがえるエピソードですね。

結婚の際に夫が提示した条件は、「外で仕事をしない」こと。

在宅でできる仕事ということで、作家を目指すことには賛成してもらえたそうです。

20代のうちは主婦として家事をこなし、34歳で結婚10年を記念し、夫の援助で詩集を自費出版しました。

詩集が縁となり同人誌『北海文学』の主宰者から、小説を書くようすすめられます。

こうして執筆した『瑠璃色のとき』で北海道新聞文学賞の候補となります。


37歳のとき『雪虫』でオール讀物新人賞を受賞。

しかし作家として継続的に食べていけるようになるまでは、時間がかかりました。

夫、長男、長女との生活を守りながら、諦めずコツコツと執筆を継続。

およそ10年後に『ラブレス』で直木賞候補となりました。

その後ついに桜木さんは自身の原点である、ラブホテルを題材に小説を書くのです。

桜木紫乃は『ホテルローヤル』で直木賞受賞

作家となった桜木さんは、多感な時期を過ごしたラブホテル「ホテルローヤル」での特異な経験と向き合い始めました。

文句を言わず、ひたすらラブホテル稼業を手伝った記憶に折り合いを付けるときが来たのです。

ホテルはすでに廃業し、実際の建物も消え去っていました。

結果的に「ホテルローヤル」という名前だけを使い、後はすべてフィクションとして物語を描きます。

こうして代表作『ホテルローヤル』は誕生し、2013年に見事、直木賞を受賞するのです。

同作は7年後に映画化されるほど、根強い人気を獲得しました。

直木賞をもらったとき、小説の神様から「覚悟しろ」と言葉をかけられた気持ちになったそうです。


複雑な思い出の詰まったホテルからインスパイアされた作品で、作家としての地位を確立した桜木さん。

自身の記憶と向き合った結果、優れた作品を残し、ずっと抱いていた違和感をも整理できたのでしょう。

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