直木賞作家で、紫綬褒章も受章している桐野夏生(きりの なつお)さん。
ロマンス小説『愛のゆくえ』でデビュー以来、ミステリー小説なども執筆してきました。
1998年の『OUT』では江戸川乱歩賞の他、優れた推理小説に与えられるアメリカのエドガー賞にもノミネートするなど、世界的に活躍しています。
そんな桐野さんですが、養子問題と夫についてある噂が流れているのです。
今回は桐野さんの家族について、村上龍さんとの噂の真相、さらに作品に影響を与えたタワーマンションという存在への思いも見ていきましょう。
桐野夏生のプロフィール
本名: 橋岡まり子
生年月日: 1951年10月7日
身長:不明
出身地: 石川県金沢市
最終学歴: 成蹊大学法学部
桐野夏生と養子問題の噂
桐野さんの養子と噂されている人がいます。
作詞家として活動している御徒町凪(おかちまち かいと)さんです。
御徒町さんは歌手の森山直太朗さんの楽曲を制作していたことで知られています。
それ以外にも、詩人として朗読会に参加するなど、精力的に表現活動を行っているようです。
御徒町さんの妻は、創作をメインに演劇など多彩なジャンルで活躍している、芥川賞作家の本谷有希子さん。
夫婦そろって表現の幅が非常に広い印象を受けますね。
そんな御徒町さんですが、桐野さんの実子という噂が流れています。
さらにその後、養子に出されたとまで言われているのです。
この噂の真偽について、また父親が誰なのかも次で見ていきましょう。
桐野夏生の夫の噂、実際の家族について
桐野さんの夫、御徒町さんの実父として名前が挙がっているのは、芥川賞作家の村上龍さんです。
村上さんは『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞した1976年に結婚しています。
直後に子供をもうけているのですが、その年齢は御徒町さんとほぼ同じ。
また妻はエレクトーン奏者だったとご自身が発言していて、それが桐野さんだったと言われているのです。
実際にはエレクトーン奏者は高橋たづ子さんという方だと言われており、桐野さんが妻ではないことがわかります。
たまたま双方の結婚時期が76年前後だったため、このような噂が流れたのでしょう。
さらに桐野さんの子供は娘ですので、御徒町さんではないはずです。
「魂萌え!」という桐野さんの作品に、家族を顧みない女性が登場するため、それがご自身の生活と混同視されてしまったのかもしれません。
少なくとも、この3人に因果関係がある可能性は低いので、養子の噂はデマということになりますね。
桐野さんの実際の家族は、おそらく夫と娘でしょう。娘を育てながら自宅でできるライター活動を経て作家になりました。
かつては娘の世話でハードな生活を送っていたようですが、今では娘も成人して執筆とプライベートを余裕で楽しんでいる様子です。
桐野夏生のタワーマンションへの思い
桐野さんが2013年に発表した小説『ハピネス』は、多くの読者に衝撃を与えました。
湾岸地区のタワーマンションという誰もが憧れる住居を舞台に、不倫やDVといった、富裕層の醜い実態が暴かれていく物語。
本来なら羨まれるセレブなママ友の生活に、まったく魅力を感じることのできない描写をした桐野さんの思いはどのようなものだったのでしょうか。
桐野夏生「ハピネス」#読了
タワマンに住む30代前半女性の話。
気疲れするママ友、タワマンの格差やらめんどくさいなと思った。
外から見ると幸せそうでもそんなことはない。単身赴任中の旦那との関係に悩み、娘との生活を守ろうとする姿勢とか、過去に向き合ったりとか、リアリティがあった。
— 気合いの戦士 (@kiainosenshi) March 29, 2019
『ハピネス』の続編である『ロンリネス』では、主人公がタワマン住まいでありながらパート勤めをする描写があります。
桐野さんの文体からは、パート勤めをしてまで見栄を張ろうとする主人公への冷めた視線が感じられるのですが、それはタワーマンションそのものへの冷たい感情に他ならないでしょう。
タワーマンション暮らしは憧れの生活だという風潮に、一石を投じたかったのかもしれません。
両作はドロドロとした描写で読者を嫌がらせつつ、また楽しませるエンタメ小説でありながら、本当の幸福とは何か問いかけているように感じます。
桐野さんは不快なものを書くときに、筆が衰えるどころか活発化していくタイプの小説家なのでしょう。
作風や養子問題の噂とは逆に、ご自身は最低限与えられたもので満足できる生活を送っているように感じました。
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