『星の時計のLiddell』や『空の色ににている』などの作品が愛され続けている、少女漫画家の内田善美(うちだ よしみ)さん。
現在は消息がつかめておらず、「癌になった」「引退した」などとさまざまに憶測されています。
噂の真相に迫り、内田さんの近況を確認しつつ、そのすごさについて驚異的な画力から紹介します。
内田善美のプロフィール
本名:非公表
生年月日:1958年10月28日
身長:推定154cm
出身地:山梨県
最終学歴:女子美術大学
内田善美の現在
今でも作品が愛され続けている内田さん。
内田善美『草迷宮・草空間』読了。
「ねこ」が可愛くて胸がくるしい…!
「タマシーって何?」と問う人形。
この次に降る雪を見ることがあるなら、思うのだろうか。
「魂が降ってきたよ」と。 pic.twitter.com/P6JRkiudxR— いやしの本棚 (@ayagonmail) February 18, 2020
しかし1984年の『草迷宮-めらんこりかるShopping-』を最後に、作品を発表していません。
1987年に「ぶ~け」および「ぶ~けデラックス」誌にカラーイラストが掲載されたようですが、以降は活動を停止しました。
作品が再版されたこともないため、単行本はかなり貴重ですね。
内田さんは1953年に生まれ、女子美術大学在学中に『なみの障害物レース』でデビューしました。
「ぶ~け」誌には1978年の創刊号から作品を掲載し、看板漫画家となります。
緻密な作画と哲学的で奥深いストーリーは高く評価され、人気漫画家として活躍しました。
活動停止後もファンだけでなく、出版社からも再版を望む声が後を絶っていません。
内田善美の消息、再版を禁止
業界内外からの再版要望に対して、内田さんは再版を固く禁じているといいます。
そのため多くの作品が絶版となってしまいました。
内田さんの消息は分かっていませんが、再版を禁じる意思だけは、出版業界へ確実に伝えるようにしてきたのでしょう。
活動を停止した理由や再版を禁じている理由は不明です。
高い評価とは裏腹に、自身は漫画家としての実績に不満を抱いているため、作品をこれ以上読まれたくないのかもしれません。
読者からすると、名作が読み継がれないのは非常にもったいない状況に思えますよね。
それでも内田さん自身の意思が固い以上は、尊重するしかなさそうです。
ちなみにネットには、漫画家の松苗あけみさんが、今も内田さんと交流しているという情報がありました。
真相は不明ですが、事実だとすれば、漫画業界と少しはつながり続けているということになります。
いつの日か「活動を再開してくれるかも」「作品の再版許可を出してくれるかも」とわずかな期待を抱かずにいられませんね。
内田善美が癌になったかは不明
内田さんが癌になったと噂する人がいるようです。
調べましたが、最近の内田さんの消息は不明のため、癌になったという確証は得られませんでした。
誰かが、「癌になったため活動を停止させたのでは」と推測したのではないでしょうか。
癌の情報についてはあくまで噂、推測の域を出ておらず、デマと断定して良さそうです。
引退理由は理想の作品を描けなくなったためか
内田さんは2023年で、活動を停止してから39年が経過しました。
事実上、引退したということになります。
引退理由については、「理想の作品を描けなくなったため」という説がありました。
単行本『星の時計のLiddell』の口絵のカラーを描くのに、時間がかかり過ぎたことで、自信を喪失したようです。
昔、雑誌からカラーページを切り抜いていたのを思い出して探したら出てきたモノです。
『空の色ににている』第1回、『草冠を編む半獣神』、『ひぐらしの森』、『雲の魔法よ風の船』、『星の時計のLiddell』は第1回と第3回がありました。どれも美しいです。#内田善美 pic.twitter.com/68buJxNBW9— ゆえひろき (@2460yusuke) June 19, 2020
口絵は細部まで描きこまれたすばらしい作品であり、時間がかかるのは当然だったはず。
ただ内田さんとしては、自身が設定した基準に到達していないと感じたのかもしれません。
あるいは締め切りや原稿料を気にすることで、理想の作品を完成させられなくなっていた可能性もありそうです。
読者にとって引退は残念ですが、内田さんが人知れず苦しんでいたのであれば、無理に復帰を望むわけにはいきませんね。
内田善美の画力は驚異的
内田作品の魅力は、驚異的な画力にあります。
ストーリーも高く評価されているものの、作品によってはストーリーより画力を重視したと思われるものも多い印象です。
美大を卒業しているからこそ、正統派のヨーロッパ絵画や挿絵からの影響を受け、緻密で正確な絵を描けたのです。
★消えた天才・内田善美
たまには大好きな漫画のことでも。
70年から80年にかけて、流星のように少女漫画界を駆け抜けた天才がいました。名前は内田善美。超絶技巧の作品は絵画のようでしたが、星の時計のLiddellなど僅かな作品を残し彼女は消えます。今見ても素晴らしい画力。大好きです。 pic.twitter.com/OfwjqASOW2
— 昔の風俗をつぶやくよ (@LfXAMDg4PE50i9e) April 1, 2019
内田善美さんの画力……! #試読シドク pic.twitter.com/6kXGeFrYsV
— ▷▷トルコロック (@cosmiclab) February 25, 2018
内田さんはミレーに代表されるラファエル前派の画家やバーン=ジョーンズなど、イギリスの芸術家の作品を好んでいたそうです。
精緻で優美な作品が多いイギリスの絵画から影響を受けたのであれば、内田さんの漫画が絵画的なのも納得できますね。
岡山生まれの私でも知っている名作絵画「オフィーリア」。ラファエル前派を背負って立つ若き天才、ジョン・エヴァレット・ミレーの描きあげた名画ですが、これを漱石は「風流な土左衛門」と評しました。言い得て妙だよね。 pic.twitter.com/x9Sr4i3BBi
— 三条京阪 (@sanjou_keihan) November 2, 2021
エドワード・バーン₌ジョーンズ『夜』1870年、フォッグ美術館 pic.twitter.com/lSznnG5ERI
— 薄明かりの絵画 (@twilight_art) June 16, 2021
内田作品は細密描写や繊細な線が見事であり、芸術作品と呼ぶにふさわしいものばかりです。
内田善美という漫画家を今日初めて知って、その細密な絵と雰囲気に一瞬で虜に!!!
数冊しか出ていないコミックは30年ほど経っている上、本人が許可を出さないとかで全て絶版でとりあえず画像を集めてうっとりしている
復刊してくれないだろうか pic.twitter.com/iojBOt4LfI— しづ緒 (@shizuo0404) September 23, 2015
金木犀がが香るので、「星の時間リデル」を読みたくなる。 pic.twitter.com/kPXajBmojQ
— shou_02 (@shou_02) September 28, 2016
内田さん自身は絵の完成度に不満だったようですが、優美な絵の完成度は他を圧倒しています。
再版は難しいかもしれませんが、現代のより多くの人々にも、上質な内田作品を堪能してもらいたいですね。
一条ゆかりの結婚と離婚。飼い犬と実家について。緑内障、病気との闘い
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