バンド活動を経て、音楽を効果的に使った小説を多数発表してきた、芥川賞作家の町田康(まちだ こう)さん。
音楽活動を通して、布袋寅泰さんと交流があることでも知られています。
しかしかつて、布袋さんから暴行されたと報じられました。
布袋さんとの暴行事件の経緯、お酒を辞めた理由は何だったのでしょう。
また、町田作品を愛してやまないピース・又吉直樹さんや、町田さんの名言・文体についてもみていきたいと思います。
また家のリフォームについてもご紹介します。
町田康のプロフィール
本名:町田康(まちだ やすし)
生年月日:1962年1月15日
身長:168cm
出身地:大阪府堺市
最終学歴:大阪府立今宮高等学校
布袋寅泰からの暴行
近年は町田康さんに関するニュースがもっぱら作家としての話題であるだけに、布袋寅泰さんとの間に起きた暴行事件は注目を集めました。
同年齢である二人は親交があり、ライブやアルバムでの共演経験もある間柄でした。
しかし2007年6月14日未明、町田康さんは布袋寅泰さんに暴行を受けて負傷。
後日、千葉県君津署に被害届を提出し、布袋寅泰さんは書類送検されました。
町田さんがどのような状況で、布袋さんから暴行されたのか見ていきます。
明日の朝6:30からはらくごのデンパです☺️
今回は、作家の #町田康 さんと #笑福亭羽光 さんをお迎えしています🙇♂️✨
町田さんの落語経験がとにかく面白いです🤣小説の書き方と落語の関係とは?
明日の放送は読書好きの方にも聞いていただきたいな〜#JOQR #文化放送 #レロレロしてくる🤮 pic.twitter.com/ihVW81BNuP— 西川あやの (@AyanO_N1shikawA) December 15, 2018
事件は2007年7月26日に発生。
布袋さんが町田さんの顔面を殴り、全治2週間のケガをさせたそうです。
2人は千葉県君津市を車で走っていた際、音楽活動について口論になりました。
布袋さんが音楽をビジネスと考えていたのに対し、町田さんは趣味と考えていたため、意見の食い違いが生じたようです。
布袋さんは手で町田さんの顔面を殴ったといいます。
町田さんが外で話し合おうと車から降りると、布袋さんはさらに顔面や左胸に打撲を負わせました。
町田康が週刊誌に事件を寄稿
布袋さんが書類送検されたのち、町田さんは「週刊女性自身」に事件の詳細をつづります。
しばらくは沈黙を守り入院先で治療に専念していたものの、自ら週刊誌へ寄稿したのには理由がありました。
同じ類の事件で被害を受けた人から、「被害者が沈黙すると、加害者が得することになる」と指摘されたそうです。
また事件の報道で「被害者にも落ち度がある」などと批判され、二重の被害を受けないよう助言されたようでした。
そのため町田さんは沈黙を破り、事件の経緯を公表。
町田康さんのHPには通院の履歴や「うそつき野郎を滅ぼしたい。」というコメントを投稿しています。
布袋寅泰サイドの反論
対して布袋寅泰さん側は、「事実と明らかに違う点がある」とした上で、「ケガを負わせたことは深く反省する」とコメント。
所属事務所が発表したものです。
一方的に暴力を振るったように報じられておりますが、事実ではありません。
現場にいた第三者の証言を含み、警察にお話ししてありますので、そこで真実が明かされることと思います。
けがを負わせるに至ってしまったことは大変申し訳なく思っております。
友達として解決を図るべく努力してまいりましたが、理解を得られず残念
いずれにせよ、布袋さんはプロ意識が高すぎるあまり、ついカッとなってしまったのかもしれません。
その後、町田康さんと布袋寅泰さんが和解したという続報は伝わってきません。
町田康が酒をやめた理由
町田さんは2015年12月26日から、お酒を辞めています。
2019年にはエッセイ『しらふで生きる』を発売し、ヒットを飛ばしました。
町田康「しらふで生きる」を読んだ。酒を断つ、とは恐らく道理を超えた何かなんだろうと想像する。人生はそもそも寂しいものとしてある、楽しさや幸せを追い求めるプロセスではないという認識。ただ生きる。それってまるで樹木じゃないか。雨を浴び風に吹かれてただそこに立っている。 pic.twitter.com/GGB9RwVNNO
— saitojun (@saitojun_ndh) December 9, 2019
30年間、毎日飲酒していたにもかかわらず、なぜ断酒に踏み切ったのでしょう。
断酒の理由は、「経済的な事情」や「健康上の事情」のような分かりやすいものではなかったそうです。
ただ「何となく」断酒したといいます。
町田作品の登場人物は、多くが直感的に行動します。
そして後付けで、行動の理由を探っていくのです。
作品と同じく、町田さん自身もまずは直感的に「断酒しよう」と決意し、後から自分なりに理由を考えようとしたのでしょう。
彼は「結論が最初から決まっていて、それに沿って書いていくことに興味がない」と語っています。
さらに「時間差による文学的酩酊」を味わいたいとのこと。
断酒によって時間と共にお酒の記憶が薄れていき、生々しさを失っていきます。
生々しさを失ったタイミングでお酒について文章を書くと、飲酒した当時の生々しさを追体験できるそうです。
結果的に時間差が生じたタイミングで、もう一度「酩酊」できるのが、「文学的酩酊」と語っています。
「文学的酩酊」を味わう時間は至福のひと時のようで、断酒の大きな理由だったのでしょう。
自身も「面倒くさい話」と自嘲しながら、文学者ならではの独特な理由から断酒を試みたようですね。
町田康のバンド活動
1981年、パンクバンド・INUのボーカリストとして19歳でメジャーデビューした町田康さん。
アルバム『メシ喰うな!』は35年以上にわたり延々とプレスされ続けているパンクの名盤中の名盤です。
日本語にこだわり、強いインパクトを与える歌詞には破壊的なパワーとユーモアが共存しており、後の作家業につながるユニークな言語感覚が感じられます。
パンクが好きな方にはぜひおすすめしたいアルバムです。
そんな町田康さんは、東京と熱海で二拠点生活を始めてはや10年以上。
東京都心のマンションと熱海の古い日本家屋を行ったり来たりする生活を送っているようです。
広い家への憧れがある一方で、ミニマムライフにも憧れているのだとか。
今の住居に腰を据えるまでは、およそ2年おきの間隔で5回ほど引越しを経験しました。
以前住んでいた東京郊外のある街では、平日の昼間に男性が一人ぷらぷらと歩いていると注目を集めたと振り返ります。
芥川賞作家・又吉直樹が町田康を絶賛!
90年代頃から、異業種からの参入組が文学賞を受賞するようになりました。
芥川賞に関しては、ミュージシャンから文壇デビューした辻仁成さんや町田康さん。
そして、お笑いタレントのピース・又吉直樹さんもその一人です。
最近のテレビ出演は作家枠が多いですね。
又吉直樹さんは町田作品の大ファンだそうで、谷崎潤一郎賞を受賞した長編小説『告白』の帯に、「壮絶な叫びに魂をどつかれた」という言葉を寄せています。
雑誌『POPEYE』のスペシャル企画「ピースが熱望『あの人に会いたい!』」では、二人の対談が実現。
「町田さんこそ作家として王道、と言って回っている」
などと本人に伝え、読者としての愛をにじませていました。
町田康の文体は賛否が分かれる?
町田康さんの小説の特徴は、なんといっても癖のある文体にありますね。
時代劇や上方落語、ロックなどに影響を受けたナンセンスで馬鹿馬鹿しさがあふれた作風は、現代作家の中でも評価が真っ二つに分かれるほど。
芥川賞の選評でも、賛否はその文体に集中したようです。
どちらにせよ、誰もが認めざるをえない強烈な個性を放つ文章表現だといえるでしょう。
自由自在にのたうちまわるような文体と、ギャグとも真面目ともつかないようなテンションで、人間の正直な部分やそれが生む滑稽さをさらけだし、小説に描いてきました。
リズムのある独特の語り口や、荒唐無稽なイメージを喚起させる作風で、評価が極端に分かれることもある町田康さんの作品。
それは文章表現の出発点がパンクロッカーとして歌詞を書くことにあったからかもしれません。
町田康の名言!読書とは何か?
芥川賞作家の考える読書とは何か。
読書というのは、もっと深い体験だと思います。瞬発的な知識ではなく、じわじわと嫌な形で体にまわって、二日酔いのようになった状態でもう一度、現実に帰っていかなければならない。それが読書だと思います。
— 町田 康 bot (@ma_chida_bot) 2018年1月4日
とても深い言葉であり、難しい内容でもありますが、わかりやすい例えを引いてくれているので助かります。
読書とは浅い体験ではなく、深い体験。
時にはその人の価値観や人生観まで変えてしまう力を持っていますね。
読書体験が浅いか深いかは、もちろん本の内容にも左右されると思いますが、読み手のキャパシティによるところも大きいでしょう。
読書力とでもいったらいいでしょうか。
例えば前述の『告白』を読んだとしても、読書力の乏しい人は浅い読み方に照らした読書体験しかできず、読書力の豊かな人は深い読み方に照らした体験ができるのでしょう。
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