吉行淳之介、モテる文豪。生い立ちと家族。吉行和子ほか兄弟について

安岡章太郎、遠藤周作らとともに「第三の新人」として活躍し、エッセイや対談の名手でもあった吉行淳之介(よしゆきじゅんのすけ)。

その人生は文学のテーマと同じく、いつも女性に彩られていました。

今回はモテるイケメン文豪・吉行淳之介の女性関係に迫りながら、その生い立ちや家族をみていきます。

吉行和子が妹であることはよく知られていますが、ほかにも兄弟姉妹はいるのでしょうか。

モテる文豪・吉行淳之介の妻と愛人たち

甘いマスクと文学的才能に恵まれた小説家が女性の熱い視線を集めるのは今も昔も変わりません。

芥川賞受賞作『驟雨』(しゅうう)で名が広まり、「第三の新人」の一人として活動した吉行淳之介は、性をテーマに人間を探求した多くの作品を残しました。


『にせドンファン』などの大衆文学や都会的なエッセイも人気が高いですが、淳之介自身は創作の主軸を純文学においていたようです。

芥川賞や谷崎潤一郎賞をはじめとする数多くの文学賞の選考委員も歴任し、選評で述べた言葉を自ら実行していました。

一方の私生活では常に女性の影が見え隠れしていた吉行淳之介。

若い頃に結婚した文枝夫人との間に女児をもうけていますが、のちに別居しています。

女性関係を語るうえで外せないのが2020年3月に他界した宮城まり子ですね。

二人は生涯にわたり、ともに暮らしていました。

文枝夫人が離婚に応じなかったため法的な夫婦ではありませんが、事実上のパートナーであり、周囲の人々に公認された愛人だったといえるでしょう。

宮城まり子は淳之介の母・あぐりや親族とも親密な関係を築いていたようで、あぐりの決断で淳之介の葬儀も取り仕切ることになりました。

このほか淳之介には少なくとも二人の愛人がいたようで、没後に大塚英子と高山勝美が名乗り出ています。

大塚英子はクラブのホステスをしていた時に淳之介と出会い、28年間におよぶ愛人関係にあったとのこと。

のちに『「暗室」のなかで』を発表し、二人の関係を綴るとともに、『暗室』のモデルは自分であったことを公表しています。

彼女だけでなく、文枝夫人、宮城まり子、高山勝美の全員がそれぞれに本を著し、体験を公表しているのがおもしろいところです。

吉行淳之介の家族と生い立ち

吉行淳之介は1924年4月13日、詩人で小説家の吉行エイスケの長男として岡山県岡山市で誕生。

母は美容師の草分け、吉行あぐりです。

NHKの連続テレビ小説『あぐり』のヒロインのモデルですね。

破天荒な放蕩人の父はあまり家にいることがなく、暮らし向きはよくありませんでした。

まだ女性が仕事を持つという概念がなかった時代に、あぐりは働く女性・働く母親として家計を支えます。

やがて長女の和子、次女の理恵が誕生しますが、理恵が1歳の時にエイスケが狭心症のため34歳で急逝。

追いうちをかけるように多額の借金が明らかに。

あぐりは女手ひとつで三人の子を育て、借金を返済。

子供たちにはあれをしなさい、これをしなさいと指示したことはなく、やや放任主義だったようです。

あぐりは生前のインタビューで、もともと淳之介に文学的な雰囲気はなく、子供が読むような雑誌を中学生になっても読んでいたことや、文筆家の父も早く亡くなっているため影響を受けたとは考えにくいことなどを話しています。


文学的な刺激を受けたのは静岡高校に進学したあとのようです。

理恵も淳之介と同じく、あぐりに先立って他界しています。

妹は吉行和子、ほかの兄弟姉妹は?

『3年B組金八先生』や『ナースのお仕事』でおなじみの吉行和子は、淳之介の11歳年下の妹です。

プライベートでは28歳の時に結婚したものの、数年で離婚し、以降は独身です。

2023年に88歳を迎えますが、たびたびテレビで元気な姿を見せてくれていますね。

次妹で詩人の吉行理恵は1939年7月8日生まれ。

女子学院中学校・高等学校を経て早稲田大学を卒業しました。

早くから文筆活動を行い、詩人として高い評価を受けていましたが、1981年には小説『小さな貴婦人』で芥川賞を受賞。

兄妹で芥川賞に輝いたのは彼らが初めてでした。

調べたところ、この時の選考委員には兄の淳之介も。

ほかの家族がメディアへの露出が多かったのにくらべて、理恵はあまり公の場には登場しなかったようです。


生涯独身を通し、2006年5月4日、甲状腺がんにより66歳で死去しました。

女性に恋している時によい仕事ができると語っていた吉行淳之介。

文豪も人間ですから、恋愛が仕事に良い影響を及ぼすことは多いのかもしれませんね。

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