後藤象二郎は坂本龍馬暗殺の黒幕?龍馬の手紙に大政奉還への決意。悪人だったのか

坂本龍馬と力を合わせ、大政奉還に貢献した土佐藩士・後藤象二郎(ごとう しょうじろう)。

2人は協力関係にあったはずですが、後藤が龍馬暗殺の黒幕という説があるようです。

今回は後藤黒幕説、龍馬が後藤宛の手紙で見せた大政奉還への決意をご紹介します。

併せて後藤悪人説を確認しましょう。

後藤象二郎のプロフィール

幼名:後藤保弥太(ごとう やすやた)

生年月日:1838年4月13日(天保9年3月19日)

死没:1897年8月4日

身長:不明

出身地:土佐国高知城下片町(現在の高知県高知市)

最終学歴:開成所

後藤象二郎は坂本龍馬暗殺の黒幕?

慶応3年(1867年)11月15日、龍馬は中岡慎太郎と近江屋で会談中、何者かに暗殺されます。

暗殺犯はわかっておらず、新選組説や京都見廻組説などが生じました。

黒幕についても薩摩藩、会津藩、幕府など有力候補が挙げられているものの、真相は不明です。


では後藤黒幕説には、どのような背景があるのでしょうか。

後藤は尊皇派である龍馬の提案「船中八策」にもとづいて、大政奉還の実現に貢献しました。

功績を讃えられた結果、中老格700石、さらに執政としての役料を合わせて1,500石へ栄進しています。

しかし龍馬が暗殺されたのちは、どういうわけか沈黙を守り始めるのです。

彼の態度から、「大政奉還の手柄をすべて自分のものにしたいため、龍馬に刺客を送った」という説が生じたようです。

ただ龍馬の計画を知る人は多くいたため、彼だけを殺してもすべてが後藤の功績にはならなかったはずです。

後藤黒幕説はあくまで仮説であり、信ぴょう性は低い印象があります。

ただ後藤は土佐藩の上流階級だった上士の出身です。

脱藩した一浪人である龍馬を、完全に信用していなかった可能性はありますね。

それどころか上士を差し置いて、龍馬ばかりが注目されていることを不快に思っていたかもしれません。

後藤黒幕説が生じた背景には、このような身分格差の存在もあったのでしょう。

坂本龍馬の手紙には大政奉還への決意

龍馬暗殺の黒幕という説がある後藤ですが、両者は大政奉還時、協力関係にありました。

慶応3年(1867年)2月、長崎における「清風亭会談」で、参政だった後藤に対し龍馬が大政奉還のプランを進言します。

幕府が政権を返すという斬新なプランに、近代化を推進していた後藤は希望を見出したのでしょう。

2010年に高知県の民家から、龍馬が後藤に宛てた手紙が発見されています。

手紙は大政奉還前日の慶応3年(1867年)10月13日付で出されており、龍馬の強い覚悟が伝わってくる内容でした。

大政奉還建白書の採否を決める会議に出席する後藤に向けて、何としても成功させるよう激励していたのです。

後藤も建白書を否定された場合、切腹する覚悟を決めていました。

龍馬の筆致はかなり乱れ、書き損じも多いため、緊張しながら書いたことがうかがえます。


乱雑な直筆手紙から、時代が大きく動こうとしていた瞬間の緊迫感が伝わってきますね。

さらに2014年には新たに、龍馬直筆の手紙の草稿が、東京都の一般家庭から発見されます。

NHK番組「突撃 アッとホーム」の取材中、偶然街頭インタビューを受けた主婦の自宅から見つかったのです。

大政奉還直後の10月末に後藤の依頼で越前に来ていた龍馬が、帰郷後に出した手紙とのこと。

暗殺の10日前である11月5日に、後藤宛てに記した報告書のようなものでした。

民家から重要な歴史資料が発掘された、驚きの事例といえますね。

後藤象二郎は悪人イメージが強い

歴史ドラマや小説では大人気キャラクターである龍馬。

一方後藤はあまり人気者とはいえず、むしろ悪人のイメージが強いかもしれません。

後藤はかつて龍馬の盟友・武市半平太が率いる土佐勤王党を弾圧しています。

その後長崎出張中、「清風亭会談」で龍馬と親交を深めてからは、一見協力関係を結んだかに見えました。

しかし藩主の父である山内容堂から、大政奉還の手柄を讃えられた際、後藤は龍馬の発案であることを隠したのです。

龍馬暗殺の黒幕説の根拠となっている、「手柄を独占したい」という思いが、確かに彼の胸にあったのかもしれません。


龍馬が下級武士出身で脱藩した浪人だったため、後藤はエリートの上士として、彼を見下していた可能性があります。

極悪非道な悪人ではないものの、龍馬に比べて器が小さく、出世にこだわる「小悪党」的な人物に見えるのは確かでしょう。

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