代表作『あかね空』で直木賞を受賞した時代小説家・山本一力(やまもと いちりき)さん。
作家になるまでの間は転職をくり返し、借金を背負ったこともある苦労人でした。
今回は彼に寄り添い支えてきた、家族について確認しましょう。
2人の息子を中心に家族情報を見ていき、結婚歴と妻・英利子さんについて見ていきます。
併せて苦労人時代にさかのぼり経歴をまとめます。
山本一力のプロフィール
本名:山本健一
生年月日:1948年2月18日
身長:不明
出身地:高知県高知市
最終学歴:東京都立世田谷工業高等学校
山本一力の息子2人は大治郎&動力。料理上手な仲良し兄弟
山本さんには2人の息子たちがいます。
長男・大治郎(だいじろう)さんと、次男・動力(いちりき)さんです。
次男の名前は山本さんのペンネーム「一力(いちりき)」が由来でしょう。
2023年に大治郎さんは31歳前後、動力さんは27歳前後とのことです。
山本作品にはおいしそうな食べ物がよく登場しますね。
食べ物にまつわるエッセイ『味憶めぐり』は、ロースカツ定食やうな重など、彼が味わった食べ物について見事な描写を楽しめます。
<みなさまの図書レビューご紹介☆>「おたふく」山本一力/時代小説ですが、人の口に入る食べ物を扱う人の心構えは、いつの時代でもきっと変わらないものなのでしょうね。なにしろ、ここに出てくるお弁当が美味しそうで… ゴクッ。/ぜひ食べたく…いや、読んでみたくなりますね! pic.twitter.com/D0VIrcIm6I
— 兵庫県立神戸生活創造センター (@sozoc_library) September 9, 2017
山本さんは妻に料理を任せきりですが、台所に立つ彼女への注文は多いとのこと。
息子たちも野菜の切り方や盛り付け方に対してこだわりが強いといいます。
ただし息子たちは父と違い、料理上手なしっかり者のようです。
2002年の直木賞受賞以来、山本さんは地方での取材をはじめ、忙しい日々を送るようになりました。
あまりの忙しさに、妻も取材へ同行するようになると、当時小学生だった息子たちだけが留守番せざるを得なくなります。
すると兄の大治郎さんが料理を始め、それを見た弟の動力さんも料理をするようになったそうです。
2人は料理の腕を上げながら、良好な兄弟関係を築き上げたといいます。
すでに社会人として独立しているようですが、家族仲が良いため、今もよく両親と食卓を囲むのでしょう。
山本さんはほとんど料理をしないものの、大好きなすき焼きだけは、口出しに加えて手出しもするようです。
鍋の中が真っ白になるほどの砂糖を入れて、肉を広げたらすぐに醬油をかけるのが山本流といいます。
あまりのおいしさに家族も喜び、大治郎さんと動力さんも父親流のすき焼きを作るようになりました。
味の濃いすき焼きを楽しむ時間は、家族にとってかけがえのないひとときなのでしょう。
山本一力の家族は4人。3度の結婚歴、現在の妻は英利子夫人
山本さんは16歳年下の妻・英利子さんと、2人の息子の4人家族で、仲良く暮らしてきました。
しかし円満家庭を手に入れるまで、順風満帆な人生を送ったわけではありません。
感情的になりやすい性格の山本さんは、少しでも気に入らないことがあると転職してきたようです。
私生活についても2度の結婚と破局を経て、40歳を過ぎた頃に今の妻である英利子さんと3度目の結婚で結ばれました。
しかし当時英利子さんの実家は、相続トラブルで大揉めしていたそうです。
彼女は多額の相続税を払う必要があり、山本さんは少しでも助けになればとビデオ制作会社を作りました。
しかし不調に終わり、助けになるどころか負債を抱えてしまいます。
膨れ上がった借金は2億円を超えました。
借金返済のため作家に。苦労人の経歴まとめ。
山本さんは多額の借金を抱えた結果、経営していた会社も倒産してしまいました。
彼は工業高校在学中から新聞配達員として働き、卒業すると旅行会社や広告会社などを転々としました。
その過程でコピーライターを経験していたため、文章力には自信があったそうです。
そこで2億円の借金返済のため、文章力を活かして小説を書こうと決意しました。
46歳で決意した際は、周囲から呆れられたものの、英利子さんは応援してくれたそうです。
妻に支えられながら書き上げた小説は、半年後に文学新人賞で最終選考まで残りました。
しかしデビューは叶わず、3年間働きながらひたすら小説を書いて、落選する日々を送ります。
日本航空の商事会社で嘱託として働いていた49歳のとき、ついに『蒼龍』でオール讀物新人賞に輝きデビューするのです。
借金2億。ベストセラーを書き、借金を返すことを思いつく。そこから新人賞に挑むが、苦難の日々が続き、最終候補に残るも落選。
歯ぎしりする思いを書いた小説が見事、新人賞を射止める。
これ山本一力先生の実話です。
思い通りにいかず、もがいている人に、先生のデビュー作「蒼龍」をお勧めします。 pic.twitter.com/os6HEeXjwt— 幸村しゅう (@syu_yukimura) December 2, 2020
見事に夢を叶えた山本さんですが、しばらくは売れない作家生活を送ります。
しかし直木賞受賞後は執筆依頼が殺到し、順調に借金返済を続けてきました。
印税はすべて債権者の口座に直接振り込まれるようにしたといいます。
おそらく今は全額返済したのではないでしょうか。
努力が実った結果、作家としての地位を確立し、借金返済も成功させた山本さん。
地道に稼ぎながら家族も守り抜いた彼の生き方は、絶望している人々にも希望をもたらす力がありそうですね。
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