『熟れてゆく夏』で直木賞を受賞し、女性の内面と恋愛模様を描き続けてきた藤堂志津子(とうどう しづこ)さん。
エッセイストとしては、長きにわたり自身の境遇をリアルにつづってきました。
藤堂さん、現在(2023)の生活、結婚と夫、家族の情報を確認しつつ、病気の詳細も見ていきましょう。
藤堂志津子のプロフィール
本名:熊谷政江
生年月日:1949年3月14日
身長:不明
出身地:北海道札幌市
最終学歴:藤女子短期大学国文科
藤堂志津子の現在
北海道札幌市に生まれ、今も暮らし続けている藤堂さん。
19歳のときに詩集『砂の憧憬』を刊行し、その後北海道新聞社の『北海道新鋭小説集』に作品が収録されます。
1987年に『マドンナのごとく』で北海道新聞文学賞に輝き、北海道を代表する作家となりました。
翌年に『熟れてゆく夏』で直木賞、2003年には『秋の猫』で柴田錬三郎賞を受賞し、全国的な知名度を手にします。
藤堂志津子『熟れてゆく夏』有閑マダムともいうべき夫人と近づきになった主人公の女性が、翻弄されながらも飼いならされてしまいそうになる姿が描かれた作品です。詩人だけあって表現力が豊か。装飾過多のところがややまどろっこしかったりはします。https://t.co/I4kTxHnCD2
— レペ (@hit4boy) July 1, 2021
ニャーゴ、ニャゴ、ニャーゴとしつこく、くりかえし、それでも私が眠ったふりをしていると、なんと、ロロは、片手で私のほっぺたをたたいた。たたいたのだ、ほっぺたを。こんな可愛いことをしたのだ、ロロは。
藤堂志津子さんの秋「秋の猫」好きな表現
妙齢で結婚せず猫を飼い始める葛藤が沁みた🥺 pic.twitter.com/1hx0Bq4bD7— やーこ¨̮♡ (@7sweetsR) March 8, 2020
北海道ゆかりの作家には、文豪・有島武郎を筆頭に、三浦綾子さん、渡辺淳一さんなど錚々たる人々がいます。
藤堂さんも文学の土地といえる北海道が生んだ、優秀な小説家なのです。
とくに鋭い人間観察力と、リアルな恋愛模様を描く手腕は高く評価されてきました。
ただ近年は新作を発表しておらず、もしかすると病気や家庭の事情で忙しいのかもしれません。
彼女の様子を知るうえで最適なのが、2011年から発表してきたエッセイ『独女日記』です。
2016年までの間に3巻まで発表されており、介護や死別など、シニア特有の出来事がリアルに描かれています。
エッセイとしても面白い作品ですが、彼女の生活を垣間見られる貴重な資料でもあるのです。
ではエッセイを参考に、最近の藤堂さんについて様子を確認していきましょう。
藤堂志津子は結婚せず夫もなし。家族は愛犬
『独女日記』はタイトル通り、藤堂さんの独身生活を赤裸々につづったエッセイです。
つまり彼女は結婚しておらず、当然夫はいません。
家族はどうやら愛犬の「はな」だけのようです。
2014年発表の『独女日記2』の副題は「愛犬はなとのささやかな日々」。
子供のいない藤堂さんは、はなと親子関係を築いてきたようです。
藤堂志津子「独女日記2」北海道に住んでいる藤堂さんと愛犬はなちゃんに会いに行きたくなった。なんか群 ようこさんに似ている。私にも似ている。 pic.twitter.com/x2v8gX66IB
— 読書 (@wan_chibi_ta) February 21, 2014
「独女日記③」藤堂志津子
愛犬はなちゃんとの
静かで穏やかな日々。年を重ねても、初体験な日々。
去り行く友…
平坦なようでいて、濃密な日々を描いたエッセイ第三弾。
おひとりさま生活を
存分に味わいつくす。#読了 pic.twitter.com/nZnCGgtfK7— あるるん@読書記録 (@BjrKLkc1flzpGrr) June 28, 2018
日課は、犬にもかかわらず散歩嫌いのはなを抱いて、近所の公園に出かけること。
公園では「犬ママ友」とのおしゃべりを楽しみ、芝生の上で風に吹かれながら、至福のひと時を過ごすのです。
藤堂さんは父が亡くなったのち、12年間は実家で母の介護に明け暮れていました。
母の死後、寂しく独身生活を送るのは耐え難かったのでしょう。
「はなの肥満体をどうにかしなければ」と頭を抱える時間があるからこそ、明るい生活を送れているに違いありません。
亡くなった両親のことを思い出すと、心がかき乱されるものの、愛犬や犬ママ友が希望の光を投げかけてくれるのでしょう。
はなは両親も夫もいない藤堂さんにとって、かけがえのない家族なのです。
見栄を張らずにリアルなシニア生活をつづるエッセイに、藤堂ファンが急増しているようでした。
高齢化社会で老後に思いを巡らせる人々にとって、『独女日記』には共感できる点が多いのでしょう。
同作は、老後を明るく乗り切る知恵がつまったエッセイといえますね。
藤堂志津子の病気はがん。入院を経て完治
藤堂さんが最近作品を発表しないのは、病気になったためなのでしょうか。
病気の噂について確認したところ、以前がんを患い入院していたことがわかりました。
母の介護を終えた50代の頃に発症したそうですが、幸い2023年現在は完治しているようです。
介護と闘病に疲れ切っていた50代の頃は、さすがに作品を発表する余裕がなかったのでしょう。
4度とは、「20代後半、30代なかばすぎ、40代、60代のいま。50代が抜けているのは、母の介護と自分の病いに疲れきっていたため」とのこと。藤堂志津子 気づけばまた、司馬作品を読んでいた〈晩冬・某日〉<独女日記3> 幻冬舎plus http://t.co/nLOPldHFfC
— 幻冬舎plus (@gentoshap) February 23, 2015
がんはは完治しているものの、仕事をセーブしながら再発防止に努めているのかもしれません。
なるべく無理をせず、ゆったりとおひとり様生活を楽しむのが理想的ですね。
両親の死、がんの手術、愛犬との暮らしのすべてを受け入れる藤堂さんの姿勢が、彼女の老後人生を豊かにしてきたのでしょう。
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