常盤新平の再婚と離婚。自宅は町田、小林信彦との確執。死去と評判まとめ

早川書房の編集者を経て小説家となった常盤新平(ときわ しんぺい)さん。

アメリカ文化を紹介する翻訳家やエッセイストとして活躍したのち、自伝的小説『遠いアメリカ』で直木賞を受賞しました。

今回は常盤さんのプライベートな面に迫りましょう。

再婚と離婚の詳細、町田の自宅、作家・小林信彦さんとの確執、死去の詳細、作品の評判を順に見ていきます。

常盤新平のプロフィール

本名:常盤新平

生年月日:1931年3月1日

死没:2013年1月22日

身長:不明

出身地:岩手県水沢市(現在の奥州市)

最終学歴:早稲田大学大学院

常盤新平の再婚&離婚

常盤さんは1度の離婚を経て再婚しています。

初婚相手は、銀座の「パイ」という店でママを務めていた牧子さんです。

彼女は舞台女優だった時代に常盤さんと知り合い結婚しています。


結婚後は女優を辞めて、「パイ」のママとなりました。

チャーミングだったらしい牧子さんは、常盤さんの直木賞受賞作『遠いアメリカ』に登場する女性のモデルでもあります。

彼女は常盤さんのミューズ的存在だったのでしょう。

ただ彼の不貞が原因で、夫婦は離婚に至りました。

最終的に常盤さんに寄り添ったのは、陽子さんという女性です。

きっと自由奔放な彼を堅実に支え続けた、立派な女性なのでしょう。

常盤新平の自宅は町田市つくし野

常盤さんは1994 年から 2013 年に亡くなるまでの約20年間、東京都町田市つくし野で暮らしました。

亡くなった場所も町田市の病院だったとのこと。

町田市は東京都内にありながら、神奈川県にも近く、都心と田舎の中間のような場所です。

住み心地の良い街とされており、きっと常盤さんも最後まで町田生活を満喫していたのでしょう。

2015年に町田市民文学館では、常盤さんの三回忌に合わせて、多才な彼の活動を振り返る展覧会が開催されました。

直筆原稿のほか、「町田での日々」をテーマに愛用品も展示されました。

展覧会では多くのファンが、彼の町田での生活と最後の日々に思いを馳せたのでしょう。

小林信彦との確執

常盤さんは長年、コラムニストで作家の小林信彦さんと不仲だったとされてきました。

1963年1月、雑誌社「宝石社」の顧問だった小林さんは、折り合いの悪い社員による策謀で解雇されます。

当初常盤さんは、「早川書房」の編集者として、小林さんに同情的な様子を見せていました。

しかし実は、小林さんが編集長を務めていた雑誌「ヒッチコック・マガジン」の次期編集長への打診を受けていたのです。

小林さんは、信頼していた常盤さんが、実は自分を追放しようと中心になって動いていたことを知ります。

結果的に、2人の間には溝が生じてしまいました。

小林さんは自身の作品に、「信頼していた相手による裏切り」というモチーフを度々盛り込んでいます。

「宝石社追放事件」は、彼の人生と作品の両方に大きな影響をもたらしたのです。

ただし小林さんは辛口の論客として、ビートたけしさんや星新一さんら、錚々たる文化人と敵対関係にありました。

彼は多くの人々から恨みを買う行動を重ねた結果、追放されてしまった可能性が高そうですね。

小林さんは好き嫌いをはっきり口にする、良く言えば裏表のない人なのかもしれません。

常盤新平は肺炎で死去

常盤さんは2013年1月22日、肺炎により81歳で亡くなりました。

風邪や気管支炎をこじらせ、肺炎に発展してしまうと、命を落とす危険性が高いものです。


常盤さんはご高齢だったため、肺炎から回復できなかったのでしょう。

また喫煙で肺が弱っていた可能性もありそうですね。

妻・陽子さんが喪主となり、近親者のみで告別式を行いました。

アメリカ文化の有識者でありながら、トランプとクリントンによる大統領選の様子を知ることなく亡くなった常盤さん。

古き良きアメリカ社会が崩壊した今、どんな思いを抱くのか、コメントを聞いてみたかったですね。

常盤新平作品の評判まとめ。『遠いアメリカ』のほか翻訳作品も人気

常盤さんの代表作『遠いアメリカ』は、彼自身がアメリカに憧れる大学院生だった時代について書いた、自伝的小説です。

直木賞受賞作とはいえ重厚な雰囲気ではなく、明快な文体とテンポの良さにより、すんなり読める小説といえます。

青春文学の名作とも呼べる小説であり、SNS上でもとくに評判の良い常盤作品です。

また翻訳家としても名作を送り出しています。

かつてアメリカに実在した見世物「マラソン・ダンス」を題材とした、ホレイス・マッコイ作の小説『彼らは廃馬を撃つ』。

1969年の映画『ひとりぼっちの青春』の原作で、常盤さんによる翻訳が日本で浸透しています。

やはりテンポの良い展開が好評で、多数の読者が、読み始めると同時に作品世界へ引き込まれたようです。


世界恐慌時代の暗さと若者の焦燥感を見事に表現した同作。

常盤さんの訳文を通し、決して「古き良き時代」ではなかったアメリカを知るのも、きっと意義ある読書体験になるでしょう。

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