工藤直子、夫・松本東洋と家族。子供は松本大洋。プロフィール&谷川俊太郎と対談

『おれはかまきり』や『てつがくのライオン』などの名作を発表してきた詩人・童話作家の工藤直子(くどう なおこ)さん。

優しいひらがなを効果的に使った工藤作品は、国語の教科書にも掲載され親しまれてきました。

プライベートでは松本東洋さんと結婚しましたが、彼はどのような人なのでしょうか。

また家族情報、子供の松本大洋さん、工藤さんのプロフィール、谷川俊太郎さんとの対談など興味深い事柄を順にチェックします。

工藤直子のプロフィール

本名:松本直子

生年月日:1935年11月2日

身長:不明

出身地:台湾台南州東石郡朴子街(現在の嘉義県朴子市)

最終学歴:お茶の水女子大学文教育学部中国文学科

工藤直子の元夫・松本東洋との関係

工藤さんの夫は、ヒプノセラピストの松本東洋さんでした。

ヒプノセラピストはあまり聞き慣れない言葉ですが、ヒプノセラピーという催眠療法を生業とする人のことです。


ヒプノセラピーは催眠下で潜在意識に暗示を与え、心の問題の解消を図ります。

スピリチュアルや催眠術に関心がある人にはなじみ深いでしょうが、そうでない人にとってはやや怪しい存在かもしれませんね。

夫婦は一人息子の松本大洋さんをもうけました。

残念ながら東洋さんは亡くなってしまったようで、大洋さんは「かっこいい父だった」と回想しています。

生前の東洋さんは、詩人の谷川俊太郎さんのファンで、彼を「もっともセクシーな男性」と評していたそうです。

妻の知り合いである谷川さんが自宅にやってきた際は、喜んで大はしゃぎしたといいます。

普段はあまりはしゃがなかったものの、尊敬する詩人が家に来たときは我を忘れてしまったのでしょう。

東洋さんはわがままな面があったようで、家を出ることもありましたが、工藤さんが受け入れてあげていたという情報もありました。

詳細な情報が確認できないのが残念ですが、どうやらなかなか個性的で面白い夫婦だったといえそうですね。

家族は漫画家ぞろい。子供も漫画家の松本大洋

工藤さんの家族は漫画家ぞろいです。

息子の松本大洋さんも人気漫画家として活躍しています。

『鉄コン筋クリート』や『ピンポン』など、独自の感性がうかがえる革新的な作品を発表してきました。

森山未來さんが声優を務める、2022年公開予定のアニメ映画『犬王』では、キャラクター原案を務めました。

大洋さんの妻も漫画家・イラストレーターの冬野さほさん、従弟も漫画家の井上三太さんです。

美的センスや感性が研ぎ澄まされた家系といえますね。

大洋さんは感受性が強すぎたためか、普通の学校教育では授業に集中できませんでした。

そのため特別支援学級に入ります。

暮らしていた家は時期によって異なり、父、親戚のおばさん、母のところなどを転々としていたそうです。

複雑な家庭環境で育ったためか、荒れた時期もあったといいます。

和光大学在学中は従弟の井上三太さんの影響を受け、漫画研究会に所属しました。

かつて施設では嫌な思いをしたこともあるそうで、やがて負の感情を漫画に吐き出そうと決意。

悲しいドラマほど落とし込みやすいとのことで、実際の感情を土台にした『Sunny』をはじめ見事な作品を残しています。

詩人の谷川俊太郎さんからもかわいがられており、暗い幼少期を送った分、今は充実した生活を送れているようですね。

工藤さんは大洋さんを誇らしく思っているに違いないでしょう。

工藤直子のプロフィールと経歴

工藤さんは1935年に台湾で生まれました。

そのためか中国語への関心が高かったようで、お茶の水女子大学では中国文学を専攻します。

大学卒業後は博報堂に入社し、日本人女性として初のコピーライターになりました。

しかし会社勤めに疲弊し退職すると、日系2世に日本語を教えるためブラジルへ渡航します。

長い航海の体験を土台に書いたのが、名作『ともだちは海のにおい』だったそうです。

帰国後は染め織の仕事と詩人・童話作家としての活動をスタート。

『てつがくのライオン』で日本児童文学者協会新人賞を受賞し、『ともだちは海のにおい』でサンケイ児童出版文化賞を受賞。

コピーライターの草分けからブラジルの日本語教師、染め織職人と詩人・童話作家。

個性豊かな彼女のプロフィールを見ていると勇気づけられる気がしますね。

「何者になりたいか」と思い悩むより、「やりたい」と思ったことを何でもやってみる意欲が湧いてくるのではないでしょうか。

工藤直子と谷川俊太郎の対談が話題


工藤さんと仲の良い谷川俊太郎さん。

2人は「雲のような存在」にたとえられてきました。

いずれの言葉も「ふわふわ」と自由に、人々の心の空を舞っているためです。

重い感情とは無縁の2人の言葉をまとめた対談集『ふわふわ』は、疲労が溜まっている現代人の心を和らげてきました。

2018年12月29日の『RADIO SWITCH』でも、2人はトークに花を咲かせていました。

谷川さんは「何か、ほわんとしたものを書きたい」と発言。

「だけど知性に邪魔されてダメなんです」と続けました。

これに対して工藤さんは「私にもちょっぴり知性があるけど、ないほうがいい」とコメント。

2人のトークは「詩人に知性は邪魔」という結論に至りました。

言葉には元々理屈が入っているため、知性と切り離すことは難しいものです。

つまり一見自由に書いている印象がある2人の詩も、どこかに必ず知性があるのでしょう。

音楽や絵のように、純粋にフィーリングを活用した作品を作るのが、2人にとって理想的に違いありません。


ただ知性から解放されると言っても、単にわかりやすいだけの作品になってしまうのもやや不満ですよね。

2人は「ふわふわ」としていながらも、深遠さも帯びた言葉を、ひたすら追い求め続けているのでしょう。

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