色川武大、タモリを評価。妻との離婚。ナルコレプシーと若い頃、立川談志との友情

『麻雀放浪記』で有名な小説家で、雀士でもあった色川武大(いろかわ たけひろ)さん。

阿佐田哲也のペンネームで知られた売れっ子作家でしたが、普段は一体どんな人だったのか気になりますね。

タモリさんとの意外な関係、妻と離婚の詳細、ナルコレプシーという病気を患っていたという情報を見ていきましょう。

また若い頃は二枚目だったという噂、立川談志さんとの友情にも迫ります。

色川武大のプロフィール

ペンネーム:阿佐田哲也

本名:色川武大

生年月日:1929年3月28日

死没:1989年4月10日

身長:170cm

出身地:東京府東京市牛込区(現在の東京都新宿区矢来町)

最終学歴:旧制東京市立第三中学校(現在の東京都立文京高等学校)中退

色川武大はタモリの素人芸を評価

色川さんは生前タモリさんと交友がありました。

とくにタモリさんの「素人芸」を高く評価していたそうです。

素人芸というと誉め言葉には思えませんが、色川さんは「玄人芸」の対極にある立派な芸だと考えていました。

狂言や歌舞伎など、伝統芸能の継承者による芸が玄人芸。

だとすれば、昭和の喜劇界で名を馳せた古川ロッパさんや森繫久彌さんの芸は素人芸ということになります。


色川さんはタモリさんの芸を、ロッパさんや森繫さんの系譜にある素人芸として評価していたのです。

彼のでたらめな外国語や軽妙なトークは、確かに親しみやすい素人芸ですね。

また色川さんとタモリさんは、意外な関係で結ばれていました。

色川さんは生前、岩手県一関市のジャズ喫茶「ベイシー」をひいきにしていたそうです。

よほどお店が好きだったのか、60歳で一関市に転居。

わずか10日後に心臓破裂で亡くなったため、ジャズ喫茶に通い詰める生活ができなかったのは残念ですね。

色川さんがこよなく愛した「ベイシー」のマスターは、菅原昭二さん。

タモリさんが在籍していた、早稲田大学モダン・ジャズ研究会の先輩でした。

共通の知人がいたからこそ、2人はお互いの存在を常に意識し合っていたのでしょう。

色川武大の妻は孝子。『離婚』は小説のタイトル

色川さんの妻は、東京都杉並区出身の黒須孝子さんです。

いとこ同士でしたが、年齢は15歳も離れているため、年の差夫婦でした。

色川さんが44歳、孝子さんが29歳のときに結婚して以降、色川さんが亡くなるまで夫婦生活を送っています。

直木賞を受賞した小説のタイトルが『離婚』のため、作者自身も離婚したと、周囲から勘違いされたこともしばしば。

『離婚』で描かれたのは、フリーライターの羽鳥誠一と会津すみ子の離婚騒動です。

2人のモデルが色川さんと孝子さんであることは明白でした。

実生活では、麻雀に明け暮れる夫に対し、孝子さんが愛想をつかして家出してしまったことも。

ただ、こうした離婚の危機こそあったものの、結局は添い遂げています。

色川さんは、妻の存在が刺激となって小説を書けたそうです。

執筆に必要な存在を失っては、元も子もありませんからね。

孝子さんは金銭感覚のルーズな夫に呆れながらも、必死に夫婦生活を送り続けたのです。

色川武大はナルコレプシー

伊集院静さんの自伝的小説『いねむり先生』に、色川さんをモデルにしたキャラクターが登場します。

色川さんはよく、突然居眠りをし始めることがありました。

小説のタイトルにも描かれている通り、「いねむり先生」だったのです。

「ナルコレプシー」という、突然眠り始める病気を患っていたことが原因。

壇上に上がって話をしている途中でも、いきなり眠り始めてしまうのです。

会社員であれば苦労が多かったはずですが、色川さんの場合はユーモラスな特徴として、周囲から愛されていたようですね。

色川武大の若い頃は二枚目


色川さんは若い頃、非常に二枚目だったそうです。

妻・孝子さんによる回想録『宿六 色川武大』。

同書によると、若い頃の彼は精悍な雰囲気を漂わせていたそうです。

切れ長の瞳と長いまつげを持つ二枚目でした。

晩年の恰幅の良い姿とは、かなり雰囲気が違ったようですね。

いとこ同士だった2人は、色川さんが39歳のときに再会しています。

孝子さんは、彼が別人のように太っていることに驚きました。

どうやら色川さんは「肥満になってしまう病気」だったとのこと。

それでも再会をきっかけに距離を縮めていき、ゴールインしたのです。

孝子さんは外見で男性を判断する人ではなかったのですね。

色川武大と立川談志の友情

色川さんは落語家の立川談志さんと仲良しでした。

お互いを「お兄さん」と呼び合うほど、心を通わせていたそうです。

2人とも、いかにも麻雀やお酒が大好きそうな人たちでしたよね。


色川さんが亡くなったときに談志さんが追悼文を書くなど、その親密さは周囲からも認知されていました。

今では天国で再会し、豪快に遊び回っているかもしれませんね。

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