『大人の流儀』シリーズなどで知られる、直木賞作家の伊集院静(いじゅういん しずか)さん。
2020年1月21日にくも膜下出血で倒れ、救急搬送され、翌日に緊急手術を受けています。
その生命力と病院スタッフの適切な処置のおかげもあってか、同年2月には退院を果たしたのですが、2023年には別の病気で亡くなってしまいました。
過去の入院の様子、退院後の詳細についても、一緒に見ていきましょう。
伊集院静のプロフィール
本名: 西山忠来
生年月日: 1950年2月9日
没年月日: 2023年11月24日(73歳没)
出身地: 山口県防府市
最終学歴: 立教大学文学部日本文学科
所属事務所: 自身の個人事務所
伊集院静、くも膜下出血の病状は完治していた?
2020年1月にくも膜下出血で入院し、2月には無事退院した伊集院さん。
3月にはリハビリ病院にも通っていたようです。
しかし、リハビリが3月中に終了すると、その後は仕事を再開。
当時は後遺症の情報もなく、病状と呼べるほどの症状もなかったようです。
元気そうな様子から、完治したと思った人も多いのではないでしょうか。
詳しいことはわかりませんが、すっかりよくなっていたと考えてもいいかもしれませんね。
亡くなった年である2023年に入ってからも、変わらず活動を続けていた伊集院さん。
本好きの人なら、近年の書店で新刊を見かけた人も多いでしょう。
久しぶりに本屋さんぶらり✨
今、注目の、渋沢栄一の本と、大好きな伊集院静さんの大人の流儀10からのひとりをたのしむ✨
2冊、あっという間に読めそうな😃 pic.twitter.com/yNvZv5BfRJ
— TAKAKO.K (@takako0405tk) March 15, 2021
病気で入院した際は、「もう新刊は手に取れないかも」と思ったファンもいたかもしれません。
そんな人たちからすると、また仕事を再開してくれたのは、とても嬉しかったでしょうね。
SNSでは、本の感想も多く投稿されています。
伊集院静『ミチクサ先生』
とても面白かった。
正岡子規や米山保三郎との交流など夏目漱石の青春時代の話が良かった。当たり前だけど漱石にも友達と遊んだり笑ったりした若い頃があっただな~ってなんだか感動した。
漱石の作品をイメージさせるような話とかも色々あって、また読みたくなる。 pic.twitter.com/Z4R0W7kWVE— HIRO (@adjgptwmjgadjgj) December 8, 2021
【ひとりをたのしむ 大人の流儀10】
伊集院 静 2023.9.22読了愛犬ノボくんのエッセイでは思わず涙がこぼれた。大人の流儀シリーズで巻を追うごとにノボくんの老化を感じながらも、穏やかに暮らすノボくんの様子を知るのが楽しみだった。奥様の愛情深く気丈な人となりを感じ憧れはますます募る。 pic.twitter.com/SUxvQp3p80
— ウブド (@ubudbali555) September 24, 2023
ちなみに、2021年はベストドレッサー賞を受賞したことでも話題になりました。
まさかの受賞に、ファンは驚いたのではないでしょうか。
今年のベストドレッサー賞
伊集院静 (伊集院違い
田中圭 (田中違い pic.twitter.com/cUqB0arX14— mo10fu3@白熊 (@mo10fu_3) December 3, 2021
いつもおしゃれな伊集院さんのセンスが、多くの人に評価されているということでしょう。
こうした活動を振り返ってみると、亡くなってしまったのはとても寂しいですね。
くも膜下出血による入院生活
搬送先でのエピソードに、伊集院さんの強い生命力を物語るものがあります。
知人である自民党の甘利明衆議院議員によると、入院当初は、10日間のこん睡状態に陥っていたそうです。
予断を許さぬ状況下で、ついに伊集院さんがこん睡から目覚めた際、「私がわかりますか」と医者が尋ねました。
すると帰ってきた返事は、「初めて会ったやつが誰かなんてわかるわけねえ」だったそうで、医者もこれで大丈夫だろうと判断したようです。
クモ膜下出血から生還した伊集院静さんを囲んで数名での昼食会がありました。10日間の昏睡状態から目覚めた際「伊集院さん!わかりますか?私がわかりますか?」担当医がテレビでよくやるシーンです。「初めて会ったヤツが誰かなんて分かるわけねえだろ!」「…大丈夫ですね」さすが伊集院静😂
— 甘利 明 (@Akira_Amari) July 3, 2020
男らしく、たくましい伊集院さんの人柄がうかがえるエピソードですね。
伊集院静、退院までの経緯
2月に入院していた病院を退院し、3月にはリハビリ病院も無事退院できた伊集院さん。
その後は少しずつ仕事を再開している様子です。
しかしやはり、4月前後はすぐに入院前の体力が戻らなかったのではないでしょうか。
おそらくそれを見越して、少しずつ仕事に身体を慣らしていく手始めに、あるコメントを執筆しています。
それはリハビリ病院に入院中だった、2020年3月12日にしたため、公式サイトへ発表したものです。
そこには医療従事者への感謝、3月中旬にはリハビリ病院を退院予定であること、そして新社会人へのメッセージがつづられていました。
令和初の社会人となる若者たちへ向けたメッセージは、いかにも伊集院さんらしく、力強い内容でした。
「今君たちがそこに立っていることを偶然と思うな。」、「社会の水も風も、甘くもないし厳しいぞ」という言葉に込められた思いを、筆者は以下のように推測します。
伊集院さん自身、くも膜下出血という試練に打ち勝ち、生まれ変わった気持ちで令和の時代を生きていこうと決意したのでしょう。
医者に対して毒づいた場面もありましたが、今回のことで、生かされているということへの感謝の気持ちが強くなったはずです。
リハビリに励みながら、「ぼんやりと生きていくな、社会に期待するのではなく自分自身で道を切り拓け」、と自分自身に対して言い聞かせていたとしてもおかしくはありません。
その思いを抱いて、退院後の4月からは新たなスタート地点に立つのだから、同じ時期にスタート地点に立つ新社会人たちには負けない。
伊集院さんはきっと、そのような気持ちでコメントをしたため、若者たちとその未来へ思いをはせたのかもしれません。
そして新たな「伊集院静」の人生を漫然とではなく、与えられた命を全うできるように、自らに与えられた使命を果たしていくことにしたのでしょう。
新たな決意を胸にした伊集院さんが、今後どのような作品を執筆していくのか、非常に楽しみですね。
伊集院静の死因は肝内胆管がん
伊集院さんは、2023年11月24日亡くなっています。
同年10月27日に肝内胆管がんと診断され、治療を続けていた伊集院さん。
執筆も休止して治療と静養を行っていましたが、活動再開は叶いませんでした。
治療は難しかった?
仕事を中断していた伊集院さんは、治療に専念していたもの思われます。
それでも、診断の翌月に力尽きてしまったのは非常に残念ですね。
訃報を知ったファンからは、「あまりにも早い」といった悲しみの声があがっていました。
伊集院静死去。
びっくり。脳梗塞で倒れてから活動範囲が狭くなっていたのは知っていたけど、先月がんの公表をしてから考えるとずいぶん早いじゃないの。
地元ですごくモテるから年頃の娘がいる人は娘を隠せって言われてたのよ。国語の授業でその話が出たわ。— 石油王 すごいデマと命名された (@petrol0110) November 24, 2023
伊集院静氏が逝ってしまわれた。
早すぎる……。
— エーコーの振り子ぶんぶん (@chaotic_grow) November 24, 2023
治療が上手くいかなかった理由は、病気が発見されたとき、すでにかなり悪化していたからかもしれません。
当時の報道でも言及されていましたが、肝内胆管がんは、だいぶ進行してからでないと症状が出ないことが多いそうです。
体の不調を感じて病院へ行く頃には、もう治療が難しい状態になっているケースもあるのでしょう。
胆管癌って見つかりにくいのよね。
肝内胆管の抹消の部位だと余計に…
早期発見…出来れば…— RU (@asukarumi) September 24, 2015
伊集院さんが実際にどうだったかは不明ですが、やはり厳しい状態だった可能性もありそうです。
謎の病の噂に証拠なし
伊集院さんの死因については、「ターボがん」という病名を見かけた人もいるかもしれません。
伊集院静氏が、ガンで亡くなったのは、ターボガンだったのであろうか?
— kenichi Maeda (@penate3) November 25, 2023
しかし、伊集院さんの死因は、前述のとおり肝内胆管がんで間違いありません。
伊集院さんの訃報が流れた際、ターボがんという報道が確認されたことはないようです。
コメントを発表した遺族も、そんな病気には触れていません。
どうやら、証拠のないデマが拡散されているようですね。
デマが流れた理由については不明ですが、亡くなるまでの時間が短いことも要因のひとつとなっているようです。
とはいえ、肝内胆管がんは早期発見が難しい病気。
ひどく悪化した状態で治療を始めれば、亡くなるまでの時間が短くなることは考えられるでしょう。
そもそも、「ターボがん」というのは造語であり、実在しない架空の病気という説もあります。
ターボ癌って去年からTwitterで拡散された
造語らしいんだけども。
癌の発見遅れて急死なんて昔からあったろ。
うちの兄弟も亡くしてるけど
コロナなんてなかった5年前ぞ。
XJAPANの人を巻き込むなよ(ーー;)後、全員定期的に健康診断行け(※これ重要)
— 無一文 (@muichimon) November 7, 2023
ターボ癌という造語が流行ってますが、そんなものはありませんw
— べっ爺ちゃ(っ'-')╮=͟͟͞͞🍣 (@becchi_kamo) November 18, 2023
いずれにしても、確かな情報がない謎の噂を見かけたら、簡単に信用しないように注意したいものですね。
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