アニメ化された『少女椿』をはじめ、幻想的・怪奇的な作風の漫画で知られる丸尾末広(まるお すえひろ)さん。
あまり知られていないかもしれませんが、丸尾さんは非常にかっこいい顔をしたダンディな男性のようですよ。
しかも国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』に登場する「丸尾君」の名前のモデルとも言われており、気になる情報の多い人ですね。
さくらももこさんの真意をチェックしつつ、『新世紀エヴァンゲリオン』との関係、現在(2023)の丸尾さんについて確認します。
丸尾末広のプロフィール
本名:丸尾末廣
生年月日:1956年1月28日
出身地:長崎県諫早市
最終学歴:中学校
丸尾末広の顔写真
丸尾さんは2023年に67歳を迎えました。
年齢を重ねるごとに渋い魅力が増しているすてきな男性です。
ハンチングとサングラスを身に付け、ひげをたくわえたダンディな男性という印象があります。
若い頃から中年以降の顔写真は、以下のサイトから確認可能です。
サングラスのスタイルは若い頃から変わらず、やや近寄りがたい雰囲気を醸し出しています。
丸尾さんに話しかけるときは、サングラスの奥から見える鋭い眼光に、やや身構えてしまいそうです。
しかし実は丸尾さんは、とある親しみやすいキャラクターのモデルとして、私たちの生活の中になじんでいる存在なのです。
丸尾末広はちびまる子の丸尾君の由来。さくらももこの真意
丸尾さんの名前は、国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』に登場するキャラクター「丸尾君」の名前の由来とされています。
丸尾君と言えば、主人公まる子のクラスメイトで、「ずばりそうでしょう」の台詞で有名な優等生のキャラクターですね。
『ちびまる子ちゃん』の原作者であるさくらももこさんは、どうやら漫画雑誌「ガロ」がお好きだったようです。
1964年に創刊された同誌の正式名称は「月刊漫画ガロ」。
4号目から連載開始した白土三平さんの『カムイ伝』は傑作として名高い作品です。
さくらさんは少女漫画誌「りぼん」の漫画家ですが、実は「ガロ」の漫画家たちに憧れていたに違いありません。
「ガロ」の掲載漫画家の1人だった丸尾さんは、さくらさんにとってスター的存在だったのではないでしょうか。
大好きな漫画家の名前を拝借して、キャラクターに名前を付けたのです。
「ガロ」の掲載漫画家の名前が由来とされるキャラクターはほかにもいます。
まる子ちゃんのクラスメイトの「花輪君」も、「ガロ」の漫画家・花輪和一さんの名前が由来とされています。
さらに同じくクラスメイトのみぎわさんも、やはり「ガロ」の漫画家・みぎわパンさんが名前の由来ですね。
「ガロ」は2000年代に廃刊となり、今では名前を知る人も少なくなってしまいました。
しかしさくらさんのおかげで「ガロ」が生み出した偉大な漫画家たちの名前は、現代の子供たちの記憶に刻まれることになったのです。
丸尾末広の少女椿の主人公はエヴァの綾波レイのモデル
丸尾さんに影響を受けたのはさくらさんだけではありません。
影響を受けたことが明らかとなっているのは『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクターデザイナー・貞本義行さんです。
丸尾さんの代表作『少女椿』の主人公「みどりちゃん」が、『エヴァンゲリオン』のヒロイン「綾波レイ」のモデルとされているのです。
綾波レイの元々のモチーフは、大槻ケンヂさんのバンド・筋肉少女帯が発表した『何処へでも行ける切手』という曲。
貞本さんはこの曲から「包帯を巻いた少女」のイメージを生み出し、包帯を巻いた綾波レイのキャラクターを創り上げました。
綾波レイを古くから知っているファンの方は、綾波レイといえば包帯という印象が強いのじゃないでしょうか？
一時期巷で包帯コスプレが流行ってた様な。#綾波レイ pic.twitter.com/E4X9qB9RNB— いぶき（お絵描き修行中） (@ZQIL8547NBdcLB7) September 24, 2021
素材を遡ると、同曲は『少女椿』の孤児・みどりちゃんからインスパイアされて作られました。
最近、丸尾末広の「少女椿」読んだんだけど、筋肉少女帯の「何処へでも行ける切手」て曲がみどりちゃんモデルにしてて、綾波レイのキャラデザインは「何処へでも行ける切手」に影響されてんだってさ。間接的に綾波はみどりちゃんに影響されてるってことか、へー。
— error403 (@error403) July 19, 2009
エヴァの綾波レイとか椎名林檎の猥雑な昭和歌謡タッチな”歌舞伎町の女王”辺りの世界観は森田童子の”セルロイドの少女”であり、丸尾末広の”少女椿”なんだろう。そしてホシノルリルリもどうやらその系譜にいるらしい。さっき中の人が森田童子の訃報に触れてつぶやいたツイートがTLに流れてきた pic.twitter.com/nXIw7XdUJM
— Masashi Satoh (@masasheavy) June 11, 2018
つまりみどりちゃんをモチーフにして生まれた曲から、綾波レイが生まれたことになります。
みどりちゃんは綾波レイの間接的なモデルということです。
名作はジャンルを超えて、お互いに影響し合いながら生まれることがわかるエピソードですね。
丸尾末広は現在(2023)、展覧会開催など活動中
丸尾さんは60代を過ぎてもなお、漫画やイラストを描き続けています。
本日のお仕事。色を塗る前。完成図がみれるのは一人だけ。 pic.twitter.com/pdsfJ1E0iF
— 丸尾地獄 (@maruojigoku) February 6, 2022
2018年には大正から昭和にかけて活躍した画家・高畠華宵(たかばたけ かしょう)とのコラボ展覧会が開催されました。
丸尾末広と高畠華宵のコラボ展覧会。あと３日の会期となりました。二人の作品世界には、相反するものが共存しています。しかしそれらは必ずどこかで繋がっているのです。愛、死、美、狂、夢、現実、血、無垢、貧困、孤独、快楽・・・。まさに人間そのものなのです。 pic.twitter.com/asodJvDa98
— 高畠華宵大正ロマン館 (@kashomuseum) May 18, 2018
「幻想の果てに 丸尾末広と高畠華宵」は明日までです。
名残惜しいですが、美とは儚いものですね。二人の幻想美の饗宴をじっくりとお楽しみください。#丸尾末広 #高畠華宵 #幻想 #展覧会 #饗宴 pic.twitter.com/pvRz5g3EES— 高畠華宵大正ロマン館 (@kashomuseum) May 19, 2018
華宵の生誕130周年を記念した展覧会で、華宵ファンを公言してきた丸尾さんとの時代を超えた共同展示が実現したのです。
2人は独特の美意識を持ち、写実的に見えながらも、幻想的・怪奇的な作品を描く共通点がありました。
繊細な描写でありながら、醜さや恐ろしさも含まれた、毒々しくも美しい作品には圧倒されます。
丸尾さんは「現代の高畠華宵」として、「清」も「濁」も混ざり合う独自の作品を描き続けてきたのです。
花輪和一の毒親。現在と生い立ち、刑務所服役の経験。丸尾末広とガロの代表格
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