食や暮らしに関するエッセイの作者で、Eテレ「NHK俳句」の司会者としても活動した岸本葉子(きしもと ようこ)さん。
2003年にがんの闘病体験をつづった『がんから始まる』が話題となりましたが、2024年現在はがんを克服して元気に過ごしているようです。
今回は岸本さんの近況、年収を確認しつつ、若い頃の活動にも迫ります。
併せて、父親と兄の詳細を見ていきます。
岸本葉子のプロフィール
本名:下田昌子
生年月日:1961年6月26日
身長:非公表
出身地:神奈川県鎌倉市
最終学歴:東京大学教養学部教養学科相関社会科学専攻
岸本葉子は現在(2024)、老後に向けて準備中
2021年に還暦を迎え、2024年で63歳の岸本さん。
独身を貫きながら仕事に邁進する一方、1人でも老後に困らないよう準備も進めてきました。
著書『60歳、ひとりを楽しむ準備 人生を大切に生きる53のヒント』では、自身の体験をベースに老後を生きるためのポイントをつづっています。
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岸本さんは50代を迎えてから、他人の評価「他人軸」ではなく自分の評価「自分軸」を重視するようになりました。
「年齢にふさわしい洋服を身に付けなければいけない」「30代の女性と同じアクセサリーを持っていてはいけない」
年齢相応の行動を取らなければいけないように感じられるのは、すべて他人軸で生きているためです。
岸本さんは徐々に他人軸で生きることに疲れてしまい、自分軸を重視するようになりました。
結果的に「気分が上がるのなら、20代向けにデザインされた服を買ってもいい」と考えるようになったのです。
それまでは「少女趣味」と言われるのが怖くて着られなかった花柄の洋服も着るように。
「他人の評価は関係ない。自分の気分が上がるならそれでいい」のですね。
岸本さんは高齢でも住みやすいよう自宅をリフォームしたり、コツコツ貯金をしたりと、老後に向けて準備をしています。
それらの準備に加えて、「いかに自分が楽しく生きるか」を重視することが、長く健康に暮らすためのポイントなのでしょう。
岸本葉子は虫垂がんを克服
今でこそ元気に活動している岸本さんですが、40歳のときに突然、がんと宣告されました。
消化器系のがんの中でも珍しい虫垂がんでした。
腹痛と発熱で受診した後、当初は大腸がんと診断されたそうです。
しかし回復手術をしたことで初めて虫垂がんであることが発覚。
驚きと死への恐怖を感じながらも、告知から1週間ほどで入院し、手術を受けました。
手術が失敗する可能性も考慮し、主体的にセカンドオピニオンや経験者との交流の機会も設けたそうです。
正しい情報があるだけでも、不安は少し軽減されるものですからね。
岸本さんの手術は無事に成功しましたが、その後も5年間は経口の抗がん剤を飲み続けたそうです。
今でも漢方と食事療法を続けて、がん患者に推奨されている生活スタイルを実践しています。
岸本葉子さんの温かいお気遣いに助けられ、楽しく対話させていただきました。
そして、「がんで死を覚悟した私にとって、老いることができるのは恵み」というお言葉にハッとしました。
歳をとってしまったではなく、歳をとれるのはありがたいこと、という視点。
— がん専門の精神科医 清水研 (@psycho7oncology) February 7, 2021
闘病生活を乗り越えるうえで重要なのは、正しい情報を手に入れられる機関と、気持ちを共有し合える当事者同士の交流とのこと。
がんに限らず、病気によって孤独と不安にさいなまれる前に、サポートし合える存在を見つけることが大切ですね。
岸本葉子の年収は不明だが数千万円ほどか
岸本さんは新卒で入った保険会社を退職後、フリーランスの文筆家として働いてきました。
36歳のときに自宅マンションを購入し、ローンを返済しているため、この時点で少なくとも年収600万円以上は稼いでいそうですね。
書籍の出版によって得た印税やメディア出演料などが入った場合、数千万円を稼いでいる年もありそうです。
40代後半で、親の介護のために別のマンションも用意。
ローンは78歳で完済予定です。
ファイナンシャルプランナーからは「将来の問題はない」と言われ、今は老後のお金を心配していない様子。
「国民年金と健康保険、ローンを払い、普通の金銭感覚で過ごし続けられるなら問題はない」と考えているようですね。
また自分の介護が必要になったときのためには、やはり「正しい情報を手に入れることが重要」と語っています。
コミュニケーションを大切にして、困ったときは恥ずかしがらずに情報を開示。
「人を頼ることは、100万円多く貯金するより大事な備え」というのが岸本さんの持論です。
年収も大事ですが、いざというときに頼れるコミュニティが、命綱となる可能性が高いわけですね。
人の助けを借りる力 岸本葉子さんhttps://t.co/Hhkijyzyfa
— 日経 ライフスタイル (@nk_seikatsu) July 20, 2022
岸本葉子は若い頃に独立
岸本さんは東京大学教養学部を卒業後、東邦生命保険相互会社に入社しました。
しかし会社の世界だけに閉じこもっていることに危機感を抱き、数年で退職し、中国に留学します。
中国の教育事情について記事を執筆し、文筆活動を開始。
帰国後はフリーライターとなり、ライフスタイルに関するエッセイをメインに出版しました。
若い頃から行動力があり、独立する勇気とスキルを備えた優秀な女性だったのですね。
岸本葉子は父親を介護
岸本さんは2014年まで、数年間、父親を介護した後に看取っています。
幸い自身のがんを克服した後だったため、治療の経験も踏まえながら介護に専念できたそうですよ。
ある日を境に、周りの景色が一変してしまう。それは誰にでも訪れること。このことを語りだすと、みなすっと真面目な顔つきに変わる。何を見ても、何かを思い出すようになる。柔らかく、実用的でもあるエッセイ。岸本葉子『週末介護』(晶文社) pic.twitter.com/vRITGFCJ0O
— Title(タイトル) (@Title_books) July 22, 2016
父親はおそらく認知症で、厳しかった性格は徐々に温厚になっていきました。
周囲の患者さんとの交流を通じて、厳しさよりも優しさを備えた人へと変わっていったのです。
岸本さんにとって介護体験は、新たな父親像に触れられた貴重な体験になったようですね。
岸本葉子の兄と姉が父親の介護に協力
岸本さんには兄と姉がいるため、3人で協力し合いながら父親を介護していました。
父が九十歳で亡くなるまで、ほぼ在宅で介護した。
母は七十代のとき入院しアッという間に亡くなってしまったので、介護ははじめての体験だ。
家族は独身の兄と、二人の息子のいる姉、それと私。
(岸本葉子『週末介護』)— 【公式】 週末介護(岸本葉子著) (@shumatsukaigo) July 26, 2016
岸本さんが時間を取れない平日の昼間は兄と姉が介護を担当。代わりに岸本さんは2人が来られない日に担当し、父親の介護用の住まいも整えました。
お互いに不満を抱くことはありましたが、決裂することはなかったそうです。
最後まで協力し合えたポイントは、お互いに詮索しなかったことでした。
「この日は用事がある」と言えば、「何をするの?」と聞くのではなく、そのまま承諾して自分が介護を担当するようにしたのです。
相手の用事を詮索せず、プライバシーに踏み込まないことが、決裂を生まない秘訣。
兄弟間のやり取りにも気を配りながら、岸本さんは困難を乗り越えて、理想の晩年に近づいているのですね。
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