戦前から「天才少女」と注目された伝説のバイオリニスト・辻久子(つじ ひさこ)さん。
1938年、12歳の若さで、音楽コンクールで優勝してから第一線で活躍を続けました。
今回は、2021年に亡くなった辻さんが愛用していた最高級のバイオリン・ストラディバリウスが現在どうなっているか確認します。
併せて、家族の情報を夫と娘を中心に確認し、自宅売却によってストラディバリウスを購入した逸話を紹介します。
辻久子さん亡くなりはったんやなぁ
本物の音楽を聴かせてたいと名器ストラディバリウスと共に学校へ演奏に回られ、私も高校生の時学校で演奏を聴かせてもらった事がある。はるか昔で細かい事は忘れたけど、親しみやすい雰囲気で、とても心地良かったのは覚えてる。合掌。 pic.twitter.com/WD5tMDkvaO— よしっぺ🐸🎶🇯🇵🇺🇦 (@HdVSIfr9aREzOS9) July 14, 2021
辻久子のプロフィール
本名:坂田久子
生年月日:1926年3月16日
死没:2021年7月13日
身長:不明
出身地:大阪府大阪市
最終学歴:相愛高等女学校
辻久子のストラディバリウスは現在(2024)家族が相続したか
1973年、辻さんは名器・ストラディバリウスを3,500万円で購入しました。
当時はすでに世界的な知名度を確立している、日本を代表する演奏家でした。
おそらく数千万円ほどの高額な年収を稼いでいたのではないでしょうか。
ただ、年収が数千万円だとすれば、3,500万円のストラディバリウスはかなり痛い出費になったはず。
仮に年収が1億円でも、一気に年収の35%を失うことになるのですから、決して安い買い物ではありませんよね。
辻さんがストラディバリウスを手に入れた方法は、のちほど見ていきましょう。
2021年に彼女が亡くなった後、ストラディバリウスがどうなったかは報じられていません。
おそらく家族が相続したのではないでしょうか。
ただし高額な楽器はメンテナンスをするだけでも相当な手間とお金がかかります。
もし親族に演奏する人がいないのであれば、メンテナンスの負担がかかるだけでメリットはないはずです。
もしかすると音楽学校に寄贈して、学生に活用してもらっているのかもしれません。
辻久子の家族、父・吉之助はバイオリニスト
辻さんは1926年、大阪府大阪市で生まれ、バイオリニストの父・吉之助さんから指導を受けていました。
1935年にリサイタルデビューし、翌年に「第7回音楽コンクール」(現在の日本音楽コンクール)で優勝を果たしています。
幼少期にデビューしてすぐにコンクールで優勝を果たしたのですから、父の指導力が高かったのでしょう。
吉之助さんは大正時代に来日したバイオリンの名手レオポルド・アウアー教授の高弟だった、ポリス・ラス氏から演奏法を学びました。
その後は大阪弦楽合奏団で活躍し、宝塚少女歌劇団の花組管弦部で演奏を担当した実績もあります。
久子さんには厳しく指導し、早くから才能を伸ばすことに成功しました。
辻久子の夫は坂田義和
久子さんはバイオリニストとして活躍する傍ら、私生活ではよき伴侶に恵まれました。
1964年頃に坂田義和さんと結婚し、生涯にわたり演奏活動を支えてもらっていたのです。
本日付朝日新聞夕刊「人生の贈り物」バイオリニスト・辻久子さんのインタビュー(5)/夫の坂田義和氏のプロポーズのことばが「君は鳥、僕は止まり木になる」だったとのこと。素敵な表現だなと思う。
— 窪田恵理奈 (@pinguincafe) November 12, 2011
坂田さんは自然に恵まれた環境の中で妻が練習に集中できるよう、札幌の郊外に家を建ててくれました。
4メートルほどの高い天井がある音楽室で、辻さんは演奏に励んでいたそうです。
1年の大半は国内外を転々として演奏活動に出かけていたため、札幌に滞在できるのは月10日ほどでした。
それでもいわゆる「通い妻」として、10日間は夫の元で過ごし、慣れない炊事や家事に取り組んでいたそうです。
1994年に一過性脳梗塞で倒れると、地元の大阪に生活拠点を移しました。
北海道の冬は非常に寒く、病気療養をするには過酷な環境だったためです。
坂田さんは「今度は僕が“通い夫”をする」と告げ、妻の看護をするため大阪に住まいを設けました。
献身的にパートナーの活動を支え続けた、すばらしい旦那さんですね。
2021年7月13日、妻が95歳で亡くなると、新聞社の取材に応じました。
当時85歳の坂田さんは、妻が最晩年まで体力づくりを行い、音楽活動への執念を持ち続けていたことを明かしました。
2008年10月16日が最後のコンサートでしたが、引退するつもりはなく、活動を再開する機会をうかがっていたのでしょう。
生涯現役を目指した辻さんと、陰から支えた坂田さんの夫婦愛が胸を打ちますね。
辻久子に娘はおらず辻彩奈は無関係
「辻さんに娘がいる」という噂が流れているようですが、彼女は子供には恵まれませんでした。
先ほど解説した通り、演奏活動で忙しく夫と過ごす時間は限られていたため、出産する余裕はなかった可能性が高いです。
インターネット上で「辻久子 娘」と検索すると、バイオリニストの辻彩奈さんの情報が表示されます。
しかし2人はたまたま苗字が同じバイオリニストというだけで、血のつながりがあるか確認できませんでした。
#せんくら に初めて参加させていただきます!!阪田知樹さんとのデュオで2公演(公演番号 32, 65)、プロコフィエフ2番とブラームス1番「雨の歌」を取り上げます。ツアーでは2番を弾いたので1番も楽しみ☺️
バリトン 大山大輔さんの公演にもゲスト出演(公演番号 7)しますので、ぜひ遊びに来てください😉 https://t.co/VhUNP3Lhh1 pic.twitter.com/E86TJEEdKR— 辻彩奈 Ayana Tsuji (@ayanaviolin) August 9, 2022
しかも彩奈さんは1997年生まれ。
1926年生まれの辻さんの娘にしては年齢が離れすぎているため、娘ではありません。
辻久子は自宅売却によりストラディバリウスを購入
1973年、辻さんはイタリアが誇る名器・ストラディバリウスを3,500万円で購入した際、世間から注目を浴びました。
なんと兵庫県西宮市にあった自宅を売却して資金を作り、購入したのです。
ああそうだ、辻久子さん
「自宅を売ってストラディバリウスを買った」
と聞いて、
この世には【ストラディバリウス】という物凄くお高いヴァイオリンがあるのだと知ったのだった(笑)#生さだ— るはんdeサンバ@いざ… 鎌倉! (@de_3va) August 21, 2021
自宅を失ってでも、バイオリンを手に入れようとした辻さん。
音楽に対する強い執着心がうかがえますね。
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