狂言、演劇、自身のプロデュース作品などで活躍する九世野村万蔵(のむら まんぞう)さん。
2005年に和泉流狂言方の名跡である「野村万蔵」を襲名。
以来、九代目当主として、万蔵家の組織「萬狂言」を率いています。
国内外で狂言の普及活動に尽力しながら、現代演劇へ出演する他、プロデューサー業にも進出。
劇団青年座で行われる狂言の授業で講師を務めるなど、若手俳優の育成にも関わってきました。
今回は家系図をまとめながら、妻、息子、娘の情報、野村萬斎さんとの関係を確認します。
野村万蔵のプロフィール
本名:野村良介
生年月日:1965年12月23日
身長:173cm
出身地:東京都
最終学歴:学習院大学
所属事務所:萬狂言
野村万蔵の家系図まとめ
まず万蔵さんの家系図をまとめます。
万蔵さんは、かつて七世野村万蔵を名乗った、野村萬さんの次男として生まれました。
萬さんは六世野村万蔵の長男で、弟の二世野村万作さんと共に、狂言や前衛演劇に出演。
『おしん』を始め、名作ドラマにも出演し、役者業と狂言活動を両立させてきました。
加代の息子、希望（のぞみ）役を演じた野村萬さんの文化勲章受賞が昨日決まりました。野村萬さんは狂言方和泉流能楽師で四世 野村万之丞と七世 野村万蔵を襲名している人間国宝。弟は野村万作でその子息がゴジラを演じた野村萬斎です。#おしんチャレンジ pic.twitter.com/OtCmQBDD3r
— 下森聡 (@Sato_Sita) October 29, 2019
人間国宝として認定され、文化勲章も授与されています。
その長男は五世野村万之丞さん。
狂言活動以外にも、長野パラリンピック閉会式で演出を務め、活躍しました。
八世野村万蔵になる予定でしたが、2004年、44歳の若さで神経内分泌がんによって亡くなります。
八世の名跡は死後に贈られ、次男が九世として志を継ぎました。
萬さんの弟である二世野村万作さんは、「万作の会」主宰者で、兄と同じく人間国宝です。
野村万作の"靭猿"観てきました！「猿に始まり、狐に終わる」狂言。『靭猿』の猿役で初舞台を踏み、『釣狐』の狐役を演じ一人前として認められるとか。万作の孫のなつ葉ちゃん演じる猿がキュート過ぎる！釣狐も是非観たい！#狂言 #万作 #萬斎 #釣狐 #靭猿 #能楽堂 #舞台 pic.twitter.com/vj6ZZAbYh9
— ゆき褒めちぎり (@yukihomechigiri) January 26, 2020
名作『釣狐』が十八番で、悲哀に満ちていながらも、内面に情熱を秘めた演技を得意としています。
野村万作さんが釣狐の演じ納めに新調した釣狐の面はこんな感じのものだったんだよな。
甲羅を経てたった一匹になった老いた妖狐。こんな感じの狐面作ってみたい。作っても絶対写真撮って捨てる事にはなるんだろうけども。作ってみたいなあ… pic.twitter.com/AQqZyQhBRt— M-shi (@TamilAsano) September 28, 2020
新劇、前衛演劇など、現代演劇の舞台に多く出演し、紀伊国屋演劇賞の受賞歴もあります。
1977年には、“違いの分かる男”でおなじみ、「ネスカフェゴールドブレンド」のCMに出演。
一般層にも存在が認知されました。
妻は詩人の阪本若葉子さん。
文学や芸術に対する造詣が深い夫婦なのでしょう。
万蔵さんの家系図は、狂言の普及に加え、文化芸術活動に励んできた一流芸能人で構成されていましたね。
妻と跡取りの息子３人、娘は？
万蔵さんの家族ですが、妻については一般人のためか情報がありません。
娘がいるかどうかも不明ですが、ただし狂言方の家柄ですから、跡取りとなる息子３人がいます。
長男は本名を虎之介といい、2023年現在は六世野村万之丞さんとして活躍中です。
孫聟、舞の場面📸
｢土車｣という小舞を舞いましたが、これは4.5歳の小さい時に皆やることが多いです👦🏻
今回僕も20年ぶりくらいに舞ったと思います。笑
実は大河ドラマ『利家とまつ』に子役で出演させていただいたときもこの舞の一部を舞ったんですよ👀#土車#大河ドラマ#利家とまつ pic.twitter.com/bbbrdzLB8n
— 野村万之丞 (@man_jyooo) January 16, 2021
1996年生まれで、舞台芸術学院の講師も務めています。
昨日は舞台芸術学院SA科12期の狂言実習でした🇯🇵
今年はコロナで延期になり、稽古期間も伸びたので長い期間一緒に過ごすことが出来ました！
毎年生徒からのメッセージは嬉しいですね😭
すごく美化して似顔絵描いてくれました😇笑お疲れ様でした！
※撮影時のみ会話せずマスク外しています。 pic.twitter.com/mQKBwrtXV4
— 野村万之丞 (@man_jyooo) December 17, 2020
子役時代を含め、これまでに3本の大河ドラマに出演。
2020年の『麒麟がくる』では、天皇の側近である蔵人役を演じました。
【お知らせ】
来週12/13(日)放送の大河ドラマ｢麒麟がくる｣第36回に蔵人役で出演させていただいております‼️坂東玉三郎さん演じる正親町天皇の側近として歌を詠ませていただきました😌
｢西郷どん｣以来2年ぶりの大河ドラマ！(今回は天皇の側近です🤭)
是非ご覧ください！
今から録画を！！👀 pic.twitter.com/7ovvb33ipV— 野村万之丞 (@man_jyooo) December 6, 2020
とても凛々しく、立派な若手狂言師ですね。
ちなみに弟には、野村拳之介さんと野村眞之介さんの2人がいます。
1月5日（日）萬狂言 新春特別公演～野村萬 卒寿記念～ 14：30～国立能楽堂
〈翁〉翁：金春憲和 三番叟：野村拳之介 千歳：野村万蔵 狂言〈柑子〉野村萬 舞囃子〈高砂〉宝生和英 語〈奈須与市語〉野村眞之介 狂言〈釣狐〉野村万之丞 終演予定18：00頃 pic.twitter.com/TOGsIBuXEV
— 金春ニュース (@komparunews) December 19, 2019
拳之介さんは1999年、万蔵さんの次男として生まれ、『靱猿』で初舞台を踏みます。
2020年には狂言師にとってステータスともいえる『三番叟』を演じ、順調に狂言を極めていることがうかがえます。
眞之介さんは2003年生まれの三男で、2007年に『靱猿』で初舞台。
2008年には『伊呂波』で初めて、主演であるシテを務めました。
2020年に『奈須与市語』を演じ、実力を高めています。
次世代の狂言界を担う、3人の若者たち。
万蔵さんは3人の成長を、頼もしく感じていることでしょう。
野村万蔵、野村萬斎との関係は？
最後に万蔵さんと、野村萬斎さんの関係を確認します。
萬斎さんは言わずと知れたカリスマ狂言師であり、俳優としても活躍していますね。
陰陽師は野村萬斎の安倍晴明があまりにも完璧すぎる pic.twitter.com/nuMA4JJLsa
— ラキョ3rd (@rakyothebe) March 29, 2020
2人は従兄弟同士です。
狂言のみならず、現代演劇、前衛演劇など、幅広いジャンルの作品に出演している2人。
同じ和泉流狂言師として、ライバル意識もあるのではないでしょうか。
芸風は、万蔵さんはコミカルな印象、萬斎さんはシリアスな印象と大きく異なります。
おそらく芸風が重なることで、どちらかの個性が埋もれてしまわないよう、お互い意識し合っているのではないでしょうか。
同時に2人には、伝統を継承しつつ、さまざまなジャンルの芝居に進出してきたという共通点があります。
2人の父である萬さんと万作さんにもいえることですが、「伝統と改革を同時に行い、狂言を存続させる」という志は同じはず。
同じ志を持ちながらも、異なる芸風で日々精進してきたのでしょう。
2人は今後も末永く、狂言の存続と発展を目指して、活動し続けるに違いありません。
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