伊丹十三監督や黒沢清監督の映画の常連で、ドラマ『愛という名のもとに』『ふぞろいの林檎たちIV』でも知られる洞口依子(どうぐちよりこ)さん。
これまでさまざまな媒体で自身の闘病と再生を赤裸々に語ってきましたが、2023年現在、ふたたび体調不良という噂が流れていますね。
真相に迫るとともに、闘病生活を支えた夫のこと、子宮頸がんという病気で失ったもの、また家族についてみていきます。
洞口依子は2023年現在、子宮頸がんの後遺症と共存
子宮頸がんを乗り越えて、2006年にネットシネマにて芸能活動を本格的に再開した洞口依子さん。
以降10年間は再発もなく、健康に過ごしていたのですが、2016年に病魔がふたたび洞口さんを襲いました。
ある日突然、左脚に激痛が走り、異常に膨れあがったのです。
恐れていたリンパ浮腫でした。
リンパ浮腫とは、リンパ節やリンパ管が損傷してリンパの流れが滞り、むくみが起きる症状のこと。
一度発症すると完治は難しい病気とされています。
洞口さんがリンパ浮腫を発症した原因は12年前の子宮頸がんにありました。
手術の際、がんの転移が疑わしい脚の付け根のリンパ節も切除したことで、リンパの流れが悪くなっていたのだそう。
それ以来、洞口さんは悪化を防ぐためにリハビリに励み、マッサージを受ける日々。
治療の一環としてサーフィンをはじめてからはすいぶん回復したとのことで、2023年現在は体調と相談しながら仕事を引き受けている状況のようです。
7月には『シェフは名探偵』に出演。
またイベントなどで予防のための検査を呼びかけるとともに、同じ病と闘う女性たちにエールを贈ることも。
ツイッターでは元気に過ごしているようすを発信しています。
はい、見かける機会なく残念な女優洞口はご覧の通り元気です。来年は良い年でありますように。ご機嫌よう。 https://t.co/WcqZZ6raKu pic.twitter.com/5OgH3UAc2f
— 洞口依子 (@noranecotv) December 13, 2020
90年代、トレンディドラマに出ていた頃はフェミニンなイメージが強く、アンニュイな雰囲気も漂わせていた洞口依子さん。
ところが今や、髪をピンクに染めるなどイメージはがらりと変わりました。
洞口依子さん。ゴダール作品から抜け出てきたような美少女。 pic.twitter.com/FkeJE7r5rX
— DE STILE (@DE_STILE_127) September 7, 2021
これも病気がきっかけなのだそうです。
洞口依子の闘病生活を支えた夫とは
洞口依子さんは1997年、32歳の時にNHKのディレクター葛西弘道さんと結婚しました。
弘道さんとは仕事で知り合い、長い間友人関係にあったそうです。
がんの発覚から手術、その後の放射線や抗がん剤によるつらい治療を経験して、不安障害やうつ状態に陥ってしまった洞口さん。
夫に当たり散らしたり、自殺を考えたこともあったそうです。
自分の身体から子宮と卵巣がなくなるという現実を30代の女性が突きつけられたのですから、その絶望感ははかり知れません。
子供も産めず、女性としての存在理由さえ失った女を妻にしていて何が幸せなのかと思った洞口さんは、ついに夫に離婚をきりだします。
ところが弘道さんはこれに首をふり、笑顔で妻を支え続けました。
今回は普段翡翠以外アクセサリーつけない私が沖縄のデザイナー森長八重美さんによる県産黒檀と紅珊瑚のピアスをラッキーチャームに。個性的なカービングのデザインが気に入りプラザハウスで購入した大事な宝物。
13時半からも上映。ご来場お待ちしてます。西原町さわふじ未来ホールにて。 pic.twitter.com/oVIvWqnbcH
— 洞口依子 (@noranecotv) February 11, 2019
この態度に洞口さんはどれほど勇気づけられたことでしょう。
夫婦で考えぬいた末にたどり着いたのが沖縄での療養生活。
二人で歩いて、海で泳いで、自然に触れたりするうちに、「私は生きなければいけないんだ」と思えるようになったそうです。
子宮頸がんという病気で失ったもの
2003年、38歳の頃から肌荒れや不正出血、貧血に悩まされていたという洞口依子さん。
しかし体調不良は夏の疲れやストレスのせいと思い込み、病院に行くのを先延ばしにしていました。
ようやく病院に行ったのが年が明けた1月で、医師から子宮頸がんを告知され、全摘出を勧められます。
子宮頸がんとは、膣につながる子宮の入り口である子宮膣部にできるがんのこと。
「一緒にがんばろう」という夫の言葉に力づけられ、手術を決意した洞口さん。
手術前には、遺言というべきビデオを撮影していました。
8時間に及ぶ大手術で失ったものは、子宮、卵巣、骨盤内のリンパ節、靭帯、膣の一部。
その後も放射線治療と抗がん剤治療が続き、退院したのは2004年4月。
がんの転移もなかったことから、がん自体は克服することできました。
2007年には、闘病から再生までの軌跡をリアルな言葉で記した手記『子宮会議』を出版しています。
思えばデビュー主演映画も渋谷でした。洞口依子映画祭も。8日まで渋谷ユーロスペースにて上映中。 pic.twitter.com/friTQSSR4P
— 洞口依子 (@noranecotv) December 2, 2017
洞口依子の家族は夫の葛西弘道
「いつかは子供を産みたい」と望んでいた洞口依子さんにとって、子宮と卵巣の全摘出は出産の夢をあきらめざるをえない苦渋の決断でした。
洞口さんには子供がいないため、家族は夫の葛西弘道さんということになります。
子宮頸がんの発覚は結婚8年目の出来事でしたが、出産を視野に入れていた夫妻は突然の悪夢に愕然としたそうです。
出産をあきらめない治療法も模索したようですが、最後の決め手となったのは、「たとえ子供が産めなくても、あらゆる困難に立ち向かおう」という弘道さんの言葉でした。
途方もなく過酷な道のりを乗り越えて、女優として復活をとげた洞口依子さん。
前向きにリンパ浮腫と共存しているのも、ご自身の強さはもちろんのこと、大きな愛情で支える夫の存在あってのことではないでしょうか。
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