『アラベスク』や『日出処の天子』などの作品で知られる少女漫画家の山岸凉子(やまぎし りょうこ)さん。
少女漫画界の重鎮として活躍を続けてきましたが、私生活ではどのような人なのでしょうか。
山岸さんが結婚しているのか確認しつつ、天才漫画家のすごさを調査します。
加えて生い立ちと家族についても見ていき、霊感の持ち主であるという情報をまとめます。
山岸凉子のプロフィール
本名:山岸凉子
生年月日:1947年9月24日
身長:不明
出身地:北海道空知支庁管内(空知郡)上砂川町
最終学歴:北海道女子短期大学美術科(現在の北翔大学短期大学部)
山岸凉子は結婚歴がなく独身の模様
山岸さんの私生活について、まずは結婚歴から確認します。
これまで山岸さんは、男尊女卑や性別の役割分担などをテーマに、結婚を題材とした作品を多く手掛けてきました。
かつて母からは、「女が仕事を持つと、お嫁に行かれなくなる」としつこく言われていたそうです。
山岸さんは結婚で女性を縛ろうとする古風な考え方に、反発してきた印象があります。
母をはじめ、大人たちから「女性は結婚して家庭に入るべき」と言われてきたことに、不快感を抱いていたのでしょう。
そんな不快感を作品へと昇華させた結果、男女の役割に関する深いテーマをはらんだ作品が多く生み出されたに違いありません。
山岸さんの結婚に関する情報は一切ありませんでした。
きっと「女性は結婚すべき」という概念を覆すべく、独身を貫きながら仕事に専念してきたのでしょう。
世間に対して「女性は仕事を捨ててまで家庭に入るべきなのか?」という疑問を、作品を通して投げ掛け続けてきたのですね。
山岸凉子は心理描写と画力が圧倒的な天才漫画家
評論家やファンなど多くの人たちが、山岸さんを「天才」と称賛しています。
少女漫画に「24年組」というのがあって、定義付けはいろいろあるだろうけど、萩尾望都、竹宮恵子、山岸凉子、ここらへんは掛け値なしの天才だと思う。当時少女漫画も凄いらしいぞと聞いて、実際読んで度肝を抜かれた。単純に凄い。独創性と完成度が高い。こんなの少年漫画では見たことがなかった。 pic.twitter.com/EWio12bUjo
— ゾルゲ市蔵 (@zolge1) August 25, 2019
山岸さんは心理描写の巧みさと、簡単なテーマを絶妙な切り口から描く才能に恵まれています。
たとえば「青春もの」を依頼されて描いたのが傑作『天人唐草』です。
抑圧されて育った少女が、理不尽な思いを経験し続けた末に発狂する衝撃的なストーリー。
えっ、山岸凉子の天人唐草の帯って今これなの pic.twitter.com/PEWfrRboHy
— サムソン高橋 (@samsontakahashi) November 28, 2019
「青春もの」と思えない内容ですが、若きヒロインの心理を巧みに描いた点で、ある意味「青春もの」にふさわしいかもしれません。
山岸さんは一筋縄ではいかないストーリーと複雑な心理をまとめ上げる、たぐいまれな才能に恵まれた漫画家なのです。
山岸凉子作品の短編は「天人唐草」「夜叉御前」「負の連鎖」が漫画としての描写の力と視点の鋭さ、切り口の巧さの全てが極まってて長年読み込んできたけど、「天人唐草」はもともと編集部から「青春もの」をオーダーされた結果だと知ってちょっとしばらく動けなくなった…。天才すぎる…。
— 📀💿玉兎📀💿 (@Gyokuto4U) December 24, 2020
さらに見る人を惹きつける圧倒的な画力も、山岸作品の特徴の1つ。
繊細で生々しい原画を目の当たりにすれば、思わず背筋が凍るほどの感動を覚えるはずです。
#聖徳太子展 (大阪市立美術館)に行った。2時間半余り。堪能した。永遠の謎の人物。夢殿・救世観音は微笑むだけ。結局だれも近づけない。最後の展示室でびっくり。山岸凉子『日出処の天子』の原画があった。ゾクっとした。天才山岸氏の画力の凄さを改めて実感。もう一度全巻読み返したい。 pic.twitter.com/uCdfAxzEXO
— 冬日のつらら (@huyubi_turara) September 10, 2021
いきなり描きたくなったから描いた
腐れもそうでない人も超絶大天才山岸凉子先生の歴史的傑作「日出処の天子」1回くらい読んどいた方がいいぞー! pic.twitter.com/wpe7h4gXte— にゃんひー(鯛の昆布締め (@nyanhy4649) December 4, 2020
緻密なストーリーと画力を武器に、山岸さんは天才の名をほしいままにしてきたと言えますね。
山岸凉子の生い立ち
山岸さんは北海道で生まれ育ちました。
幼少期は、細い線の絵柄で知られるオーブリー・ビアズリーに憧れ、作風を真似しながら絵を描いていたようです。
オーブリー・ビアズリー『サロメ(挿画)』1894年 pic.twitter.com/ThR2lHConK
— 美術ファン@世界の名画 (@bijutsufan) November 12, 2021
漫画はあまり読まなかったものの、高校2年のときに白土三平さんの『カムイ伝』に感動し、漫画家の道を志しました。
今日読み終わった本📖
『決定版カムイ伝全集【第二部】』②
鬼代官錦丹波。第一部の農民弾圧など見るとそういう印象しかない。見方を変えれば誰よりも職務に忠実ということか?親馬鹿な面なども有り、表面のみをもってその人の全てを理解出来る訳ではないという良い題材😅#カムイ伝#白土三平 pic.twitter.com/oIefcRgdLS— ふた娘。 (@futamusumeaoi) November 21, 2021
白土さんの美しい線を目標に、苦しい4年間の修業期間を乗り越えたそうです。
短大美術科を卒業後はOLとして勤務しながら、原稿を描き続けました。
「別冊りぼん」の編集部に寄った際、たまたま出会った編集者とのつながりによってデビューが実現。
妥協して絵柄を変える必要はありましたが、無事に少女漫画家として活動を始めました。
天才漫画家であることは確かですが、デビューまでにはかなりの苦労を経験していたのですね。
山岸凉子は5人家族の中で育つ
両親と兄、妹の5人家族の中で育ちました。
父は鉱山で働き、専業主婦の母と子供たちを養っていたそうです。
兄は優等生で、妹は母の理想の子供だったそうで、山岸さんは家庭内で居心地の悪さを感じていたといいます。
家庭であまり快適に過ごせなかった分、絵を描くことで鬱々とした気持ちを晴らしていたのかもしれませんね。
山岸凉子は一時期、霊感の持ち主となる
山岸作品にはホラーテイストのものが多く、霊感をモチーフにしたものもあります。
山岸さん自身も、幼少期から霊感は冴えていたそうです。
一時期は強い霊感体質になっていたようで、長崎県の原爆資料館の展示室では不思議な体験をしています。
展示室の天井から、女性のうめくようなか細い声が聞こえて来たそうです。
戦火を逃げる人の声にも似ていたため、このときは音響による演出だと考えました。
しかし後で、周囲にいたアシスタントさんたちに声のことを伝えると、誰もそんな声は聞いていなかったそうです。
山岸さんは背筋が凍りついたといいます。
当時は仕事で疲れていたため、神経が過敏になり、一時的に霊感体質となっていたのかもしれません。
いずれにせよ山岸さんが、圧倒的なほど研ぎ澄まされた感性の持ち主であることは間違いないでしょう。
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