やなせたかし、死にたくないの真意。死因と晩年の生活。人生論&正義とは

国民的アニメ『それいけ!アンパンマン』の生みの親として知られた漫画家・絵本作家のやなせたかしさん。

2013年に94歳で大往生しましたが、周囲には「死にたくない」と話していました。

やなせさんの言葉の真意に迫りつつ、死因、人生論、晩年の生活について見ていきます。

併せて、正義のヒーローを生み出したやなせさんが、本当の正義とはどういうものだと考えていたのか確認します。

やなせたかしのプロフィール

本名:柳瀬嵩

生年月日:1919年2月6日

死没:2013年10月13日

身長:不明

出身地:東京府北豊島郡滝野川町(現在の東京都北区)、高知県高知市

最終学歴:東京高等工芸学校図案科

やなせたかしの「死にたくない」の真意

2013年6月、やなせさんはアニメ『アンパンマン』の製作スタッフに対して、ある言葉を掛けました。

「来年までに俺は死ぬ。少しずつ身体が衰弱しているのが分かるんだ。まだ死にたくないよ」

当時94歳だったやなせさんは、「やっと人生が面白いところに来たのに、なんで死ななきゃいけないんだよ」と語ったのです。

やなせさんはどこまでも生に貪欲な姿勢で、前向きに明るく生き続けていました。

しかし『アンパンマン』のOPのフレーズにあるように、
「何をして生きるのか」「答えられないなんて、そんなのは嫌だ」という心境を常に抱いていたのではないでしょうか。

長く生きれば人生に満足できるとは限りません。

やなせさんは人生の中で本当にやりたいこと、やるべきことを探し続けているうちに、いつの間にか94歳となっていたのでしょう。

答えを見つけられそうな段階に差し掛かったにもかかわらず、少しずつ体力が衰え、死を悟り始めたのです。

「死にたくない」の真意は、
「まだ人生について何も分かっていない。自分がやるべきことをできていない」ということだったのではないでしょうか。

死因は心不全。膀胱がんだった可能性もあり

やなせさんは「死にたくない」と語ってから約4か月後の2013年10月13日、順天堂大学医学部附属順天堂医院で亡くなりました。

死因は心不全だったとされています。

心臓の機能が弱ったことで亡くなる病気です。

ただ6月には「残念ですが、私は来年には死んでいるでしょう。私の死は新作映画の宣伝になるはず」と語っていました。

そのときは元気溌溂とした声で語っていたため、周囲の人々は冗談として受け流したに違いありません。

ただやなせさんは当時、すでに主治医から余命が数週間しかないかもしれないことを聞かされていました。

以前から患っていた膀胱がんが、最終ステージに到達していたのです。

8月下旬に入院し、およそ1か月後に亡くなったことを考えると、膀胱がんが死因だった可能性の方が高そうですね。

「心不全」と公表されたのは、やなせさん自身の希望だったのでしょう。

「最期まで元気に過ごしていた印象を残したい」と考え、自然死に近い形で亡くなったことにしたのではないでしょうか。

やなせたかしの晩年の規則正しい生活

やなせさんは晩年、自身を「病気の総合商社」と称するほど、多くの病気を患っていました。

年齢とともに体力も衰え、老いを感じていたはずです。

それでも元気に活動できていた秘訣は、規則正しい生活にありました。

著書『93歳・現役漫画家。病気だらけをいっそ楽しむ50の長寿法』に、健康的な生活スタイルの内容がまとめられています。

毎朝40分は体操に取り組み、必ず腕立て伏せを行っていたそうです。

食事については「たまねぎの酢漬け」「ゆで卵」「ヨーグルトにフルーツを入れたジュース」などを毎日欠かさず摂取していました。

塩分の摂りすぎを防ぐため、調味料は塩ではなくポン酢が定番だったそうです。

就寝時は口呼吸になると喉が痛むため、マスクを着用していました。

常に規則正しい生活をキープしていたからこそ、最期まで寝たきりにならず、元気いっぱいに過ごせたのですね。


すべてを真似することは難しいですし、体質によっては同じ方法が合わない人がいるはずです。

やなせさんのやり方から、実践できそうなものだけ少しずつ取り入れて、健康寿命を延ばせるよう努めてみてはいかがでしょうか。

やなせたかしの人生論

高齢だったやなせさんは、無理な抗がん剤治療などはせず、亡くなる日が来るまでごく普通に過ごしていた様子です。

がんの治療は副作用で逆に寿命を縮めてしまう可能性もあります。

やなせさんは余計な治療をせず、最期まで自分が希望する通りの人生を生きたに違いありません。

ではやなせさんが希望する人生とは、どんなものだったのでしょうか。

漫画や絵本を描いているときのモチベーションは「読んだ人が喜んで、笑い声を立ててくれる」ことでした。

何よりも人を喜ばせることが、人生最大の喜びだったのです。

地方の自治体に無償でキャラクターを提供したこともあり、タダ働きをしてまで誰かを喜ばせようとした人でした。

自身が生み出したアンパンマンのような、善意に溢れた魂を持つ人だったことが分かりますね。

「やなせさんのようにタダ働きをすべき」とは言えませんが、「自分の行動は誰かのためになっているか」を常に問いかけることは重要です。

たった一度の人生の中で、どれほど自分が人のために役立てるのか。

やなせさんは常に自分自身に問いかけていたのでしょう。

最期まで人々の役に立つため、元気な姿で明るい話を聞かせてくれていたに違いありません。

やなせさんの理想の人生は「自分が元気でいることで、人々をも元気にして喜ばせる人生」だったのです。

やなせたかし「正義とはかっこいいものではない」

やなせさんは大人気ヒーローのアンパンマンを生み出しましたが、「本当の正義」についてどのように考えていたのでしょうか。

生涯譲らなかったのは「正義とは、かっこいいものではない」という持論です。

アンパンマンに託した「本当の正義」は、「空腹な人を救うこと」でした。

太平洋戦争時に中国へ出征し、飢えに耐えながら懸命に活動したやなせさん。

しかし敗戦後は「正義のための戦争はない」ことを悟ります。

日本のために戦うことこそ「正義」だったにもかかわらず、敗戦によって自分たち軍人は「悪魔」として扱われたのです。

「本当の正義は、空腹な人にパンを一切れ差し出すこと。この行為は立場や国が違っても正義に変わりない」と語っていました。

日本、アメリカ、イスラエル、ミャンマー、中国などどの国にも「正義」があります。

しかし自国の正義のために他国を脅かすような行為は、正義ではありません。

「正義は献身と愛。餓死しそうな人がいれば、その人にパンを与えること」

やなせさんにとって「正義のヒーロー」とは、誰かのために人知れずパンを差し出し続ける人のことだったのです。

自身もまたそんなヒーローを目指して、誰かを喜ばせることに尽力し続けたのですね。


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