戦前から俳優として、舞台や映画で活躍していた大坂志郎(おおさか しろう)さん。
1946年の映画『はたちの青春』では、女優の幾野道子さんと、日本映画初のキスシーンを演じたとして名を残しました。
大坂さんについてネット上では、息子と家族に関する情報を調べる人が多いようですので、詳細を見ていきましょう。
また死因となった食道がん、代表作「大岡越前」シリーズで演じた役について確認します。
併せて、「男はつらいよ」シリーズで、主人公・寅さんの「おいちゃん」を演じたという情報の真相に迫ります。
大坂志郎のプロフィール
本名:大坂志郎
生年月日:1920年2月14日
死没:1989年3月3日
出身地:秋田県能代市
最終学歴:早稲田高等工学校
大坂志郎に息子はおらず、家族情報は不明
まず大坂さんの息子、家族に関する情報を見ていきます。
おはようございます。
今朝、夫の顔を見て突然この人のことを思い出しました。ちょっと似てる(わんちゃんかわいい)。#大坂志郎さん pic.twitter.com/beYburgJfj— Nac (@miss_nac299) June 23, 2021
大坂さんについて調べる人の多くが、息子について気になっているようです。
お名前とともにもっともよく検索されるキーワードが「息子」でした。
しかし大坂さんは生前、結婚していなかったことがわかっています。
インタビュー記事をはじめとする資料にも、家族に関する情報は見当たらないのが現状です。
つまり大坂さんの家族情報はすべてが謎に包まれています。
ただ独身だったことはわかっているため、少なくとも息子がいなかったことは確かです。
ネット上で大坂さんのお名前と合わせて「息子」というキーワードがよく検索される理由は、2つあるのではないでしょうか。
1つは単純に、謎に包まれた大坂さんの家族情報が気になり、手当たり次第に調べた人がいるためです。
もう1つの理由はおそらく、大坂さんの息子役を演じた人について気になった人がいるためでしょう。
橋田寿賀子さんが脚本を書いたTBSの日曜劇場ドラマ「おんなの家」シリーズ。
1981年に放送された同作の11シリーズ目に、大坂さんが出演しました。
甚八という男の役でしたが、そのとき息子役を演じたのが、当時のトップアイドル田原俊彦さんでした。
近藤真彦さんらとともにジャニーズのアイドルグループ「たのきんトリオ」で活躍し、人気を獲得していた時期ですね。
同作はアイドルだった田原さんが、俳優として評価された出世作でした。
リアルタイムで『おんなの家』を見ていた人が、「大坂さんの息子役は誰だっけ?」と確認するために調べたのかもしれません。
結果的に「息子」というキーワードが検索上位に表示されたのでしょう。
大坂志郎の死因は食道がん
大坂さんは1989年3月3日に、食道がんによって69歳で亡くなりました。
食道がんはほとんどの場合、初期の自覚症状がないため、早期発見が難しい病気です。
検査を定期的に受けることで見つかる場合もありますが、進行して初めて気づく人も多いのが現状。
進行すると食事中に食べ物がつかえる感覚、体重の減少、胸・背中の痛み、咳や声のかすれなどの症状が出てくるはずです。
大坂さんの場合は亡くなる前年に胃がんが見つかったため、手術を受けていました。
回復したものの、1989年2月末に食道がんが見つかります。
胃がんから回復して退院した後、今度は徐々に食道がむしばまれていたのです。
そのまま入院先の東京医科大学病院で亡くなりました。
せっかく胃がんを治したにもかかわらず、別の病気で亡くなったことを思うと非常に残念です。
大坂さんは現代の基準で言うと、早死にしてしまったことになります。
もう少し長く生きて、円熟味ある演技を見せて欲しかったですね。
大坂志郎は大岡越前の村上源次郎役
大坂さんは1970年から16年もの間、TBSドラマ「大岡越前」シリーズにレギュラー出演していました。
演じたのは「仏の源さん」と呼ばれる「村上源次郎」です。
南町奉行所の「生き字引」と呼ばれ、主人公・大岡忠相から特に信頼を寄せられている人物でした。
#時代劇 今日は俳優・大坂志郎さんの忌日。画像は長らくレギュラー出演されていたテレビ時代劇「大岡越前」から。映画「東京物語」であの小津安二郎監督に猛烈なしごきを受けた苦労がその確かな演技力に活きていると感じます☺️ pic.twitter.com/EQM16KqH1G
— @Eijimove (@EijiMove) March 2, 2021
大岡越前第15話
番屋を開けたら、村上さんと辰三、蕎麦を食べてる。
飲む食べるの辰三がかわいい😁#大坂志郎 #高橋元太郎#大岡越前 pic.twitter.com/rgHbt8iyuw— keity@昭和の俳優くびったけ (@keity_since1935) July 17, 2021
#時代劇作品でおぬしの好きな人物を申してみぃ
『大岡越前』の村上源次郎(大坂志郎)。越前(加藤剛)のことを「若」と呼び、越前も「源さん」と呼ぶ。単なる上司と部下ではない、若き主君と老郎党のような関係性。それでいて公私のけじめもきちんとつけていたのがまた良かった。 pic.twitter.com/gbjogCDV1D— 令和の土星人。'22@ワクチン2度接種&インフル接種完了 (@4568Ts) October 21, 2016
村上と大岡は、部下と上司というよりも、信頼し合う家族のような関係で結ばれていた印象があります。
大岡役の加藤剛さんは、決して芸達者な役者とは言えませんでした。
そんな加藤さんの演技を、実力ある大坂さんが強力にバックアップしていたことが、2人の演技からうかがえます。
加藤さんは役柄と同じく、大坂さんを実際に心から信頼していたに違いありません。
「大岡越前」シリーズを見ると、2人の強い信頼関係を確認でき、非常に心があたたまりますね。
大坂志郎は寅さんのおいちゃん役ではない
大坂さんが、映画「男はつらいよ」シリーズの主人公・車寅次郎こと「寅さん」の叔父を演じているという噂があります。
寅さんの叔父・車竜造は団子屋「とらや」の主人で、「おいちゃん」として親しまれていたキャラクターです。
結論から述べると、大坂さんはおいちゃん役ではありませんし、「男はつらいよ」シリーズに出演していません。
実際においちゃんを演じた俳優は3人います。
初代・森川信さん、2代目・松村達雄さん、3代目・下條正巳さんです。
歴代おいちゃん
森川信(1作〜8作)
松村達雄(9作〜13作)
下條正巳(14作〜48作) pic.twitter.com/da0f8SJWzN— 俺 藤川愼也 (@b34896shnya211) September 13, 2016
初代の森川さんが亡くなり、松村さんが代役を担当。
松村さんの病気休養にともない、その後は下條さんがおいちゃんを演じ続けました。
なぜ大坂さんがおいちゃんを演じたという噂が流れたのでしょうか。
大坂さんは冒頭で述べた通り、女優の幾野道子さんと、日本映画初のキスシーンを演じたとされています。
しかしそれより先に公開された映画『ニコニコ大会 追ひつ追はれつ』(1946年)が、日本映画で初めてのキスシーンが描かれた作品という意見もあります。
同作でキスシーンを演じたのが幾野さんと、相手役を務めた森川さんでした。
そのため同年公開の『はたちの青春』でキスシーンを演じた大坂さんとともに、森川さんは「日本人として初めてキスシーンを演じた男優」と呼ばれているのです。
@noriko55 @meforrock 大坂志郎さん(大岡越前の爺)と幾野道子さんですね。実は最初のキスシーンはこの作品よりも前の作品説があるようですが、そっちも幾野道子さんだそうです。こっちの相手役は森川信さん(寅さんの初代おいちゃん)だって。
— 茄子の蔓になすびゑ (@ilikenasu) May 23, 2015
結果的に2人を混同した人が「寅さんのおいちゃん役は大坂さん」と勘違いしてしまったのでしょう。
いずれにせよ、2人は日本映画史における伝説的な名優ですね。
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