稀代の表現者として、また業界のご意見番として、その存在感は薄れることを知らない美輪明宏(みわ あきひろ)さん。
天草四郎の生まれ変わりだとか、待ち受け画像にすると運気が上がるなど多くの伝説をもつ方ですが、今回は親交が深かった三島由紀夫にまつわるオカルティックな話をご紹介しましょう。
また少年時代に体験した原爆被爆、スピリチュアルブームを彩った『オーラの泉』、細木数子さんとの不仲説についても取り上げます。
美輪明宏のプロフィール
幼名:丸山臣吾
本名:丸山明宏
生年月日:1935年5月15日
身長:161cm
出身地:長崎県長崎市
最終学歴:国立音楽大学附属高校中退
所属事務所:オフィスミワ
美輪明宏の三島由紀夫霊視伝説とは
三島由紀夫が駆け出しの新進作家だったころから親交があった美輪明宏さん。
三島に二・二六事件で刑死した将校の霊が憑依して、誰の霊なのかを美輪さんが言い当てたという伝説があります。
それは三島が割腹自決をする年の元日のことでした。
三島邸の新年会で、美輪さんは三島の背後の不気味な人影に気づきます。
よく見ると、それは青年将校の霊でした。
「先生に霊が憑いている、二・二六の関係者のようだ」と伝えると、三島は驚いて「誰だ、教えてくれ」と言い、将校たちの名前を片端から挙げていきます。
でも、返ってくるのは「ちがう」「それもちがう」という答えばかり。
ところが「磯部浅一か」と聞いた瞬間、「それだ!」と美輪さんが返答。
これを聞いた三島は青ざめたということです。
磯部浅一(いそべ あさいち)とは、免官処分を受けた元陸軍一等主計で、のちの二・二六事件の首謀者。
自分を理解しない世間や軍の幕僚たち、ひいては天皇までも恨み、叱責し、呪いながら死んでいった人物です。
獄中手記 磯部浅一 #読了 #二・二六事件
「私は決して国賊ではありませんから日本第一の忠義者ですから-今の日本人は性根が腐りきっていますから、真実の忠義がわからないのです、私共の様な忠義は今から二十年も五十年もしないと、世間の人にはわかりません」
愛が強すぎると憎しみに変わるんやな。 pic.twitter.com/TN53kVLR1V— かうta@読書垢 (@ta44016038) December 17, 2021
三島の晩年の作品に『英霊の聲(こえ)』という短編小説があります。
この小説は磯部浅一の獄中の手記にインスパイアされて書かれたものです。
三島自身、『英霊の聲』の執筆中は筆が勝手に走り、真夜中になると、書斎の隅々から将校たちの低い話し声が聞こえたと母・倭文重(しずえ)に話したことがありました。
三島に霊が憑いていると感じていた人は複数名いたようで、倭文重もそのうちの一人です。
『英霊の聲』は三島事件の4年前に発表された小説ですが、この作品以降は明らかに作風が変化したと指摘する評論家も少なくありません。
言うて三島由紀夫って「ガテン系野郎は昼休憩を1秒でも失うと怒り狂うゴリラである」ことも知らずに12:00から演説始めたドジっ子やからな pic.twitter.com/Z6BjNC9Hl5
— HAL@古き悪しき時代大好き侍 (@HAL9152) November 29, 2020
美輪明宏さんの言うとおり、憑依霊が書かせた小説であるならば、最後に三島を突き動かしたのも怨霊のしわざだったのかもしれませんね。
美輪明宏、10歳で原爆被爆の地獄体験
美輪明宏さんは長崎県長崎市にて、丸山家の5人きょうだいの次男として生まれました。
長崎に原爆が落とされたのは10歳の夏です。
その日は雲ひとつない晴天で、美輪さんは爆心地から少し離れた自宅で宿題の絵を描いていました。
完成して、少し離れたところから仕上がりをみようと後ろに下がった瞬間、白い閃光が走ります。
「雷?」と思ったとたん、世界中の爆弾が爆発したような轟音がとどろいて、家がぐらぐら揺れました。
ガラス戸のガラスは粉々に吹き飛んで、後ろのふすまに突き刺さっていたそうです。
美輪さんは兄とお手伝いさんの3人で防空壕に避難して難を逃れますが、逃げまどう人々の阿鼻叫喚の光景はいまだ目に焼きついているとのこと。
終戦を迎えると、昨日まで美徳だった軍国主義が一転して悪徳に、そして悪徳だった自由主義が美徳になっていました。
国や政治の常識などばかばかしい、自分の目で見たものだけを信じようと決めたのはこのときです。
スピリチュアルブームを牽引した『オーラの泉』
2005年から2009年まで放送された『オーラの泉』には愛の伝道師として出演し、深みのある名言やアドバイスが人気を集めました。
お経を読んでいるときにお告げを受けたり、画像を待ち受けにすると幸運が訪れるなど、スピリチュアルな話題には事欠かない方ですから、その霊能力にも注目が集まります。
美輪明宏を待ち受けにすると○○運アップー!!!見たいな話をさ、確か3.4年前に聞いたから試してみた
ビックリする位パワー感じるから
携帯に触りたくなくなりました。金が金運
ピンクが恋愛運 pic.twitter.com/9eNnne6LRl— ノブ太郎 東京マラソン2021走る事になりました (@nobutarou_218) June 9, 2014
スピリチュアルブームに便乗した自称霊能力者が増えるなか、「美輪さんは間違いなく見えている」という評判だったと話すのはテレビ局関係者。
美輪さんをリスペクトする芸能人が自ら、ナビゲーター役の国分太一さんに出演を希望するケースもあったそうです。
ただ、2020年に出演したバラエティ番組では、ここ数年でぱったりと見えなくなったと告白して視聴者を驚かせたことも。
とはいうものの、広い見識に裏打ちされ、酸いも甘いも熟知した美輪さんの金言は、この先も多くの人を癒し、励まし続けるに違いありません。
美輪明宏、細木数子を批判
2021年11月に亡くなった細木数子さんもまた、スピリチュアルブームの立役者の一人でした。
「地獄に落ちるわよ!」の決め台詞でおなじみの毒舌占いと強烈なキャラクターは、忘れようにも忘れられません。
地獄に
落ちたわよ#細木数子 https://t.co/tbzLTlaeDb pic.twitter.com/769Elf9n0l— さかねとしひこ (@ToshihikoSakane) November 20, 2021
気になるのが細木数子さんとの不仲説ですが、その出どころは美輪さんの発言にあるようです。
その発言とは、「地獄に落ちるなどと脅かして、相手を怖がらせるような人に占い師の資格はありません」というもの。
名指しこそしなかったものの、明らかに細木さんのことだとわかる発言ですね。
細木さんにしても、こんなことを言われたら「地獄に落ちるわよ!」とやり返したいところでしょう。
ところが意外にも、反論もせずに芸能活動を休止してしまいました。
スピリチュアルブームの主役ともいえる二人ですが、そのスタイルは対照的でしたね。
最近はテレビ出演が減ったものの、講演会は好評だという美輪明宏さん。
もはや存在そのものが生ける伝説といえそうですね。
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