立川談春(たてかわ だんしゅん)さんをドラマや映画で知ったという人は多いでしょう。
ですが、「落語家 立川談春」を知らないのはあまりにも勿体ない事なんです。
立川談春の落語家としての評判
「ルーズヴェルト・ゲーム」や「下町ロケット」の演技が話題となった立川談春さん。
それまでメディアに出演する事が殆ど無かったためドラマで初めて知った人も多いのではないでしょうか。
俳優顔負けの名演技と存在感を見せる談春さんですが本業は落語家。
「立川」という名前から分かる通り師匠は立川談志さんです。
中学生の頃は競艇選手になりたかったという談春さん。
競艇学校に進学しようとするも170cm以下という身長制限があり断念。
なお、当時の立川談春さんの身長は172cmでした。
その後、談春さんは談志さんの落語を聞いて落語家になる事を決意。
「噺ではなく談志を聞きに来る」と言われるように興味を持ったのは落語ではなく立川談志さんでした。
そして高校を中退して談志さんに弟子入りし落語家となります。
ちなみに現在の競艇学校の身長制限は175cm。
もし談春さんが若い頃に今の身長制限であれば迷わず競艇選手になっていた事でしょう。
また、談春さんが談志さんの落語を観る機会が無ければ落語家を目指すこともなかったはず。
幾つもの要因が折り重なって誕生した「落語家 立川談春」。
談春さんが落語家になったのは間違いなく偶然ではなく必然だったのでしょう。
そんな談春さんですが当初の落語家としての評価は並。
弟弟子の立川志らくさんに真打昇進の先を越されている事からもそれは明らか。
志らくさんが天才という事でもありますが。
ですが現在の談春さんは同業者からの評価もとても高い落語家となっています。
談春さんに挫折を味わわせた志らくさんも、談春さんを称賛する一人。
人間国宝は冗談。談春兄は可能性あり。私は向田邦子の「あうん」を映画化してキネマ旬報のベストテン1位の方がずっと嬉しい。というか二度私の演出主演で舞台化しているがもう一度舞台化して最後に映画化。
— 志らく (@shiraku666) September 23, 2019
落語協会の真打の9割が束になっても立川談春さんには敵わない、という評価する声も。
ただ落語が上手いという落語家は大勢いますが、談春さんの落語は上手いだけではありません。
聞く人の心を揺さぶる何かが談春さんの落語にはあります。
現在、談春さん唯一の弟子である立川こはるさんも、その落語に心を揺さぶられた一人。
東京農工大学の落語研究会に所属していた立川こはるさん。
その後、大学院まで進むも談春さんの落語を聞いた時に「落語家になりたい」と思い大学院を中退。
そして談春さんの元に弟子入りし落語家となりました。
落語を聞いた人の人生をも左右してしまう談春さん。
立川志らくさんが言うように談春さんが人間国宝に認定される日が本当に来るかもしれません。
立川談春の独演会の詳細は?
多くの落語家が認める落語家である立川談春さん。
きっと落語を聞いてみたいと思った人も多いでしょう。
今の時代、CDやDVDだけでなく動画サイトでも落語に触れる事が出来ます。
ですが会場の雰囲気や臨場感を感じられる「生」に勝るものはないでしょう。
立川談春さんは日本各地で独演会を行っていますので機会があれば聞きに行ってみてはいかがでしょうか。
ただ、落語初心者の人ほど会場に足を運ぶのは敷居が高いと感じてしまうかもしれません。
敷居を高く感じてしまうのはきっと独演会がどのようなものか分からないから。
独演会がどのようなものか把握していれば足を運びやすくなると思います。
落語と聞くと「寄席」を思い浮かべる人も多いでしょう。
多くの落語家が出演する「寄席」は日本各地の演芸場で行われており予約の必要もありません。
一方、独演会は日時と場所が決まっており、予めチケットを入手しておく必要があります。
また「独演会」というだけあって基本的に出演するのは一人だけですが前座として弟子が一席演じる事が多いようです。
ですが現在、立川談春さんの弟子は立川こはるさんの1人だけ。
しかも既に二つ目となり自分でも独演会を開催するほどの人気落語家となっています。
そのため談春さんの独演会では前座はないようです。
そういった意味では「独演会」はアーティストのライブに近いと言えるかもしれません。
立川談春さんの独演会の公演時間は演目によって異なりますが約1時間半〜2時間。
1回の公演で行うのは2〜3つの噺を演じます。
談春さんの世界を堪能できる独演会の気になる料金は約4000〜5000円。
高いと思うか安いと思うかはその人次第。
ただ、立川談春さん程の落語家であれば安い金額と言えるのではないでしょうか。
立川談春は人気過ぎてチケット取れない?
北は北海道から南は九州まで日本各地で独演会を開催する立川談春さん。
あまり人気が無い落語家であれば一部の地域でしか独演会は開催しないはず。
日本各地で独演会を行うという事はそれだけ談春さんの落語を聞きたい人が多いということ。
多くの会場で独演会を行う談春さん。
ですが「最もチケットが取れない落語家」と言われるほどチケットの入手は困難なんです。
実際に談春さんの35周年を記念する独演会は売り切れが続出。
2か月先でも売り切れの会場があるほどです。
以前から落語家としての評価が高く熱心なファンがいたと思われます。
それがテレビに出演するようになってから新規ファンも急増したのでしょう。
談春さんがテレビ出演するようになったのは落語の普及が目的。
現時点では多くの人々が興味を持っているのは「落語」ではなく「立川談春」かもしれません。
ただ、談春さんがきっかけで落語の面白さに目覚めた人も少なくないはず。
今後も落語の普及と発展のため各地で独演会を行っていくことでしょう。
立川談春の「赤めだか」とは
文芸誌「en-taxi」で2005年〜2007年にかけて連載された「談春のセイシュン」。
立川談春さん自身のエピソードを基にしたエッセイで修行時代の苦難と葛藤の日々が描かれています。
2008年に「赤めだか」と改題して単行本化されると同年の講談社エッセイ賞を受賞。
また、「本の雑誌」2008年上半期エンターテイメントで第1位に輝いています。
2015年には二宮和也さん主演でドラマ化された事も話題となりました。
同ドラマはギャラクシー賞や放送文化基金賞のテレビドラマ部門で最優秀賞、東京ドラマアウォードの作品賞でグランプリを獲得。
これだけの賞を受賞出来たのは出演者の演技はもちろんですが原作が素晴らしいから。
多くの人達が書籍とドラマを通じて落語という世界に興味を持ったことは間違いありません。
現在、落語家として活動するのは約800人と言われています。
きっと談春さんの「赤めだか」がきっかけで落語家になった人もいることでしょう。
なお、本のタイトル「赤めだか」とは談志さんが池で飼っていた魚。
きっと談志さんが育てる弟子達を池で飼われる「赤めだか」に見立て、このようなタイトルにしたのだと思います。
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