大学在学中の2009年に、小説『桐島、部活やめるってよ』でデビューした人気作家の朝井リョウ(あさい りょう)さん。
多くの作品が映像化され、本人のメディア出演も多く、単に作家というだけでなく有名人として注目を集めていますね。
4年後には『何者』で直木賞を受賞していますが、当時はまだ23歳の若さで、史上最年少の受賞者となりました。
学生時代から売れっ子作家だった朝井さんですが、一時期は会社でサラリーマンと作家の二足のわらじを履いていたそうです。
勤めていた会社は東宝という情報がありますが、具体的にどのようなことをしていたのかも気になりますね。
今回は朝井さんの就職した会社・東宝での職種を紹介しつつ、就職先と高校の情報を見ていきましょう。
さらに天才として多くの人から羨ましがられている朝井さんの素顔を分析し、経歴をまとめていきます。
朝井リョウのプロフィール
本名:佐々井遼
生年月日:1989年5月31日
身長:不明
出身地:岐阜県垂井町
最終学歴:早稲田大学文化構想学部
朝井リョウの会社、就職先は東宝
朝井さんは早稲田大学卒業後、映画や演劇の配給会社として最大手企業の東宝に就職しています。
近年では『シン・ゴジラ』、『君の名は。』、『鬼滅の刃』などの制作・配給で、業績も絶好調の会社ですね。
学生時代から既に有名人でしたが、「サラリーマンをやってみたかった」という理由で就職したようです。
直木賞受賞作『何者』は、サラリーマンとの兼業作家として書き上げました。
この作品は映画化もされているため、ご存じの方も多いと思いますが、就職活動をテーマとしています。
朝井リョウ『何者』
就活中の大学生たちの物語
色んな意味で最後まで楽しめる作品
飽きることがありませんでした・将来何がやりたいのか?
・面接での言葉は本心なのか?
・そもそも自分は何者なのか?青春小説だけでない楽しみもありオススメです#読書好きな人と繋がりたい#読了 pic.twitter.com/Cp3m8TO2Jm
— たかひでの本棚 (@tkhd_hondana) November 13, 2020
就職活動や社会人経験があった方が、作品の幅も広がると考えたのかもしれません。
就職先の東宝では営業をしていたという朝井さん。
会社や取引先でもかわいがられていた様子でしたが、約3年で退職しています。
上司とのトラブルなどの噂が立ちましたが、おそらく昼に働いて夜に執筆するというスタイルに限界が来たのでしょう。
アルバイトなどをしながら執筆する作家は多いものの、朝井さんのような売れっ子作家が、フルタイムの正社員と掛け持ちでインタビューやメディア出演もこなすのは想像以上にハードだったはず。
2016年以降は、専業作家として活動しているようです。
それにしても学生時代に作家デビューし注目を浴び、さらに東宝という誰もが知る一流企業に入社するなんて、一般人が羨むのも無理はありませんね。
社会人しながら小説書いてる朝井リョウまじで何者なんだよ
— ねこすて (@nkost_) November 11, 2020
ただ、「営業がつまらない」と愚痴を口にしたこともあるようなので、やはり一般的な仕事への執着はなかったのかもしれません。
あくまで作品の情報収集として就職したと推測できますね。
それでも、一流企業にドライな動機で入社してしまう朝井さんに、嫉妬したくなる人はかなり多いでしょう。
朝井リョウの高校は?
早稲田大学と東宝という、有名な大学と企業に在籍していた経歴を持つ朝井さん。
高校についても、きっと一流の学校なのでしょう。
調べたところ、岐阜県立大垣北高等学校を卒業していることがわかりました。
偏差値は69程度なので、最難関レベルと言えます。
岐阜県内では偏差値ランキング2位、開校は1894年という、由緒ある名門校だとわかりました。
中学の時点で小説家を志していた朝井さんは、「作家はみんな、1回は中高生の話を書いている」と気づいて以来、学校生活を充実させようと決意。
生徒会長や応援団長など、あらゆる活動をして、楽しい高校生活を送ったそうです。
部活動は3年間バレーボール部で、文化祭や体育祭でも積極的に活動したとのこと。
いわゆる「リア充」な高校生活を送ったようですが、それもすべて小説家として青春ものを書く際のネタのためだったと考えると、小説への情熱の高さを感じますね。
進学校ということで勉強もハードだったそうですが、夜の空いた時間にブログやエッセイをつづり、執筆活動も始めていたようです。
兼業作家として3年間会社勤めも経験していた朝井さんのバイタリティは、この時から培われていたのでしょう。
朝井リョウは天才なのか
朝井さんは若くして作家デビューし、執筆以外のこともきちんとこなす印象がありますね。
20代の若さで絶大な人気を勝ち得たということもあり、多くの人は彼を天才と考えているようです。
世にも奇妙な君物語 / 朝井リョウ
控えめに言って朝井リョウさん天才!もしも朝井さんが『世にも奇妙な物語』を描いたらって事で、5話収録されてる短編集かと思いきや….、読了後「最高だよ!」って思わず言ってしまったね、これは。 #朝井リョウ #読書 #読了 pic.twitter.com/Mz39JMbH08— 蒼井 (@R84tS) January 13, 2020
しかし筆者としては、朝井さんを天才と一言で片づけてしまうことに抵抗があるのです。
確かに作品に描かれた人間関係や社会の様子はリアルで、展開の巧みさに衝撃を受けることもあり、文才がある人だという点は疑いようがありません。
しかし朝井さんは子供のころから作家を志し、勉学や部活動に励みながら、計画を立てて作家修行を続けていました。
創作の面では、決して才能だよりではなく、地道な努力が不可欠だったはずです。
さらにカリスマ的な有名人である点でも、才能以上に計画性を大事にしている印象を受けます。
例えばジブリアニメが好きという理由で、2013年出版の『世界地図の下書き』の表紙イラストをジブリの作画監督だった近藤勝也さんに依頼していることからも、かなりの世渡り上手だとわかりますね。
それは朝井さんの人に好かれる才能、あるいは営業の才能による成功と言えるでしょう。
しかしあくまで行き当たりばったりではなく、彼の行動には緻密な計画性を感じさせるのです。
人に好かれるために、自虐ネタも活用しながら謙虚さをアピールする。
しかし主張すべきところではグイグイと押し通す。
その計画性が、朝井さんを「作家」という範疇を超えた「有名人」にしているのでしょう。
むしろ天才と呼ばれる人は、人付き合いが苦手で、自分の専門以外については何もできない人が多いという歴史的な事実があります。
そう考えれば朝井さんは天才というよりも、どんなことでも計画的に成功させる、「プロデューサー」的な面を持ったショー・ビジネスマンに近いのではないでしょうか。
朝井さんは若くして作家としての人気を獲得し、エリート会社員時代を経て専業作家となった稀有な人材です。
それでも天才的なやり方ではなく、地道な努力で社会を観察し、執筆の訓練を積み重ねた人という印象を受けました。
だからこそ朝井作品は、緻密な心理と人間の本質を描写し、多くの人々の心をつかむことに成功しているのでしょう。
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