サスペンスの手法を取り入れた純文学作品で、海外でも多くのファンを獲得している芥川賞作家の中村文則(なかむらふみのり)さん。
ずっと生きづらさを感じてきたと公言していることから、その生い立ちに関心を寄せる読者が多いようです。
私生活もベールに包まれていますが、結婚した妻や家族も気になりますね。
また中村作品の愛読者である又吉直樹さんについても取り上げます。
中村文則の人間嫌いの生い立ち
大学卒業後はコンビニのアルバイト店員として働きながら小説家をめざしていた中村文則さん。
当時を振り返り、フリーターでいることはとても怖かったと明かしています。
大学を卒業した2000年は就職の超氷河期。
「フリーターは夢追い人」というイメージは過去のもので、「フリーターは社会の落ちこぼれ」と認識されるのが普通でした。
純文学作品の執筆を続けた中村さんは、2002年に『銃』で新潮新人賞を受賞してデビューしますが、じつはフリーター生活は2年までと期限を決めており、法務教官の試験に合格していたそうです。
法務教官とは、少年鑑別所や少年院で少年たちの社会復帰に携わる専門職。
中村さんにとっては人生の興味が文学であり、社会的な興味が少年犯罪だったそうですが、結果として人生の興味のほうを選択したことになりますね。
人間の悪の部分を描き、社会問題を突きつけることもためらわない作品のベースには、「人間とはなにか」という問いかけが見え隠れします。
そのような作風なのは、自分がずっと生きづらさを感じており、人が集まる場所で悩み続けてきたからだ、と中村さん。
同じように感じている人々が必要とする言葉を届けたいと語ります。
中村文則さん『王国』タイ語出版記念オンライントーク。
中村さんに最後にお会いできたのは2年前。オンライン上だけど、お話が聞けるって…もぅ楽しくてしょうがない!作品の世界観がものすごく好きだから、各国の表紙の違い、タイトルの違い、すべての話が面白くてしょうがないっ#中村文則 #王国 pic.twitter.com/z1Lo8icxPQ— Takako (@taou0406) November 14, 2020
少年時代は人間嫌いで、世の中も好きではなかったという中村文則さん。
とにかく暗い性格で、自分の中に神のような存在を作り、その架空の神と一緒に生きていたそうです。
子供にありがちな空想の世界のようでもありますが、この強烈さはさすが芥川賞作家という感じです。
とはいえ、性格が暗いといじめの対象になるので、学校では普通を装い、帰宅しては「どよーん」とする日々の繰り返し。
こうした生活は高校1年生で限界を迎え、ついに不登校に。
「腰に怪我をしました」などと円満不登校の理由を作って休んだそうです。
その頃に出会ったのが太宰治の『人間失格』でした。
「俺も人間失格だしな」と思って読んだところ、「俺のことが書いてある!」と衝撃を受けることに。
この世の中で初めて頼りにできるもの、信じられるものを見つけた気がしたそうですから、その衝撃たるや、すさまじいものがあったのでしょう。
その後、高校生活は太宰一色に。
やがて中村さんは、いったい自分は何に悩んでいるのかを整理してみたくなり、文章を書きはじめます。
それは時によって日記であり、詩であり、短編小説でもありました。
中村文則が結婚した妻・家族
1977年9月2日、愛知県東海市にて誕生した中村文則さん。
2023年は46歳を迎えるため、年齢的には妻や子供がいても不思議ではないのですが、結婚や家族に関する情報はありません。
ネット上には、結婚を隠しているらしいという声もみられますが、根拠は示されていません。
結婚や家族については非公開にしている可能性もありますね。
プライベートの情報が出ていないのは、ご本人の意向なのかもしれません。
各章か、ある程度の纏りで
英語→日本語→英語(もう一回)
で読みたいと思います!!#中村文則 #土の中の子供 #TheBoyInTheEarth pic.twitter.com/wDx1Eq8ucz— e-koyka (@south_hpfy) November 14, 2020
又吉直樹は中村文則の熱烈なファン
同じく芥川賞作家である又吉直樹さんは中村作品の愛読者の一人です。
太宰治などの近代文学を愛するあまりに、近代文学の続きをやっているような現代の若手作家を探していた又吉さん。
編集者に訊ねたところ、すすめてくれたのが中村文則さんのデビュー作の『銃』でした。
この作品で胸を打たれ、自身の文学愛を再確認した又吉さんは、他の中村作品を刊行順に読んでいきます。
【速報】又吉の書籍『人間』が織田作之助賞にノミネート! https://t.co/oHaOJebhuL #お知らせ #人間 #又吉直樹 #書籍 #毎日新聞出版
— ラフ&ピースニュースマガジン (@yoshimoto_news) November 26, 2020
『何もかも憂鬱な夜に』を読んだ時は、思春期の自分と今の自分が救われた思いがしたとのこと。
自分に必要だったことをすべて書いてくれており、これほどに生きる意味を与えてくれた小説はないと絶賛しました。
また『遮光 』については、暗く深刻な内容ではあるものの、そうした小説が救いになっている自分のような人間もいるはずと述べています。
又吉さんにとっての中村文則さんは、かけがえのない特別な作家の一人であることは間違いないでしょう。
二人は交流もあるそうですが、お互いに受ける刺激が創作に影響することもあるのでしょうか。
ノワール小説に貢献した作家に贈られるアメリカのデイビッド・グーディス賞を日本人で初めて受賞した中村文則さん。
作品は15の言語に翻訳されていますが、今後はいっそう世界中にファンが広がっていくことと思います。
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