夏目漱石の子供・孫・ひ孫、子孫は著名人ばかり。華麗な家系図まとめ

近代日本を代表する文豪であり、英文学者や評論家としても活躍した夏目漱石(なつめそうせき)。

20年の月日を添いとげた鏡子夫人とは7人の子供をもうけました。

漱石のDNAは子供から孫へ、そしてひ孫へと受け継がれていくことになります。

今回は家系図の子孫について詳しくみていきます。

夏目漱石の子供は2男5女

およそ100年前の1916年(大正5年)に49歳の生涯を閉じた夏目漱石。

妻・夏目鏡子との間には2男5女に恵まれました。

第1子の筆子と末子の雛子の年齢差は11歳。

鏡子夫人は病に苦しむ夫を支えながら、11年間で7人の子供を出産して育てあげたことになります。


明治の女性のたくましさを感じますね。

子供たちを上から順にみていくと、漱石の熊本時代に誕生したのが長女の筆子。

日本女子大付属高等女学校を卒業して文筆家になりました。

『吾輩は猫である』に登場する女の子のモデルともいわれています。

筆子の夫が漱石の門下生で小説家の松岡譲(まつおかゆずる)。

次女の恒子は英国留学中に誕生。

その後も三女・栄子、四女・愛子と女児がつづき、1907年(明治40年)6月に待望の男児を授かります。

長男・純一が誕生する少し前、漱石は一切の教職を辞して職業作家になっていました。

終の棲家となる早稲田の漱石山房に移り住んだのもこの年です。

夏目純一は東京交響楽団の第一ヴァイオリン奏者でした。

文才はないと自ら述べており、文章を書くことを周囲に猛反対されたこともあるのだそう。

妻はハープ奏者の嘉米子です。

純一は夏目家の跡取りとして、漱石亡きあとは甘やかされて育ったようで、嘉米子いわく、姑の鏡子は立派な人物でも子供の育て方だけはまちがっていたとのこと。

純一誕生の翌年には、またもや男児が誕生し、伸六と名づけられました。

『父・夏目漱石』『父・漱石とその周辺』などを著した随筆家です。

伸六は、神経症による漱石の癇癖(かんしゃく)と暴力を体験した者として、漱石崇拝者が父を神格化することには一貫して否定的でした。

末っ子の五女・雛子はわずか1歳で原因不明の突然死。

このことが、のちの漱石の遺体解剖の遠因にもなっているようです。

漱石の孫に夏目房之介や半藤末利子

孫の世代になると、ようやく昭和生まれも登場します。

長男家の第1子は1950年生まれの夏目房之介さん。

「漫画コラムニスト」という自称のとおり、漫画批評家やエッセイストとして活躍中。

以前は「漱石の孫」と呼ばれることが不愉快で、祖父の本名「金之助」に似た自身の名前も大嫌いだったそう。

少年時代には国語の授業で「このクラスには漱石の孫がいます」と先生にばらされたり、女子生徒から「おじいさんはすてきな顔してるのにね」と言われたりした苦い過去もありました。

長女家の娘たちに、比較文学研究者でオレゴン大学名誉教授の松岡陽子マックレインさんと随筆家の半藤末利子さんがいます。

陽子さんは津田塾大卒業後にオレゴン大へ留学、現地でジョージ・ロバート・マックレインさんと結婚。

著書に『孫娘から見た漱石』があります。

末利子さんもまた、夏目家に関する作品を発表。

祖母・鏡子の悪妻説に真っ向から異を唱える作品は興味深いです。


末利子さんの夫が作家でジャーナリストの半藤 一利さん。

戦史研究家であり、ことに昭和史に関しては大家ですね。

新田次郎文学賞の『漱石先生ぞな、もし』、山本七平賞の『ノモンハンの夏』、菊池寛賞の『日本のいちばん長い日』などの著作で知られます。

2021年1月12日の急逝のニュースに驚いた人もいるのではないでしょうか。

漱石のひ孫にも著名人、家系図の子孫に注目!

夏目漱石の子孫は、音楽や著述など創作の分野に進む人が多いようです。

ライター・編集者として活躍する夏目倫之介さんは長男家のひ孫であり、音楽家・音楽プロデューサーの夏目哲郎さんは次男家のひ孫にあたります。

哲郎さんはこれまでに『家族のうた』『淵に立つ』などの映像作品の音楽に携わっており、2017年にシンガーソングライターのTONNKOさんと結婚。

「一般財団法人夏目漱石」の設立をめぐる騒動で注目を集めた夏目一人さんも次男家のひ孫の一人。

博報堂勤務から実業家に転身した方で、クリエイターとしても知られます。

一時は漱石の財団法人を設立して理事を務め、漱石の肖像権・人格権などの管理や漱石検定の企画を発表したのですが、ほかの遺族が財団の設立に反対。

結局「一般財団法人夏目漱石」は解散することになりました。

夏目漱石という文豪を時に「おそろしい人」に変貌させたのは神経症という病気であり、素の漱石は心の温かいやさしい人柄だったと鏡子夫人は証言しています。


書斎の廊下で子供たちが走り回ろうと、騒ごうと、意に介さずに原稿用紙に向かっていたという夏目漱石。

妻や子孫の作品からは、慈愛に富んだ人間味あふれる漱石の姿があふれ出ています。

夏目漱石、結婚した鏡子は悪妻?夫婦の愛の手紙、身投げ騒動について

夏目漱石の性格は?正岡子規、森鴎外とのエピソード。恋愛観と三角関係

夏目漱石のイギリス留学、ロンドンでの生活。英語力と勉強法。留学の影響とは

夏目漱石の複雑な生い立ち。早稲田の生家、千駄木の猫の家について

夏目漱石、死因はピーナッツ?最後の作品は未完。病気に苦しんだ短い生涯

コメント

執筆・編集者

映画や演劇、文学や歴史などの知識を執筆に反映しています。