近代日本を代表する文豪であり、英文学者や評論家としても活躍した夏目漱石(なつめそうせき)。
20年の月日を添いとげた鏡子夫人とは7人の子供をもうけました。
漱石のDNAは子供から孫へ、そしてひ孫へと受け継がれていくことになります。
今回は家系図の子孫について詳しくみていきます。
夏目漱石のプロフィール
本名:夏目金之助
生年月日:1867年2月9日(慶応3年1月5日)
死没:1916年12月9日
身長:推定159cm
出身地:牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)
最終学歴:帝国大学英文科(現在の東京大学)
夏目漱石の子供たち
夏目漱石は、日本の近代文学を代表する作家であり、多くの人々に影響を与えました。
彼の家庭生活もまた、興味深いエピソードに満ちています。
ここでは、漱石の子供たちについて詳しく見ていきます。
夏目漱石の子供たちの成長
夏目漱石と妻の鏡子の間には、7人の子供が生まれました。
彼らの成長や家庭内での様子は、漱石の作品や日記にも描かれています。
- 長女の筆子は作家としても知られ、漱石の文学的才能を受け継いでいます。
- 次女の恒子、三女の栄子、四女の愛子、長男の純一、次男の伸六、五女のひな子と、大家族でした。
- 特に四女の愛子は、漱石に非常に可愛がられていたことが知られています。
愛子は、他の兄弟姉妹と比べても漱石に叱られることが少なかったとされています。
次男の伸六は、随筆『父・夏目漱石』の中で、「父はこの姉を一番可愛がっていたようである」と述べています。
このような家庭内のエピソードから、漱石の父親としての一面が垣間見えます。
夏目漱石の家庭生活
漱石の家庭生活は、彼の作品や日記に多く描かれています。
特に、子供たちとのエピソードは、漱石の人間味あふれる一面を示しています。
- 漱石は、子供たちと一緒に過ごす時間を大切にしていました。
- 日記には、愛子と一緒に寝る際に腹を蹴られても喜んでいる様子が描かれています。
- また、漱石は「もし鉅万の富を積まば子供は二十人でも三十人でも多々益可なり」と述べるほど、子供好きであったことがわかります。
漱石の家庭生活は、彼の作品に多くの影響を与えました。
例えば、『夢十夜』の第三夜では、おんぶしている子供が次第に重くなるという不思議な物語が描かれています。
この作品は、漱石自身の子供たちとの関係や、彼の内面の葛藤を反映していると考えられます。
漱石の家庭生活や子供たちとの関係は、彼の文学作品に多くのインスピレーションを与えました。
彼の作品を通じて、漱石の家庭内での温かい一面や、子供たちへの深い愛情が伝わってきます。
夏目漱石の家庭生活は、彼の文学的な業績とともに、後世に語り継がれるべき重要な側面です。
孫に夏目房之介や半藤末利子
孫の世代になると、ようやく昭和生まれも登場します。
長男家の第1子は1950年生まれの夏目房之介さん。
「漫画コラムニスト」という自称のとおり、漫画批評家やエッセイストとして活躍中。
以前は「漱石の孫」と呼ばれることが不愉快で、祖父の本名「金之助」に似た自身の名前も大嫌いだったそう。
少年時代には国語の授業で「このクラスには漱石の孫がいます」と先生にばらされたり、女子生徒から「おじいさんはすてきな顔してるのにね」と言われたりした苦い過去もありました。
「マンガとロックと新宿の時代」
サエキけんぞう氏・夏目房之介氏
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— ニャゴやん (@nyagonyagoyan) October 23, 2016
長女家の娘たちに、比較文学研究者でオレゴン大学名誉教授の松岡陽子マックレインさんと随筆家の半藤末利子さんがいます。
陽子さんは津田塾大卒業後にオレゴン大へ留学、現地でジョージ・ロバート・マックレインさんと結婚。
著書に『孫娘から見た漱石』があります。
末利子さんもまた、夏目家に関する作品を発表。
祖母・鏡子の悪妻説に真っ向から異を唱える作品は興味深いです。
末利子さんの夫が作家でジャーナリストの半藤 一利さん。
戦史研究家であり、ことに昭和史に関しては大家ですね。
新田次郎文学賞の『漱石先生ぞな、もし』、山本七平賞の『ノモンハンの夏』、菊池寛賞の『日本のいちばん長い日』などの著作で知られます。
2021年1月12日の急逝のニュースに驚いた人もいるのではないでしょうか。
ひ孫にも著名人、家系図の子孫に注目!
夏目漱石の子孫は、音楽や著述など創作の分野に進む人が多いようです。
ライター・編集者として活躍する夏目倫之介さんは長男家のひ孫であり、音楽家・音楽プロデューサーの夏目哲郎さんは次男家のひ孫にあたります。
哲郎さんはこれまでに『家族のうた』『淵に立つ』などの映像作品の音楽に携わっており、2017年にシンガーソングライターのTONNKOさんと結婚。
「一般財団法人夏目漱石」の設立をめぐる騒動で注目を集めた夏目一人さんも次男家のひ孫の一人。
博報堂勤務から実業家に転身した方で、クリエイターとしても知られます。
一時は漱石の財団法人を設立して理事を務め、漱石の肖像権・人格権などの管理や漱石検定の企画を発表したのですが、ほかの遺族が財団の設立に反対。
結局「一般財団法人夏目漱石」は解散することになりました。
夏目漱石という文豪を時に「おそろしい人」に変貌させたのは神経症という病気であり、素の漱石は心の温かいやさしい人柄だったと鏡子夫人は証言しています。
書斎の廊下で子供たちが走り回ろうと、騒ごうと、意に介さずに原稿用紙に向かっていたという夏目漱石。
妻や子孫の作品からは、慈愛に富んだ人間味あふれる漱石の姿があふれ出ています。
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