戦後の日本映画界を代表する女優であり、長きにわたって映画・ドラマ・舞台の第一線で活躍した若尾文子(わかおあやこ)さん。
ソフトバンクのCMでは、コミカルかつシュールな世界観をさすがの貫禄で演じて若い世代にもファン層を広げました。
2023年現在住んでいるマンションは超大物だらけといわれていますが、居住者にはどんな顔ぶれがいるのでしょう。
また着物を美しく着るための秘訣や性格についてみていきます。
若尾文子、現在(2023)は大物と同じマンション
国内のみならず、海外の名画座でも折に触れて主演映画が上映されている若尾文子さん。
世界的建築家で夫だった故・黒川紀章さんが「バロック建築のよう」と称賛した可憐かつ妖艶な美貌は、あの三島由紀夫をも魅了。
1960年の『からっ風野郎』で映画初主演を果たした三島が相手役に指名したのは若尾文子さんでした。
その三島由紀夫原作の『春の雪』(2005年)を最後に、残念ながら映画の出演情報が聞こえてこない若尾さん。
からっ風野郎
三島由紀夫先生と若尾文子さん。 pic.twitter.com/NKOgZmgTgS
— 濹東キネマ☆濹東名人会 (@bokutoukinema) May 22, 2015
2023年に90歳を迎えることもあり、近年は表舞台で活躍することはあまりないようです。
2020年に開催された「若尾文子映画祭2020」には、かつて仲間たちとともに作り上げた作品は大切な宝物であり、映画のすばらしさを感じていたたければ幸いとコメントを寄せました。
2007年に夫の黒川紀章さんと死別し、未亡人となった若尾さんは、それまでのマンションが独りで暮らすには広くなり、老朽化が進んだこともあって引っ越しをすることに。
その時に選んだ物件が2023年現在暮らしているマンションです。
テレビプロデューサーの石井ふく子さんや女優の奈良岡朋子さんも住んでいることで話題のこのマンション。
彼女たちだけでなく、2019年に他界した京マチ子さんもかつての住人でした。
ビッグネームの3人が同じマンションに集まった経緯を振り返ると、まず奈良岡さんが新聞の広告で見つけて石井さんにすすめ、モデルハウスを見に行った石井さんが即決。
そのあとに奈良岡さんが越してきて、若尾さんは不動産関係者の紹介で決めたとのこと。
3人とも独り暮らしということで、お正月には石井さんの部屋に集まってお祝いをするのが恒例になっているそうです。
大物プロデューサーに大物女優という豪華すぎる顔ぶれですが、女子会トークに花を咲かせることもあるのでしょう。
マンションは24時間対応の有人管理サービスがあり、近くには区役所、郵便局、病院も。
これらの条件に該当する高層高級マンションとして、千代田区の東京パークタワーと中央区の銀座タワーが挙げられています。
ソフトバンクのCMで再ブレイク!
2010年からはソフトバンクのCMに登場し、白戸家のお父さんの母・文子おばあちゃんを演じた若尾さん。
白戸家シリーズは2007年6月にスタートし、CM好感度調査でも常に上位をキープ。
お父さんの故郷、福井県の一乗谷に住む文子おばあちゃんは、息子より孫を大事に思い、50歳年下の男性と再婚するなど、おちゃめで魅力的なキャラクターです。
このキャラクターが「大女優・若尾文子」を知らない平成世代にも人気を呼んで、「あやや」の愛称で親しまれるようになりました。
これまでのキャリアで若尾さんが演じてきた役柄は純粋無垢な淑女から悪女まで、とにかく振れ幅が大きいです。
出演映画を観たことのない若者たちにも訴えかける何かがあったということでしょう。
これを機に、若い世代が良質な日本映画に触れる機会が増えればすばらしいことだと思います。
若尾流の着物の着こなしとは
着物姿の美しさから海外での人気も高い若尾文子さん。
そもそもひと昔前の日本映画は女優の着物着用率が高いのですが、それを差し引いても若尾さんは着物姿の印象が強く、洋装のイメージが希薄です。
個人的な主観ですが、「着物姿が絵になる大女優」というと真っ先に思い浮かぶのがこの方です。
その着こなしはまさにお手本にしたいところ。
『女は二度生まれる』風俗や風刺を巧みに織り交ぜる川島監督の奔放さが際立つ作品。多くの男に弄ばれる不見転芸者・小えんを敢えて悲劇的に見せず、天然な女性の可愛らしさでサラリと魅せる。個性派・倉田マユミさん、山岡久乃さんとのバトルでキレる若尾さんもコレまたキュート(笑)#若尾文子映画祭 pic.twitter.com/D3EC0MqO2a
— markdad (@markdad139) October 18, 2020
銀幕のなかの女優たちの着物の着こなしを研究した『着物女のソコヂカラ』という本には、若尾さん流の着付けや着こなしの秘訣がご本人の言葉で紹介されています。
着物姿で自由に動けるようになるには、まずは着物を身につけて動く練習をすること。
常に背筋を伸ばすこと。
背筋に気をつけてさえいれば、衿が多少崩れても見栄えが悪くならないこと。
「着物を着こなす」というのは単に着ることではなくて、着物姿で自然に動けるようになった時が出発点であること。
日常生活から着物が消えてしまった今どきの女性にとっては、往年の日本映画は生きたお手本の宝箱といえそうです。
若尾文子は家事もしっかりこなす性格
若尾文子さんは過去に自身の性格について語ったことがありました。
子供の頃はおとなしく、学校でもほとんどしゃべらず読書ばかりしていたため、ついたあだ名は「石仏」。
女優を志した理由は、読書をすると主人公の気分になれるのと同じように、自分ではない誰かになりたかったから。
「あなたには白と黒が似合う」と夫に言われてからは、私服はほとんどモノトーン。
生まれて初めて料理をしたのも黒川さんのためでした。
再婚後は仕事をセーブして主婦業に努め、夫に尽くしていたという若尾さん。
妻として、夫の健康を最優先していたことがうかがえます。
昭和の大女優である若尾さんが「犬のお母さん」という奇抜な役を演じることに抵抗はなかったのかが気になりますが、意外にも「面白い」と思ったとのこと。
文子おばあちゃん役はオファーを断る女優もいそうですが、若尾さんは快諾したそうです。
日本映画の全盛期には大映の看板女優として一時代を築いた若尾文子さん。
ソフト化されている作品が多いことも、その人気の高さの証明といえるでしょう。
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