2世議員ながらサラリーマンの経歴をもち、初当選は53歳という遅い政界デビューだった福田康夫(ふくだやすお)さん。
日本初の親子総理となりましたが、はたして息子もあわせて3世代の首相就任は実現するのでしょうか。
「献身妻」といわれた妻や、「角福戦争」で知られる父、また弟一家についてみていきます。
政治エリート一族の家系図にも注目です。
福田康夫のプロフィール
本名:福田康夫
生年月日:1936年7月16日
身長:171cm
出身地:群馬県高崎市
最終学歴:早稲田大学第一政治経済学部経済学科
息子は衆議院議員の福田達夫
2008年の首相辞任会見での「あなたとは違うんです」発言が新語・流行語大賞にノミネートされ、流行語にもなった福田康夫さん。
正確には「は」を発音しておらず、「あなたと違うんです」だったようです。
妻・貴代子さんとの間には2男1女。
2012年に政界引退を表明したのち、群馬県の地盤を引き継いだのは長男の達夫さんでした。
達夫さんは1967年3月5日生まれで、慶應義塾大学法学部を卒業。
その後はアメリカ合衆国のジョンズホプキンス大学の研究員に。
父が石油会社勤務を経て政界入りしたように、達夫さんもまた、政治に関わる前は三菱商事の会社員でした。
父にも祖父にも政界入りを勧められたことはないという達夫さん。
小泉進次郎×福田達夫「小泉家って親子の会話もワンフレーズなんですか?」
田﨑史郎『小泉進次郎と福田達夫』から父のこと、家族のことを公開 #小泉進次郎 #福田達夫 https://t.co/W2vkfU7FKC— 社外広報部_カナイナオコ (@kanai_naoko) August 17, 2019
転機が訪れたのは、父が内閣官房長官を務めていた2004年のことでした。
三菱商事を退職して福田康夫事務所の一員となり、私設秘書を務めた理由は、父の激務を支えるスタッフが足りなくなったことと、母をサポートしたいと思ったから。
貴代子さんは主婦業のかたわら、夫に代わって頻繁に選挙区の高崎まで足を運び、支持者への挨拶回りをするなど多忙な日々を送っていました。
2007年、父が内閣総理大臣に就任すると、今度は秘書官として官邸に。
国がどのように動いているのか、どこに問題があるのか、さまざまな課題が見えてきたのはこの時期だったそうです。
関係者によると、とても真面目で、敵をつくらない人柄とのことで、順調に出世街道を歩むことができれば、3世代総理大臣が実現するかもしれませんね。
妻・貴代子は政治家の妻の鑑?
髪をアップにしていることが多く、田中真紀子さんに「頭の大きいご夫人」と形容されたことがある福田貴代子さん。
1966年、福田康夫さんは政治家にはならないと約束して貴代子さんと結婚しました。
貴代子さんは農林・大蔵各大臣を務めた櫻内幸雄さんの孫で、櫻内義雄元衆議院議長の姪にあたります。
慶応義塾大学出身のお嬢様だった貴代子さんの志望は客室乗務員。
記者の義兄を介して福田家とは面識があり、ある日就職の相談に訪れたところ、福田赳夫さんと三枝夫人にいたく気に入られてしまい、息子のところに永久就職してくれないかと懇願されたそう。
堅物な息子とタイプが違い、エネルギッシュで如才のない社交家だった貴代子さんは、まさに政治家の妻にふさわしい女性だったといえるでしょう。
群馬県の選挙区での貴代子人気は抜群で、「康夫先生の選挙は妻まかせだった」という地元関係者の証言も。
#福田康夫 元首相 5日 日中国交正常化45周年と日中平和友好条約締結40周年を記念 群馬県渋川市内で講演。#南京事件 見解が分かれる犠牲者数について議論する問題ではないとし、「あったことは事実。中国の全土にどれだけ被害を与えたか、日本人は考えなくてはいけない」と。 pic.twitter.com/UfhMkhbToL
— はせがわたかし (@KIMINOKAI_Tokyo) October 5, 2018
「かあちゃんには頭があがらない」と夫も認めていることから、貴代子夫人の存在がなければ福田康夫さんの出世はなかったかもしれません。
父・福田赳夫と親子2代で首相に
福田康夫さんは40歳で丸善石油(現・コスモ石油)を退職し、父・福田赳夫さんの秘書を14年間務めました。
サラリーマンの道を歩むつもりだった康夫さんが会社勤務を捨てた理由は後述します。
福田赳夫さんは田中角栄元首相と「ポスト佐藤栄作」をめぐる熾烈な権力闘争を繰り広げ、敗れはしたものの、のちに首相の座についた人物。
田中角栄vs福田赳夫 官邸で丸テーブルを囲んだ角福戦争の手打ち式https://t.co/Z5dY57ICbz
「田中さんは『仲良くしとかにゃいかん』とおっしゃっていましたし、いらした福田さんも、まず『おめでとう』とおっしゃっていました」#田中角栄 #福田赳夫 #政治家 #総理大臣— NEWSポストセブン (@news_postseven) April 6, 2021
またダッカ日航機ハイジャック事件での「人命は地球より重い」という言葉でも有名ですね。
この事件で、犯行グループは人質解放の条件として服役囚や刑事被告人の引き渡しを要求。
要求に従うか、人質の命を犠牲にしてでも要求を拒否するか、究極の選択を突きつけられた福田元首相。
出した答えは条件をのむことでした。
とても尊く、勇気ある決断と思える一方で、テロリストに屈したとして批判を浴びることに。
この時に福田元首相が下した判断の是非は意見が分かれるところですが、この言葉から私たちが学ぶことは多いでしょう。
福田赳夫さんは1995年、 慢性肺気腫のため90歳で死去しました。
その昔、「1人の命は地球より重い」って言った首相がいたらしいんだが…。#国民殺してまで五輪したいか#福田赳夫 pic.twitter.com/8GeMObcqrV
— 安室 麗 大尉 (@newtypeamroray) May 11, 2021
福田康夫の政界入りは弟の病気がきっかけ
もとより政界入りするつもりはなく、会社勤務を続けるはずだった康夫さんが政治と関わるようになったのは、福田家の事情が関係しています。
父・赳夫さんは後継者に長男の康夫さんではなく、次男の横手征夫(いくお)さんを考えていました。
弟にあたりますね。
ところが秘書を務めていた征夫さんが病気になり、政治家になるのが難しい状況に。
やむなく康夫さんが弟の後任として秘書に転身することになりました。
兄弟でなぜ名字が違うかというと、征夫さんは親戚が経営する伊香保温泉の老舗旅館・横手館に養子入りしたから。
8人兄弟のようですが、征夫さん以外で名前がわかったのが和子さん、恒夫さん、孝夫さん(戦時中に死去)、玲子さんでした。
三男の恒夫さんは経済調査会社の役員を務めていたそうです。
家系図は政治エリート一族
群馬県にルーツがある福田家は、多くの政治家を輩出した政治エリート一族としても有名です。
福田康夫さんを軸にして家系図をみると、曽祖父と祖父は町長で、父は内閣総理大臣、叔父は福田宏一元参議院議員。
姉・和子さんの夫が越智通雄元経済企画庁長官。
上から読んでも下から読んでも「おちみちお」、と選挙カーで連呼していた方ですね。
その息子が越智隆雄衆議院議員。
政界入りをしなかった親族をみてみると、弟の横手征夫さんの長男にゴールドマン・サックス社員の横手真一さんがおり、その妻がフリーアナウンサーの千野志麻さんです。
石油会社の課長もつとめた庶民派とはいうものの、家系図をみるかぎり庶民とはほど遠いようですね。
福田ファミリーの遺伝子は子孫にも受け継がれていくのでしょう。
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