五社英雄、仁支川峰子の「噛んで」シーンがすごい!家族・妻・娘まとめ

60年代、まだ映画人がテレビ業界人を見下していた時代に、『三匹の侍』でテレビ局出身初の映画監督になった五社英雄(ごしゃひでお)監督。

ジュラルミン刀を用いたリアリティのある殺陣や独特の映像美、女優を美しく撮ることに定評がありました。

五社映画といえば、真っ先に頭に浮かぶのが仁支川峰子さんという人も多いでしょう。

一度観たら忘れられない「噛んで」のシーンを熱演した女優ですね。

撮影時の裏話や家族、妻、娘についてもまとめます。

五社英雄監督の三作品に出演した仁支川峰子

仁支川峰子さんは2009年に「西川」から「仁支川」に改名しています。


昭和世代の人間にとっては「あなたにあげる」の歌手のイメージが強いですが、もともとは女優志望でした。

出演した『陽暉楼』『吉原炎上』『肉体の門』の五社英雄監督作品は、いずれも仁支川峰子さんの代表作に。

繰り返し出させてもらえたのは、監督の望む撮り方が直感的にピンとくるところが気に入られたのかもと自己分析しています。

当時は五社英雄監督との交際疑惑も報じられたようですが、娘のように可愛がってもらっただけとこれを否定。

80年代の日本映画で輝きを放っていた女優の一人である仁支川峰子さん。

とりわけ五社英雄監督の映画では、作品ごとに女優魂を見せつけてくれました。

強烈!『吉原炎上』の「噛んで」のシーン!

五社英雄監督は、たとえそれがワンシーンであっても、観客の心に強く残る場面を作ることにこだわった監督でもありました。

日本中のどこへ行っても、小花の最期のシーンはすごかったねと言われるという仁支川峰子さん。

小花とは、『吉原炎上』で仁支川峰子さんが演じた花魁です。

かつては売れっ子だったものの、無理がたたって肺を病み、布団部屋に隔離されて、屈辱から精神まで蝕まれていく小花。

鮮血を吐きながらも、胸をはだけて、虚ろな目で「噛んで!」と男を求め続け、ついにこと切れます。

小花の狂気は観る人によってはトラウマレベルでしょう。

主演は名取裕子さんなのですが、インパクトは小花の狂乱シーンが圧勝です。

また、このシーンは視覚的効果も抜群。

隔離された布団部屋には真っ赤な布団が敷きつめられているため、観客の目には鮮やかな赤色が飛び込んでくることに。

その赤一色の中心で、半裸で狂態を演じる仁支川峰子さん。

五社美学の象徴ともいえる鮮烈な赤が強く印象に残る場面です。

撮影時、仁支川峰子さんは演技に入り込みすぎて、小花が憑依したようになったのだとか。

OKの声が聞こえても、胸をあらわにしたまま放心状態だったそうです。

五社英雄監督は自分のジャンパーを脱いで仁支川峰子さんの肩に。

優しくてかっこいい男だったと回想しています。

五社英雄の家族・妻・娘まとめ


1929年2月26日、当時の東京府北豊島郡で生まれた五社英雄監督。

父は吉原の近くで飲食業を営んだり、用心棒のような仕事をしたりしていました。

叔父は一家を構える博徒。

一時期は、この叔父夫婦に預けられていたこともあったようです。

子供時代からヤクザの息子と呼ばれ、理不尽な体罰を受けることがたびたびあった五社英雄監督。

こうした出生による差別で体験したみじめさから、相手になめられてはいけない、弱味を見せたら負けという思いが強くなったといいます。

1958年に誕生した娘・巴さんが中学校に上がると、以前飲食店を営んでいた妻が外で働きたいと言い出します。

五社監督は亭主関白な性格だったようで、妻は専業主婦でいることを望んだそうです。

その後、妻のホスト遊びが発覚し、妻は2億円の借金を残して失踪。

1980年には、巴さんが交通事故で昏睡状態に。

五社監督は、もし娘が植物状態になるなら永遠に眠らせてほしいと医師に頼み、自身も後を追う覚悟を決めていたとのこと。

手術後は言語中枢に後遺症が残りましたが、巴さんはリハビリで完治させています。

週刊現代の編集部に約20年勤務した巴さんは、五社英雄監督の死後、『さよならだけが人生さ〜五社英雄という生き方』を発表。

2009年現在は五社プロダクションを引き継ぎ、代表取締役を務めています。

『鬼龍院花子の生涯』を撮る前の数年間は、妻の家出、娘の交通事故、拳銃所持による逮捕劇などがあり、生きる意欲を失っていたという五社英雄監督。


作中で夏目雅子さん演じる松恵が啖呵を切る「なめたらいかんぜよ!」という名台詞は台本にはなく、五社監督が自らの人生への思いも込めてアドリブで付け加えたのだそうです。

一度どん底に落ちても、そこからの立ち向かい方しだいで残りの人生は変わるのだと、五社英雄監督は教えてくれている気がします。

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