大島渚、たけしや坂本龍一との関係。左翼思想&山田洋次、介護と闘病の最期

阿部定事件を題材にしたハードコアポルノ『愛のコリーダ』や、異色のキャスティングが注目を集めた『戦場のメリークリスマス』など多くの話題作を発表。

海外でも高い評価を獲得した大島渚(おおしまなぎさ)さん。

大島監督作品に出演したたけしさんや坂本龍一さんにも多大な影響を与えたようです。

今回は大島渚さんの左翼思想や、よく比較される山田洋次監督、晩年の闘病と介護についてまとめます。

ビートたけしや坂本龍一を大胆に起用した大島渚

1983年、海外での評価が高まる中で、大島渚監督の大作『戦場のメリークリスマス』が公開。

第二次世界大戦を題材にした戦争映画でありながら戦闘シーンは一切なく、キャストは男性ばかりという異色作です。


ハラ軍曹役にビートたけしさん、ヨノイ大尉役に坂本龍一さん、セリアズ役にデヴィッド・ボウイさんという意表を突いたキャスティングも話題に。

当時、たけしさんと坂本龍一さんは自分たちの演技の拙さを認め、二人でフィルムを焼いてしまおうかと冗談を言い合ったそうです。

大島渚監督は俳優ではない芸能人や、新人も同然の俳優を好んで起用するところがありました。

たけしさんは撮影中の大島渚監督のテンションに圧倒されて映画監督に興味を持ち、やってみる気になったと告白。

1999年の『御法度』では、すでに映画監督となっていたたけしさんを再び起用し、撮影現場でのサポート役を頼んだといわれています。

大島渚監督からは、潔い映画を作るねとお褒めの言葉をいただいていたのだとか。

坂本龍一さんに出演のオファーをした際は、たった一人で台本を抱えて会いに来てくれたそうです。

音楽もやらせてくださいと頼みこむ坂本龍一さんに、即答で快諾したという大島渚監督。

『戦場のメリークリスマス』で初めて映画音楽を担当した坂本龍一さんは、英国アカデミー賞作曲賞を受賞。

告別式で弔辞を述べた際は、今の自分があるのは大島監督のおかげと感謝の気持ちを表しました。

大島渚は左翼?社会のゆがみにNO!

左翼的な映画監督といわれる大島渚監督。

一連の作品には社会に対する怒りが投影されていますね。

テーマとして多く描いたのは社会の不条理。

不条理だと思えば国家とも闘いました。

『愛のコリーダ』の書籍がわいせつ罪にあたるとして起訴されたのです。

大島渚監督は裁判で自らの主張を展開。

他の国で認められている表現が、なぜ日本ではわいせつにあたるのか。

表現は社会の変化によって変わっていくべきではないのか。

5年に及ぶ裁判は勝訴。

社会にはびこる不条理なものに対しては、怒りをもって闘っていかなければ社会の進歩はないということを気づかせてくれる事例でしょう。

大島渚監督の反骨精神はテレビ番組でも健在でした。

討論番組『朝まで生テレビ』では、パネリストとして竹村健一さんらと討論。

バカヤローの怒鳴り声は定番となりました。

ヒューマンドラマを撮るタイプの映画監督もいれば、タブーに切り込んでいくタイプの映画監督もいますが、大島渚監督は間違いなく後者ですね。

他の人が手を出さない領域に踏み込んでいくのは体制に対する批判といえるでしょう。

対照的な大島渚と山田洋次


大島渚監督と山田洋次監督は松竹に同期入社した間柄でした。

1932年生まれで京都大学法学部卒業の大島渚監督と、1931年生まれで東京大学法学部卒業の山田洋次監督。

似通ったバックグラウンドを持つ二人ですが、その性格や作風はまるで対極にありますね。

大島監督がセンセーショナルな作品を発表し注目を浴びた一方で、山田監督は地味に監督デビューし、やがて人気を得るというキャリアを歩みました。

大島渚監督は『日本の夜と霧』の上映打ち切り問題で松竹に抗議してあっさりと退社。

松竹一筋の山田洋次監督は『男はつらいよ』シリーズがようやく大ヒットし、 同シリーズで松竹を支えることに。

同じ映画しか作らない自分とは違って、まるで別人が撮ったかのように毎回新しい映画を作る人だったと大島監督を評しています。

大島渚の介護と闘病

大島渚監督が1996年に脳出血で倒れ、2013年に他界するまで、17年間の介護を務めたのが妻の小山明子さんでした。

脳出血では重い後遺症は残らなかったものの、2001年には十二指腸潰瘍せん孔を発症。

認知機能が落ち、おむつが欠かせなくなりました。

言語障害のせいか、イライラを募らせることもあったようです。

小山明子さんは夫を全力で守ろうと決め、生きているのが楽しいと思ってもらえる生活を心がけたといいます。

例えば、食通の大島渚監督が生きがいをなくさないように食事を工夫したり、生活にユーモアを取り入れたり。

大島渚監督は次第に心を和らげ、笑いのある生活が戻ったとのこと。


結婚生活の3分の1にわたる介護生活でしたが、それはけっしてマイナスではなかったと語っています。

映画やテレビ番組を通じて社会への警鐘を鳴らし続けた大島渚監督。

社会のありように目を光らせ、厳しく叱ってくれる人を失った感は否めません。

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