安西水丸の結婚と家族。死去&ファッションについて。村上春樹とは盟友

表紙を見ただけでジャケ買いしたくなるようなユーモラスな画風で幅広い年齢層に愛されたイラストレーター・安西水丸(あんざいみずまる)さん。

どこか素人風なタッチで描かれた個性的なイラストは誰もが目にしたことがあると思います。

2014年の突然の死去から早くも5年。

ここでは安西水丸さんの結婚や家族、ファッション、また名コンビだった村上春樹さんについてお送りします。

安西水丸の結婚と家族について

本や雑誌のイラスト、漫画・絵本・小説の執筆など70年代から活躍してきた安西水丸さん。

本名を渡辺昇さんといい、1942年7月22日に東京都港区赤坂で生まれました。


日本大学藝術学部美術学科を卒業後、広告代理店や出版社勤務などを経てフリーのイラストレーターに。

一般的には村上春樹さんの書籍の装丁のイラストレーター、および共作者のイメージが強いでしょう。

安西水丸さんのイラストはひと言でいうととてもシンプル。

必要な線と色だけで描かれており、どこか脱力系で、ユーモアや哀愁がじわじわと見る人の心に迫ります。

手を抜いていいかげんに描いたように見えるイラストですが、実はこの「手抜きに見える」というところに周到な計算があるのかもしれません。

一度見たら心に残る作風であることは確かですね。

生家は祖父の代から建築設計事務所を経営していました。

7人兄弟の末っ子で、5人の姉がいるそうです。

幼少期に喘息を患ったため、一家は母の故郷・千葉県南房総市千倉町へ移り住みました。

千倉での日々のことは小説やエッセイにも綴られており、千倉の海は自分にとっては原風景と語っています。

やがて安西水丸さんは満寿美さんという女性と結婚し、一人娘のカオリさんが誕生。

2017年には父のイラストにカオリさんが文章をつけた初の父子共作の絵本が出版されました。

生前、上手な絵ではなく自分にしか描けない絵を描くことが大事と言っていた安西水丸さん。

カオリさんも自分にしか書けないものを書いていきたいと考えて、雑誌などにエッセーを寄稿しているそうです。

子供の頃はお父さんと結婚したいと思っていた少女でしたが、すでに結婚もしています。

安西水丸は脳出血で死去

安西水丸さんは仕事で多忙な日々が続いており、その日の朝も元気だったといいます。

2014年3月17日に神奈川県鎌倉市にあるアトリエで執筆中に倒れ、救急搬送。

19日に脳出血のため71歳で死去しました。

倒れる直前まで机に向かって仕事をしていたことになりますね。

青山葬儀所で営まれたお別れの会には、家族ぐるみのつきあいだった作家の嵐山光三郎さん、エッセイストの平松洋子さん、俳優の堺雅人さんほか、出版関係者やファン700人以上が参列。

平凡社時代の同僚でもあった嵐山光三郎さんはこれ以降、旅行で目に入ってくる風景が水丸さんのイラストやスケッチとダブって見えてしまうと故人を偲んでいます。

安西水丸の大人の男ファッション

ネット上では安西水丸さんのファッションも好評ですね。

一見いつも同じ服を着ているようで、よく見るとデザインやディティールは旬のもの。

おそらく自分の定番アイテムがあり、その時々に買い足してきたのでしょう。

ファッションへのこだわりが強く、自身が選びぬいたものだけを着用していたようです。


熱心な安西水丸ウォッチャーによると、アウターはLeeのデニムジャケットを制服のように愛用していたそう。

ボトムスはチノパン、靴はオックスフォードが基本。

ブーツではなく短靴を好む理由は、脱ぎ履きにもたつきたくないから。

靴と傘は良質のものをというポリシーがあったそうです。

改まった席にはコムデギャルソンのジャケットにシャツ、その下はヘンリーネックシャツ。

メーカーはヘルスニットがお気に入りだったそう。

極めつけは懐中時計。

それもアンティークの本格的な手巻懐中時計でした。

実用性というよりも、ファッション性に魅かれて愛用していたのではないかと思います。

安西水丸の盟友だった村上春樹

死去の報道でも、決まって「村上春樹さんの~」という枕がつくほど名コンビだった二人。

もし安西水丸さんがイラストを担当していなかったら、村上作品は少し違った印象になっていたかもしれないというのは言いすぎでしょうか。

かつて村上春樹さんがジャズ喫茶を経営していた頃、偶然にも近所に安西水丸さんが住んでおり、当時から二人は親交がありました。

もともと村上春樹さんは安西水丸さんのイラストが大のお気に入りだったそうです。

村上作品にたびたび登場する「渡辺昇」「ワタナベノボル」は安西水丸さんの本名。

『村上朝日堂』ほか、対談を収録したCD-ROM『夢のサーフシティー』など共作もたくさんあります。

二人は本当に気の合う間柄だったようで、村上春樹さんは、誰であろうと彼の代役を務めることはできないという言葉を残しています。


小さい頃から絵を描くことが大好きだったという安西水丸さん。

多くのハルキストたちも、村上春樹作品にとって安西水丸さんはかけがえのない存在だったと感じているのではないでしょうか。

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