『ノルウェイの森』、『1Q84』などの人気小説で、国際的にも知られている作家・村上春樹(むらかみ はるき)さん。
ノーベル文学賞の候補とも言われ、熱狂的なファンはハルキストと呼ばれるなど、現代文学を代表する作家としての地位を不動のものにしています。
そんな村上さんですが、プライベートではどのような人柄なのでしょうか。
今回は妻・陽子さんとの結婚についてエピソードを紹介しつつ、子供がいるのか、また育児に関する面白いブームについても見ていきましょう。
村上春樹のプロフィール
本名:村上春樹
生年月日:1949年1月12日
身長:168cm
出身地:兵庫県西宮市・芦屋市
最終学歴:早稲田大学第一文学部映画演劇科(現在の文学部演劇映像コース)
村上春樹の妻・陽子と結婚
まずは村上さんの妻である村上陽子さんについて見ていきます。
陽子さんは旧姓が高橋で、1971年に友人だった村上さんと学生結婚をしました。
69年から早稲田大学に留年期間を含め7年間通っていた村上さんは、一時期陽子さんの実家である文京区の寝具店に間借りしています。
2人はその後、アルバイトで貯めたお金と、お互いの両親と銀行からの借金で賄った500万円を使いジャズ喫茶を開業。
ピーター・キャットという店名で、国分寺にあるビルの地下で昼はジャズ喫茶、夜は生演奏が行われるジャズバーだったそうです。
村上さんは1979年に『風の歌を聴け』で小説家デビューを果たし、翌年に『1973年のピンボール』で芥川賞候補となります。
これを機に専業作家となる決意をし、81年に店を人へ譲ったことでジャズバーの経営から引退。
しかし映画『カサブランカ』のハンフリー・ボガードのような、バーの渋い経営者に憧れていそうな村上さんですから、経営自体は楽しんでいたようです。
もし小説を書き始めていなければ今でもオーナーとしての人生を謳歌していたかもしれませんね。
当時の早稲田は自由な校風が売りで、村上さんも就職する気はさらさらなく、大学在学中に開業したと言います。
しかしそのためには、陽子さんの協力が不可欠だったと言えますね。
自由気ままに、ふらりと世界旅行へ出かけることもあった村上さん。
妻はよき理解者であると同時に、アウトドアで精神的に強い人でないと務まらないのかもしれません。
時には夫のために旅行へ随行し、写真を撮影して本の出版に協力もしています。
村上春樹の『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』(新潮文庫)読了!
村上春樹の旅行記はおもしろい。
本書は奥さまである陽子さんが撮影した素敵な写真が多数掲載されている。また、村上春樹のウィスキーに対する想いやこだわりの飲み方(今はどうだか知らない)を知ることができる。#本 pic.twitter.com/OI7PcagAs1— はやし いさむ (@hayashi_samu) May 7, 2020
陽子さんは自由人な夫を支え、時には叱りながら導いていく、頼もしい存在なのかもしれません。
村上春樹に子供はいる?
次に村上夫妻に子供がいるかどうか見ていきましょう。
著書『村上さんのところ』は、読者からの質問への自身の回答をまとめたもので、その素顔が明らかにされています。
この作品を読んでもわかりますが、村上さんに子供はいません。
子供がいないことを嘆く読者に対して、自分も子供はいないが前向きに生きていることを伝えています。
村上さんはこの時、「無条件に愛せる存在は与えられるものではない。自分で見出すものだ」という趣旨のことを述べました。
おそらく村上さんは自由人ということもあり、自分の好きなことを見出し、ひたすら探求することに喜びを感じるのでしょう。
子供を育てることに時間を費やすよりも、自分の楽しみをひたすら追い求めたいからこそ、子供を作らない選択をしたのかもしれません。
やはり妻の陽子さんが、そんな夫の選択を尊重してくれる理解者なのは間違いありませんね。
気ままに旅をして小説を書くようなライフスタイルは、子供がいないからこそ可能なのでしょう。
「村上春樹で語る育児」とは? SNSの秘かなブーム
子供を作らなくても、人生を謳歌している村上さん。
しかしSNS上では、「村上春樹 育児」というワードが話題になっているようです。
実は2019年に突如、Twitterでハッシュタグに「村上春樹で語る育児」と付けて投稿するのが秘かなブームになりました。
何気ない育児の風景を、村上春樹風の独特な文体で投稿するという試みで、これまでに質の高い投稿がいくつも話題になっています。
村上作品では男性主人公の口癖として、「やれやれ」という表現が頻出。
これを効果的に使い、育児に疲れる人々の思いをつづった投稿が多く見られました。
「何度でも繰り返すのよ私達」
ベッドの上で彼女は僕を見上げた。
「何度でも?」
「そう何度でも。私が満足するまで貴方は続けるべきだわ」
「君はいつ満足するんだい?」
「さぁ?私にもわからないの」
僕はやれやれと絵本を開く。
カラスのパン屋さん、今夜八回目の開店だ。#村上春樹で語る育児— つなまよら (@tunamayora) August 29, 2019
さらに村上作品の特徴と言えるのが、知的な男女による洗練されたセリフのやり取りです。
まるで洋画の字幕のようなセリフと、洒落た雰囲気、独特な間合いが日本文学離れしたハイセンスさを感じさせます。
その洗練された文体で、「おむつを替える」、「ミルクを作る」など育児の様子をつづることで、高尚さと低俗さがうまく合わさる点に面白みがあるようですね。
「何故こんなになるまで放っておいたのよ」
「慣れちゃったんだ。おむつが重い事にも、泣かないでいる事にもね。それに遠くから見れば」僕は言った。「大抵のものは綺麗に見える」
「ねえ」彼女は器用に僕のおむつを替えながら首を振った。
「一生そんな風に生きていくつもり?」#村上春樹で語る育児— 雅樹 (@masazeroque) August 29, 2019
#村上春樹で語る育児
「海を見たいの」
僕の100%の彼女は手にしているミルクが理想のホットミルクなのか確かめながら呟く
「いいね、いつ見る?」
僕は頭の中の手帳を捲った
「今よ」
そう言うと彼女は、ホットミルクで床の上に海を創る。それが幼児世界の決まりきったルールだとでも言うかのように— yshr (@wgjopl) August 30, 2019
村上さんはSNSをやっていないとラジオ番組で話していましたので、このハッシュタグの取り組みを知らないかもしれません。
しかしファンたちが比喩、ユーモア、情景描写を駆使して「村上春樹風」の育児風景を見事に作り上げていることを知れば、笑って読んでくれる可能性は高そうですね。
今回は村上春樹さんについてご紹介しました。
凡人とは違う、浮世離れした自由人らしい生き方に憧れるファンは今後も増えていくことでしょう。
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