幼少時よりピアノに非凡な才能をみせ、数多くのジュニアコンクールで優勝に輝いた牛田智大(うしだともはる)さん。
今回は、昭和音楽大学の在学生ではない牛田智大さんがなぜ「昭和音楽大学」で検索されるのか、また卒業した高校や天才ピアニストを育てた先生たちに注目します。
あわせて大先輩である中村紘子さんとのエピソード、ピアニストとしての評判についてまとめます。
牛田智大と昭和音楽大学の関係&高校はどこ?
1999年10月16日、福島県いわき市で誕生した牛田智大さん。
2023年は24歳を迎えるという若さですが、ひとたびピアノに向き合えば圧倒的な旋律を紡ぎ出す注目のピアニストです。
3歳からピアノを始め、ショパン国際ピアノコンクール in ASIAをはじめとする数々のジュニアコンクールで優勝。
CDデビュー以降は精力的にコンサート活動を展開してきました。
「昭和音楽大学」の関連ワードで検索されるのは、2018年の浜松国際ピアノコンクール出場時に「昭和音楽大学附属ピアノアートアカデミー特別クラス在籍」と紹介されていたからでしょう。
当時、牛田智大さんは19歳。
同アカデミーは魅力あふれる音楽家の育成を目的に、昭和音楽大学の附属アカデミーとして開設されたもので、小学生から大学院生まで幅広い年齢層の人々が在籍しています。
後述しますが、6歳から師事した金子勝子先生も昭和音楽大学・大学院の教授でした。
牛田智大さんは小学校入学前に中国から帰国し、名古屋市立笹島小学校・中学校を卒業。
ところが高校についての情報が一切ないため、出身高校に関心を寄せる人が多いようです。
14歳を迎える2013年以降はモスクワ音楽院ジュニア・カレッジに在籍していたという牛田智大さん。
存在が癒し。天使。プリンス。
神様、ありがとう。アーメン。#牛田智大#ピアノ#ヤマハ#ラフマニノフ pic.twitter.com/b5P1Ouhqrl
— Lola (@yukkoro2) November 26, 2019
世間一般では高校時代にあたる時期に、すでにプロのピアニストとして活動していたため、高校に通うという感覚ではなく、ピアニストとしての道のりを歩んできたと思われます。
天才ピアニスト・牛田智大を育てた先生たち
生後まもなく、父親の仕事の関係で上海に転居した牛田智大さん。
インタビュー記事によると、最初にピアノを教えてくれたのは陳先生という方でした。
陳先生は日本語が堪能で、つぎに師事した上海音楽学院教授・鄭曙星先生との通訳も買って出てくれたとのこと。
いい先生にめぐり合いましたね。
5歳の時に中国のコンクールで1位を獲得しています。
帰国後、6歳からは前述の金子勝子先生に師事。
金子先生は国立音楽大学ピアノ科を卒業した大ベテランの指導者。
牛田さんは8歳から5年連続でショパン国際ピアノコンクール in Asiaの1位受賞という快挙を成し遂げます。
2013年からはモスクワ音楽院ジュニア・カレッジに在籍。
ここでは「ロシア国家芸術家」の称号をもつウラディミル・オフチニコフ先生やユーリ・スレサレフ先生に学びました。
先生が来日して週に2回ほどレッスンを受ける形式だったと語っています。
バイキング #牛田智大 さん pic.twitter.com/zUiwMQDx3Y
— yukina (@yukina_piano) August 15, 2017
中村紘子の教えと浜松コンクールでみせた涙&評判について
小学生時代、浜松国際ピアノアカデミーに参加した牛田智大さんは、教授で審査委員長だった中村紘子さんに見いだされます。
ところがCDデビュー以降はバラエティを含むテレビ番組への出演が多くなり、「ピアノ王子」ともてはやされるように。
そんな時に中村先生から言われた言葉に殴られたようなショックを受けたと振り返ります。
「ダレントピアニストになりたいのなら、もうあなたには関わりません」。
才能あふれる少年だからこそ正統派クラシックピアニストになってほしいという愛情から出た言葉だったのでしょう。
2016年の浜松国際ピアノアカデミー記念コンサートでは、中村先生隣席での演奏中に体調不良で倒れてしまった牛田智大さん。
その5か月後に先生は帰らぬ人になりました。
よい演奏を聴いてもらえなかった悔しさを胸に挑んだのが2018年のコンクールでした。
本番直前の控室では、「身体が第一です またすばらしい演奏を楽しみにしています」という恩師の最後のメールを見ながら涙ぐんでいたそうです。
本選で牛田さんは中村先生が愛したラフマニノフの協奏曲第2番を選曲。
堂々たる演奏で第2位、聴衆賞、ワルシャワ市長賞を獲得しました。
ピアニストとしての評判については、ジュニア時代から多くのコンクールで1位に輝いた確かな技術はもちろんのこと、音楽性の深い演奏は評価が高いですね。
「タッチが美しく音がよく通る」「精緻なテクニックと強靭な指」という賛辞がよくみられます。
ともあれ、かわいらしい天才子供ピアニストから一流ピアニストへ成長を遂げたことは実績が証明するところでしょう。
今後どこまでピアニストとしての高みを上っていくのか、非常に楽しみです。
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