映画、ドラマ、CMなど幅広いジャンルで音楽を手掛けてきた作曲家・坂本龍一(さかもと りゅういち)さん。
業績は世界的に評価され、偉大なミュージシャンとして名前が知れわたっています。
今回は坂本さんについて、天才と呼ぶにふさわしい人物なのか考察してみましょう。
また父親、母親について、左利きという噂と、耳鳴りの症状があるという情報もご紹介します。
坂本龍一のプロフィール
本名:坂本龍一
生年月日:1952年1月17日
没年月日:2023年3月28日（71歳没）
身長:171cm
出身地:東京都中野区
最終学歴:東京藝術大学大学院音響研究科修士課程
所属事務所:エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ
坂本龍一は天才？
まずは坂本さんが天才なのかどうか見ていきましょう。
結論としては、坂本さんは秀才肌の音楽家で、天才とは呼び難い印象があります。
東京藝術大学大学院でクラシックの理論を学び、きちんとした土台の上でポピュラー音楽を創り上げてきました。
世界的な音楽家として大成したのは、決して天性の才能ではなく、地道な努力の影響が大きかったはずです。
一方で元妻である歌手の矢野顕子さんは、専門的な教育を受けていない幼少期から、音楽の才能に長けていました。
つまり矢野さんは天才と呼ぶにふさわしいですが、坂本さんはあくまで秀才として彼女の才能を伸ばしてきたといえるでしょう。
ただし『ラストエンペラー』では日本人初のアカデミー作曲賞を受賞するなど、坂本さんの業績がかなり大きいのは事実。
偉業をPRする宣伝や広報の従事者が、「天才」と彼を呼んで売り込み始めたため、いつしか「天才説」が生じたのかもしれませんね。
坂本龍一の父親と母親
次に坂本さんの父親と母親について見ていきましょう。
父親は名編集者として知られた坂本一亀(さかもと かずき)さんです。
坂本一亀(2002年9月28日没)
本書の成立は、まだ坂本一亀の存命中に、子息龍一から、父が生きているうちに父のことを書いて本にしてほしい、との依頼があったことが発端である。
三島由紀夫や野間宏らを担当した「伝説の編集者」は坂本龍一の父、本の著者は河出書房で一亀の部下だった女性である。 pic.twitter.com/QK6LWEll1d
— 命日の本棚 (@yahachi3) September 27, 2019
学徒出陣で佐賀と満洲の通信隊にいましたが、敗戦により復員。
その後は、同人誌の発行がきっかけで注目され、河出書房に入社しています。
『ドストエフスキー全集』の翻訳で知られる米川正夫の担当編集者となり、以降は戦後を代表する名純文学を数多く担当しました。
三島由紀夫の『仮面の告白』を手掛け、三島の名を世間に知らしめたのも、一亀さんの偉業の１つです。
1978年に退社後は、構想社を設立しています。
2002年に80歳で亡くなりましたが、息子である坂本さんのことを生涯褒めることはなかったそうです。
YMO結成後、奇抜な格好で活動する坂本さんに、「お前をピエロにするために藝大に入れたわけじゃない」と言い放った一亀さん。
しかし2018年放送のNHK番組『ファミリーヒストリー』では、息子の登場する番組や雑誌を全てチェックしていたことが明かされました。
心の奥底では、誰よりも息子を応援し、業績を認めていたのでしょう。
次に坂本さんの母親についてですが、名前は敬子さんです。
帽子デザイナーとして活動しながら、育児をこなしていたといいます。
池田勇人元首相の親友でもあった、共保生命取締役の下村彌一の娘でした。
裕福な家庭で育ったため、ピアノも上手で、息子に初めて音楽を教えたのも敬子さんのようです。
一人っ子の坂本さんに英才教育を施す、優美な趣味の母親だったのかもしれません。
ただ当時は珍しいキャリアウーマンだったため、夜遅くまで帰らない日が多かったそうです。
坂本さんは母の作り置きのカレーが大好きで、いつも自分で温めて食べていたということでした。
孤独な影を宿した坂本さんの雰囲気は、幼少期に1人で過ごすことに慣れたことで身に着いたのかもしれませんね。
坂本龍一は左利きで苦労
次に坂本さんが左利きという情報を見ていきましょう。
左利きで苦労したと自身で発言しているので、間違いない情報です。
習字の時間にどうしても右手で書かなければならないので、うまく書けずつらい思いをしたそうです。
「左手のメリットはない」と言い切る坂本さん。
しかし無理やり治そうとする風潮には疑問を呈しています。
病気ではないのだから、矯正する必要はないと主張していました。
左利きの人が子供の頃から、もっと生きやすいと感じられる社会になるよう願っているのでしょう。
坂本龍一の耳鳴りの症状は
最後に坂本さんの、耳鳴りの症状について見ていきます。
坂本さんは、長年耳鳴りに苦しんでいたようです。
専門医である大石直樹さんと『耳鳴りに悩んだ音楽家がつくったCDブック』という対談集を出しています。
街中にいて雑音が聞こえる状態なら気にならないものの、無響室だと耳鳴りに意識が集中してしまうのがつらかったようです。
本書は耳鳴りの悩みについて対談するものであり、治療面で有益な情報はあまりないとのこと。
ただ坂本さんの当事者としての悩みに共感する人は、後を絶たないようでした。
偉大な音楽家は天才というよりは、親しみやすいインテリタイプの音楽家だったというべきでしょう。
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