ドラマ『北の国から』の黒板五郎役などでお馴染みの俳優・田中邦衛(たなかくにえ)さん。
役者としてだけではなく黄猿ことボルサリーノというキャラクターのモデルとなったことで有名ってご存じでしたか。
その件に関しては田中さんサイドが許可していなかったためクレーム問題に発展したという噂についても気になるところ。
今回はこれらの事柄について海外の反応などと一緒にご紹介いたします。
田中邦衛のプロフィール
本名:田中邦衛
生年月日:1932年(昭和7年)11月23日
身長:167cm
出身地:岐阜県土岐郡土岐津町(現:土岐市)
最終学歴:麗澤短期大学英語科卒業
所属事務所:フリー
田中邦衛は”黄猿”ことボルサリーノのモデル
ボルサリーノこと黄猿は大人気漫画・アニメ『ONE PIECE』のキャラクター。
田中邦衛さんはこのキャラクターのモデルになっています。
ボルサリーノのモデルは田中邦衛と作者・尾田栄一郎も明言
ボルサリーノというキャラクターが田中邦衛さんにとても似ていると言われています。
これに関しては単なる噂ではなく、ONE PIECEの作者が認めるところのようです。
黄猿ことボルサリーノは国民的マンガ・アニメである『ONE PIECE』の登場人物。
主人公・ルフィらの敵である海軍における最高戦力・大将で自然系ピカピカの実の能力者。
身長が3mを超える長身でイエローの縦じま模様のスーツを身に着けており、間延びしたような話し方も特徴的です。
どうしよう……黄猿が田中邦衛さんにみえて仕方ない……。#ワンピース#ポルサリーノ#スタンピード pic.twitter.com/1Cb8rITNQn
— そみー* (@INFRa2rnaLzWt9t) August 6, 2022
このキャラを見た読者は田中邦衛さんを知っている世代であれば”黄猿が田中邦衛さんに似ている”と思ったでしょう。
逆に彼を知らなかった若者らは、黄猿を知った後に田中さんの存在を知り”黄猿に似ている役者がいる”と思ったに違いありません。
ここまで似ていると”偶然似てしまった”ということは考えにくいでしょう。
実際にこの大人気作品の生みの親・尾田栄一郎先生も”モデルは田中邦衛さん”と明言しています。
具体的には単行本57巻にある読者からの質問コーナー、通称SBSのコーナーに記載されていたということです。
モデルとして採用した理由についてはシンプルに尾田先生が”好きだから”なのだとか。
ボルサリーノは尾田先生から田中さんへ捧ぐオマージュだったのですね。
ヴィジュアルだけでなく誕生日も11月23日と田中邦衛さんと同じ日。
またボルサリーノという名前も1975年に出演した映画『トラック野郎・暴走一番星』で演じた「ボルサリーノ2」に由来しています。
まさに田中邦衛さんという役者がマンガにボルサリーノ役で出演しているようですね。
死去時にはONE PIECEファンからの哀悼も
田中邦衛さんは2021年3月24日老衰のため他界しました。
その際にはONE PIECEの読者である若い世代からも哀悼の意が捧げられました。
田中さんは映画『若大将シリーズ』・『仁義なき戦いシリーズ』、TVドラマ『北の国から』など数々の名作に出演した名優。
2021年にニュースで彼の死去が伝えられると各界の著名人やファンからの追悼のメッセージが寄せられました。
その中には若い世代からのコメントも多かったといいます。
というのも若者たちの中には役者としての田中さんの活躍は知らないけれど、”田中邦衛=黄猿のモデル”としての知名度が高かったからのようです。
WEB上では”田中さんありがとう”、”黄猿をありがとう”などの感謝のツイートが多く見られました。
その他にも”三大将のモデルが皆逝ってしまった”という悲しみのツイートも。
実はワンピース作中で有名俳優がモデルとなったのはボルサリーノだけではありません。
黄猿以外の大将である”青雉”は松田優作さんが、”赤犬”は菅原文太さんがモデルとなっています。
既に松田さんと菅原さんは故人であったため、田中邦衛さんの死去により三大将のモデルが皆他界してしまったことになり、世間の悲しみもひとしおだったのです。
田中邦衛さん自身を知るファンだけではなく、若い世代にも強いインパクトを残した田中邦衛さん。
彼の名演技と唯一無二の個性はご自身のファンはもちろんのこと、ONE PIECEファンの心の中にもいつまでも生き続けることでしょう。
田中邦衛サイドは黄猿許可しておらず、クレームを出してもめた?
黄猿のモデルが田中邦衛さんであることは周知の事実ですが、実は当の本人はこのことを許可しておらずクレームまで出していたという噂があります。
なぜそのような噂がたったのか、また実際のところはどうだったのかを調べてみましょう。
黄猿は無許可、クレームが出されたという噂の原因は
黄猿というキャラクターについて苦情が出たのではと言われる理由は、黄猿が物語に登場しなくなったことが原因のようです。
実際にこの噂が出たのは2010年頃のこと、読者の”最近ジャンプに黄猿が出てこない”という疑問からスタートしていると考えられます。
その理由として読者の間でささやかれたのが”キャラのモデルである田中さんの事務所からクレームが来たからでは”との憶測。
確かに田中さんとボルサリーノは酷似しているためあり得ない話ではありませんが。
調べてみたところ、この件に関して”田中さんサイドがクレームをつけた”などの報道はありません。
ONE PIECEほどの人気漫画と田中邦衛さんほどの有名俳優が肖像権をめぐって争うようなことがあれば、当然世間の耳目を集め大手メディアにも取り上げられるはずですよね。
それにも関わらずその手の情報が一切見られないということは、”黄猿について田中邦衛さんサイドから苦言が出された”というのは単なるファンの憶測と言えそうです。
付け加えると田中邦衛さんは元々文学座という劇団に所属していましたが、73年に退座、その後阿部公房さんと行動を共にした後はフリーとして活動していました。
なので問題が起こった当時既に所謂芸能事務所などには所属していませんでした。
そうである以上クレームを出すならばご本人や家族自らということになるはずですよね。
ボルサリーノが登場しなくなったと騒がれたのが2010年頃ですが、田中さんは2009年時点で認知症の症状が出ていたといわれています。
そういう事情もあってか2010年公開の『最後の忠臣蔵』以降表舞台からは遠ざかっていました。
また2012年に俳優仲間である地井武男さんが死去した際には”お別れの会”の発起人に名を連ね公の場に姿を現しはしたものの、既に彼のの様態が芳しくないことは明白だったようです。
そんな状態で彼やその家族がわざわざマンガのキャラクターをめぐって騒ぎを起こそうとするだろうかと考えると、その可能性はあまり高くないと思われます。
そのことからもやはり”黄猿に関して田中さんがクレームを出した”という話は読者やファンらの間でささやかれたただの噂と言えそうです。
他のキャラクターについての同様の問題を参考に
ONE PIECEについては他にも同様の噂が流れたことがあります。
それは藤虎というキャラクターについて。
藤虎ことイッショウは特任の海軍大将なのですが、ビジュアルだけではなくセリフなども含め昭和の名優・勝新太郎さんが演じた”座頭市”に酷似しています。
その藤虎が登場したのは2013年3月11日発売の週刊少年ジャンプ。
その翌週発売のジャンプでONE PIECEが突然休載になったため、”前号で登場した新しいキャラ(藤虎)が座頭市に似ていることが原因で勝新太郎さんサイドからクレームが来たのでは”という憶測が飛び交うことに。
この騒動に関し勝新太郎さんの肖像権を管理するティー・エム・プロダクション担当者はネットでこうした騒動が起きていることは把握しているとしながらも以下のように説明。
弊社が『少年ジャンプ』編集部に抗議をしたということも、勝の妻・中村玉緒が立腹しているという事実も一切ございません
同件について掲載元の集英社に問い合わせても”そのような事実はない”と完全に否定したようです。
勝新太郎さん関係者がクレームをつけなかったからと言って田中邦衛さんもクレームはつけてないと簡単に結論づけられるわけではありません。
しかしこの事例のように世間の大騒ぎに反し、当事者間では大した問題にはなっていない可能性は大いにあると考えられます。
田中邦衛、実在した黄猿モデルへの海外の反応は
黄猿のモデルが実在するという話は、日本のみならず海外にも紹介されており、それを知った世界のファンからも様々な反応が寄せられているようです。
例えばYouTube上で海外の方が作ったと思われる”尾田先生がONE PIECEを制作するにあたってインスピレーションを得たもの”を紹介した動画でもボルサリーノ=田中邦衛さんという説明が。
その動画視聴者からの反応を見てみると次のようなものがありました。
“黄猿はモデルの方が黄猿らしい”
“黄猿のデザインは似顔絵と絵の中間のよう。インスピレーヨンを受けた男性にとてもよく似ている”
“黄猿が実在したと思ったら少し怖い”
“どっちが黄猿かわからなかった”
など全体的に田中さんに本当によく似ているという意見が多いようです。
またONE PIECEの世界的人気の高さを表すように、田中邦衛さんが亡くなった際には海外のネット民からもお悔やみが。
Kunie Tanaka, the iconic Japanese actor who served as the inspiration for Admiral Kizaru's design, has sadly passed away at age 88, the final of the Admiral actor inspirations to do so.
May he rest in peace and be forever remembered pic.twitter.com/MHtayCDIXw
— Artur – Library of Ohara (@newworldartur) April 3, 2021
本業の役者とはまた違った形で世界の人々に知られていた田中邦衛さん。
彼自身もマンガのキャラクターに負けないくらい強烈な個性を持った素晴らしい役者であったことも世界の人々に知ってもらえるといいですね。
世界中で大人気のONE PIECE、寄せられる反応もグローバルなのでした。
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