伊藤俊人(いとうとしひと)さんは、主に90年代から2000年代初頭にかけて活躍した俳優。
軽妙な演技で数々の作品にスパイスをさす名バイプレイヤーでした。
そんな彼は若くしてこの世を去ることに。
死因はくも膜下出血。
死後行われた葬儀では脚本家・三谷幸喜さんの発案で一風変わった弔辞が読まれたそうですが、どういう弔辞だったのでしょうか。
これらの話題に加え、奥さんや子供など家族に関しても調査してみたので併せてご紹介します。
伊藤俊人のプロフィール
本名：伊藤俊人
生年月日：1962年(昭和37年)2月16日
身長：167cm
出身地：新潟県新潟市
最終学歴：日本大学藝術学部演劇学科演技コース卒業
所属事務所：太田プロダクション(生前)
伊藤俊人の死因はくも膜下出血
2002年5月、40歳の若さでこの世を去った俳優・伊藤俊人さん。
死因はくも膜下出血。
あまりにも早すぎる死の前後のできごとを追ってみました。
くも膜下出血で緊急入院
亡くなる2日前に医療機関に運ばれた伊藤俊人さん、一時意識が回復しますが、結局は帰らぬ人になりました。
伊藤さんは2002年5月22日、激しい頭痛を訴え病院に緊急搬送されます。
そこでくも膜下出血と診断されて緊急オペに。
その後、一時意識が回復することもあったようですが24日には容態が急変。
その日の午後に、くも膜下出血により40歳という若さでこの世を去りました。
死後の2002年11月には『真実を追う男』が放送され、これが遺作となっています。
毎年恒例の『ショムニ会』に偲ばれる人柄
伊藤さんの死後に寄せられる思い出話には、皆に愛された故人の人柄が偲ばれます。
伊藤さんがくも膜下出血により突然この世を去ったのは、レギュラー出演していたドラマ『ショムニ』の続編の撮影開始数日前のできごと。
2002年7月から放送がスタートした『ショムニFINAL 』第1回では、エンディングで追悼テロップが表示されました。
制作陣は伊藤さんが演じていた野々村課長の代役は立てず、海外赴任中の設定にすることを選択。
作品の中で伊藤俊人さんの存在が替えが利かないほど大きなものであったことを思い知らされます。
同ドラマでの共演者・戸田恵子さんによると、伊藤さんの命日には、毎年『ショムニ会』という故人を偲ぶ場が設けられるそう。
５月24日。伊藤俊人。命日。
もう７年が経ちました…。(*_*)今年も伊藤ちゃんがみんなを会わせてくれたよ～。
2020年には新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて初めての中止になったことなども明かされています。
また、この作品で役者としてブレイクした共演者・高橋克実さんは当時のことを次のように振り返ります。
『ショムニ』では高橋さん演じる寺崎部長と、伊藤さん演じる野々村課長の掛け合いが評判でしたよね。
2人は同じ新潟出身、撮影の行き・帰りに乗る電車も同じという間柄。
お互いに時間がたくさんあったので、何度も一緒に稽古したといいます。
リハーサルでは、放送には使えないような下ネタやアドリブ三昧でスタッフを笑わせていたという2人。
次第に自由すぎるリハーサル目当ての見学者が増えるほどだったそうです。
寺崎部長と野々村課長の息のあったやりとりは、カメラの回らないことろから作り上げられていたのですね。
高橋さん曰く「あの掛け合いは、伊藤さんと2人だったからこそできたこと」なのだとか。
今でも伊藤ちゃんは僕にとって特別で大切な存在です
元共演者たちのコメントや思い出話を聞いていると、伊藤俊人さんが皆に愛される存在だったことが伝わってきますね。
伊藤俊人、告別式の弔辞が三谷幸喜の発案で風変わりなものに
伊藤俊人さんの死後は、5月28日に通夜、29日に告別式が開かれました。
場所は中野区の宝仙寺で葬儀委員長を三谷幸喜さん、喪主を伊藤さんの妻が務めました。
弔辞で笑い?
告別式といえば悲しくて泣く人はいますが、伊藤俊人さん葬儀の場合は笑いが起こったそうなのです。
一体どういうことなのでしょうか。
伊藤さんの死後の葬儀では、親交のあった脚本家・三谷幸喜さんが葬儀委員長を務めました。
その葬儀委員長は「明るくて楽しいことが好きだった」という故人のため、暗くて悲しいだけのお葬式にはしたくなかったようです。
「めそめそしてばかりのお葬式にしない」というコンセプトのもと執り行われた告別式は、一風変わったものに。
葬儀の弔辞といえば、普通なら代表者が読むものですが、伊藤さんの告別式では仕事仲間・友人など色々な人が弔辞を読む形がとられました。
中には参列者の笑いを誘う内容もあり、会場には涙と笑いが混ざりあっていたといいます。
三谷さんをはじめ、皆が伊藤さんの性格を理解して、彼が一番喜ぶ形で送り出してあげたかったという深い愛が感じられるエピソードですね。
三谷幸喜との仲
三谷幸喜さんにとって伊藤俊人さんは「最も頼りにしていた俳優」だったといいます。
2人はもともと大学の同期として知り合いになります。
三谷さんは在学中の1983年、劇団『東京サンシャインボーイズ』を旗揚げ。
同劇団といえば、メンバーに西村雅彦さん、梶尾善さん、相島一之さんらがいた伝説の劇団ですよね。
伊藤俊人さんは劇団の中では比較的後期の活動メンバーですが、三谷さんからの信頼はあつかったようです。
今夜９時は『直撃！シンソウ坂上』👀
📖日本を代表する天才脚本家・三谷幸喜さん✨
小学２年で母だけに見せた創作劇や、学生時代に立ち上げた伝説の劇団、信頼していた俳優の死…大ヒット作を次々に生み出す三谷さんの秘密に迫ります👀⚠️バレーボール延長の際、放送時間が繰り下がります#カンテレ pic.twitter.com/TnmZcTev1Y
— カンテレ (@kantele) September 19, 2019
大学で演劇を学んだ伊藤さんでしたが、卒業後は就職してサラリーマンとして暮らしていました。
しかし、ある時三谷幸喜さんと再会。
1990年7月の『12人の優しい日本人』からサンシャインボーイズに参加します。
それからは、三谷作品の常連に。
『王様のレストラン』、『巡査・今泉慎太郎』などテレビドラマへ出演し人気俳優になります。
伊藤さんの訃報を受け三谷さんは、名脇役と評されることの多かった故人について「伊藤俊人は脇役もできる優れた俳優であった」とコメント。
役者としての伊藤さんを信頼し高く評価していたことがうかがえます。
伊藤さんと三谷さんは、友人であり信頼しあう戦友であったといえるでしょう。
伊藤俊人の奥さんは誰
伊藤俊人さんの奥さんっは伊藤栄子さん、スタイリストとして働く女性です。
伊藤さんと栄子さんは2000年に結婚して夫婦になりました。
出会いは『ショムニ』の現場だったそう。
伊藤さんの方がスタイリストである栄子さんに一目ぼれしたと伝えられています。
2人の結婚は交際半年で婚姻というスピード婚。
伊藤さんは真面目で実直そうな外見に反して、意外と直感で行動するタイプだったのかもしれませんね。
奥様はスタイリストということもあり、服装には厳しかったそう。
結婚後、妻からの厳しいファッションチェックを受けたり、持っていた服全部捨てられたというクスっしてしまうようなお話も。
そんな栄子さんは、故人を偲んで毎年開かれるという『ショムニ会』にも参加。
ドラマ共演者だった女優・戸田恵子さんのブログでもそのことが報告されています。
伊藤さんと奥様の結婚生活は2年にも満たない短いものでしたが、今でも亡き夫のことを一緒に語り合える仲間に囲まれているのは救いとなっていることでしょう。
今日は劇団の戦友、故伊藤俊人の奥さま栄子ちゃんと現場で会えた！伊藤が死んじまってもう13年も経ったのか。月日が流れるのはあまりにも速い。 pic.twitter.com/PhSXvn9V1x
— 相島一之 (@aijima_kazuyuki) November 9, 2015
雰囲気からしておしゃれで美人な奥様ですね。
伊藤さんが一目ぼれしたのも理解できます。
伊藤俊人の子供
伊藤俊人さんと奥様の栄子さんの間には子供はいなかったようです。
2000年に結婚して、2002年に夫が他界。
伊藤さんの死があまりにも突然で早かったことを思えば子供がいないのも仕方ないですね。
当時の伊藤さんは役者として人気でしたし、まだまだ仕事を頑張りたいと考えていたのかもしれません。
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