文学座の看板俳優として、昭和の大女優・杉村春子さんの相手役を長きに渡って務められた、俳優の北村和夫(きたむらかずお)さん。
文学座の舞台一筋で活動されていた北村さんですが、テレビや映画、他の舞台に出演されるようになったことで、さらに認知が広まりました。
露出が増え、知名度が上がることに伴って、同じ北村姓の俳優さんとの関係を探る記事や噂が出回るようになりました。
特に、年齢が近く、顔立ちの似ている北村総一朗さんとは見分けがつかないとの声も聞こえてきます。
そこで今回は、北村さんと兄弟ではないかと噂される北村総一朗さんとの関係を中心にお伝えしていきます。
北村和夫のプロフィール
本名：北村和夫
生年月日：1927年(昭和2年)3月11日
身長：171cm
出身地：東京都
最終学歴：早稲田大学文学部卒業
所属事務所：文学座(2007年に死去)
北村和夫と北村総一朗は兄弟ではない
北村さんと、兄弟ではないかと噂される北村総一朗さんですが、お二人は兄弟ではありません。
血縁関係もないようです。
北村さんは東京都の出身で、北村総一朗さんは高知県の出身です。
出身地からして違いますよね。
北村総一朗さんというと、『踊る大捜査線』シリーズの神田署長役が有名ですよね。
少し頼りなく、お茶目な役柄から親しみを感じやすい俳優さんです。
お二人が兄弟ではないかと言われるようになった背景には、同じ姓であること以外に、顔立ちが似ていることがあると思われます。
北村総一朗さんの進化
①おしん 1983～
②まんが道 1986
③はね駒 1986～
④おしんの北村和夫さん#北村総一朗 #はね駒 #おしん pic.twitter.com/tvM9BPuz3V— 京大土木芸人は京都を救え😅逃げたらあかん🤨 (@odafactory) June 5, 2020
上の投稿の、3枚目と4枚目の写真にご注目ください。
3枚目は、1986年放送のNHK連続テレビ小説『はね駒』に出演されていた北村総一朗さんです。
そして、4枚目は1983年放送のNHK連続テレビ小説『おしん』に出演されていた北村さんです。
同じような衣装や、ひげ、メガネということもありますが、パッと見では区別がつかないくらい似て見えますよね。
本当の兄弟だと言われたら、信じてしまいそうです。
似た雰囲気があるからか、『おしん』では親子役で共演されています。
北村さんは、おしんの夫となった田倉竜三の父親役で、北村総一朗さんは竜三の兄役でした。
北村総一朗、若い。若いというか精悍な雰囲気。#おしん pic.twitter.com/h22vXIfYBh
— an_shida🌐 (@an_shida) August 14, 2019
2枚目の写真には、お二人の共演シーンが収められています。
親子役での共演ではありましたが、実際の年齢は8歳しか違っていません。
そのためか、親子という噂はあまり出ず、兄弟の噂が広まったようです。
北村和夫と北村総一朗は同じ劇団員の関係
血縁関係はない北村さんと、北村総一朗さんですが、作品での共演を越えた関係がありました。
実は、お二人とも、文学座という劇団に所属されていたのです。
北村さんは、1950年の大学在学中に研究生となり、大学卒業後に準座員となったそうです。
1955年、正式に座員に昇格してからは、文学座の看板俳優として活躍されました。
北村総一朗さんは、1961年に研究生となられていますが、入団からまだ間もない、1963年に文学座では、2回にわたる分裂騒動がありました。
昭和の劇団というと、劇団員同士が演劇に対する熱い思いをぶつけ合っていたイメージがありますよね。
文学座でも意見の相違からの分裂がありました。
北村さんは、文学座に残り、2007年に他界されるまで所属されていました。
一方、北村総一朗さんは、神山繁さんや名古屋章さん、岸田今日子さんらとともに劇団雲を創設し移られました。
お二人が同時に所属されていたのは、2年前後と短い期間でした。
北村総一朗さんに文学座のイメージがあまりないのは、所属期間が短かったからなのですね。
看板俳優と研究生という間柄で、当時、面識があったのかどうかはまではわかっていません。
北村和夫の父親は医院経営
文学座の看板俳優となり、映画やテレビ界でも活躍された北村さんですが、若い頃は医者を目指していたそうです。
医者を志していた父に羞恥心のない君は役者の方がむいていると監督に説得されて芝居の世界に入ってしまったようです。
こちらは、北村さんの息子で俳優の北村有起哉さんのブログに書かれていた話です。
北村さんに役者になることを勧めた監督というのが、映画『うなぎ』などで知られる今村昌平監督だといいます。
カンヌをはじめとする海外の映画祭でも評価の高い監督ですよね。
同じ昭和2年生まれの今村さんとは、小学校からの親友だったといいます。
小学校からの親友同士が、俳優と監督になり、一緒に映画を何作品も作ったなんて、すごい話ですよね。
それも、現代の同級生とは違い、戦時中を生き抜いてからの話なのですから。
さて、北村さんが医者を目指した背景には、父親の肇さんが医院の経営者であったことがあると思われます。
ただ、肇さん自身は医師免許を持っておらず、北村さんの母親が産婆さんだったようです。
肇さんは自分が持てなかった医師の資格を息子に託したかったようですが、北村さんも医学部の受験に失敗され、演劇の道に進まれました。
ちなみに、兄弟かと噂されている北村総一朗さんの父親は、自動車関係の仕事をされていたそうです。
仕事の関係で戦前は中国に渡っていたというので、かなり大きな企業に勤められていたのかもしれません。
父親の職業の違いもお二人が兄弟ではない裏付けになりますね。
そして、先ほどブログを引用しましたが、北村さん自身は、俳優・北村有起哉さんの父親でもあります。
同じ北村姓で、有起哉さんと年齢の近い、北村一樹さんは息子さんではありません。
こちらも、勘違いされる方がみえるようです。
北村さんは、俳優の仕事が忙しかったのでしょう。
親父と息子の思い出は自分にとって皆無に近かったのだが、この電話からのメッセージは先輩からとしてではなく、それ以上にある親父としての声だと感じ聞いていました。初 めてかもしれないという親父からの肉声。
息子の有起哉さんからは、親子の思い出はほとんどなかったと言われています。
それでも、同じ俳優となってから、有起哉さんに芝居のダメ出しをしたそうです。
有起哉さんはダメ出しを受けて「親父の息子でよかった」と思われたといいます。
このダメ出しの話から約7カ月後に、北村さんは他界されています。
生前に、息子さんとの思い出が作れて、芝居の話ができて、本当に良かったですよね。
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