渋い二枚目から認知症のおじいちゃんまで、長いキャリアでさまざまな表情を見せてきた藤竜也(ふじたつや)さん。
ダンディーな男優No.1としてドラマやCMにも引っ張りだこでした。
男性的な魅力あふれる藤竜也さんだけに、妻の芦川いづみさんに関心を寄せる人も多いようです。
ここでは二人の結婚エピソードや馴れ初めのほか、家族についてみていきます。
藤竜也のプロフィール
本名: 伊藤龍也
生年月日: 1941年8月27日
身長: 173cm
血液型: O型
出身地: 中華民国・北京
最終学歴: 日本大学芸術学部 演劇学科(中退)
所属事務所: 藤竜也エージェンシー
藤竜也、妻・芦川いづみとの結婚は格差婚と話題に
俳優生活59年目となる藤竜也さん。
1941年8月27日生まれですから、2023年は82歳を迎えます。
北京生まれの横浜育ちで、本名は伊藤龍也さん。
日大芸術学部を中退して日活に入社するも、しばらくは最低保証賃金の大部屋時代が続きました。
新人俳優と人気の看板女優
ダンディズムのシンボルとして名をはせた藤竜也さんも、妻となる芦川いづみさんと出会った頃は駆け出しの一人。
かたや、恋した相手は日活を支える看板女優でした。
のちに二人は結婚しますが、それは今でいう格差婚。
芦川いづみさんは1935年10月6日東京都北区生まれなので、6歳年上になります。
本名は伊藤幸子さん。
松竹音楽舞踊学校に入学した翌年、ファッションショーで川島雄三監督に見いだされて銀幕デビュー。
日活に移籍した川島監督の勧めで自身も日活に入社。
1956年に『乳母車』で石原裕次郎さんと初共演したのを皮切りに、清純派スターとして、北原三枝さんとともに裕次郎さんの相手役を務めました。
後輩の吉永小百合さんに「マリア様のような女性」と慕われるほど魅力的な女性だったようです。
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— シネマカフェcinemacafe.net (@cinema_cafe) April 26, 2015
同じ映画会社の俳優同士の結婚は、大スターでさえ簡単にいかなかった時代でした。
不釣り合いな結婚を日活が許すはずもなく、藤竜也さんと芦川いづみさんは悩むことに。
ところが、ここで救世主が現れます。
藤竜也の結婚を裕次郎が後押し!
藤竜也さんを「タツ」と呼び、とてもかわいがっていたという石原裕次郎さん。
ある日裕次郎さんから、つきあってる子はいるのかと直球の質問が。
嘘をつくのが嫌で正直に交際相手を明かすと、裕次郎さんは喜んでくれ、「よし、俺にまかせとけ。心配するな」とひと言。
裕次郎さん自身も北原三枝さんとの結婚にあたって会社に猛反対された過去があったことから、他人ごととは思えず、何とか力になってあげたいと思ったのでしょう。
1週間後、裕次郎さんに呼ばれて自宅を訪れると、そこには日活の重役がずらり。
裕次郎さんは「タツと芦川さんが結婚することになったから、よろしく」と宣言。
重役たちの視線が突き刺さったそうですが、異を唱える者は一人もいなかったそうです。
芦川いづみさんの人気が絶頂にあった1968年に二人は結婚。
あまり貯金のない藤竜也さんにタキシードを贈ってくれたのも裕次郎さんでした。
ちなみに、2015年に発表したエッセイ『現在進行形の男』の中では、妻への愛は歳月がたつにつれてかけがえのないプレシャスなものになっていると綴っています。
BSの石原裕次郎特番。藤竜也のインタビューに、引退後の芦川いづみの写真が。80年代と思うが、お美しい。 pic.twitter.com/YK5HuXghSX
— 濱田研吾 (@hamabin1) June 24, 2017
芦川いづみさんは結婚により引退。
女優業を続けていれば、さらに大輪の花を咲かせたかもしれません。
ファンにしてみれば、「女優・芦川いづみ」を奪った張本人が藤竜也さんということになりますね。
藤竜也、妻との馴れ初めは共演?
馴れ初めについては、言葉では説明できないし、好きになってしまったのだからしかたないと藤竜也さん。
これが男と女の不思議なところなのでしょう。
テリー伊藤さんとの対談では、松田聖子さんの発言を引用したこともありましたね。
かつて松田聖子さんが「ビビビッときた」なんてうまいこと言っていましたけど(笑)、まさにそういう感じでして。
藤さんも、「ビビビ」と似たような擬音が頭の中で鳴ったのでしょうか。
松田さんの発言を知ったときは、「同じだ」と深く共感したのかもしれませんね。
『若草物語』で恋に落ちた?
藤さんと芦川さんの馴れ初めついては、「共演がきっかけでは?」という噂があります。
噂に登場する作品は、1968年のドラマ『若草物語』です。
「若草物語」9話より芦川いづみさんと藤竜也さんのツーショット
藤竜也さんは山本陽子さんの相手役。
当時結婚直前の二人だったが、今まで二人が恋人役はおろか、会話するシーンさえも観た記憶がないし、このシーンは貴重かもしれない。 pic.twitter.com/WgujpfysLe— APACHE (@lamen47) January 31, 2019
この作品は芦川さんの主演作であり、主人公の丹埼かすみを演じています。
一方、藤さんは山本陽子さん演じる丹崎花の恋人・小池こうたろう役で出演していました。
恋人役の共演がきっかけで結婚する役者はいますが、噂が本当なら、劇中の設定は関係なさそうですね。
ちなみに、『若草物語』は1964年に映画が公開されており、そちらも芦川さんが主演でした。
タイトルだけだと間違える可能性があるので、馴れ初めの噂には1964年説もあるかもしれませんが、映画の方に藤さんは出ていません。
ですが、同時公開された石原裕次郎さんの主演映画『黒い海峡』には出演しており、なんとも紛らわしいことになっています。
1964年の映画共演はなかったわけですが、当時は2人の出演作を続けて鑑賞できたんですね。
出会いは『四つの恋の物語』の方が先
他に馴れ初め候補となっている作品は、1965年の映画『四つの恋の物語』です。
『四つの恋の物語』(1965年日活)。バーで煙草を吹かす芦川いづみのやさぐれ感、自由奔放でキュートな末っ子和泉雅子と見所も多いが、なんといってもブルジョワ坊っちゃんの関口宏より何者でもない学生の浜田光夫に惹かれる吉永小百合がイイ。観るたびごとに好きになっていく一作😊。 pic.twitter.com/WtfVo1sT0C
— さい (@StephanieSays75) November 18, 2022
この映画は、ドラマ版『若草物語』よりも前の作品。
交際の正確な時期は不明ですが、「最初に出会った」という意味でなら、こちらの噂の方が有力かもしれませんね。
ちなみに、芦川さんが演じたのは四姉妹の長女・一代。
藤さんは、十朱幸代さん演じる次女の許嫁・長田を担当していました。
ここでも恋人同士の共演ではなかったわけです。
前述のとおり、当時の藤さんはまだまだ駆け出しの新人俳優。
日活の看板女優である芦川さんの恋人役はできなかったでしょう。
周囲の人も、恋人役が回ってくるなど想像していなかったはず。
そんな中で共演どころか結婚となったわけですから、格差婚と話題になったのも無理はないかもしれませんね。
藤竜也の家族まとめ
出生地の北京は父親の赴任地でした。
横浜のインク会社・諸星インキの社員だった父と母はお見合い結婚だったようです。
一家が横浜に戻ったのは戦時中。
小学校に入学してしばらくたった頃、父が電車にはねられて他界ししたため、母方の祖父を頼って葉山で暮らしていた時期があるそうです。
芦川いづみさんとの間には息子が誕生したことがわかっています。
27歳で結婚していますから、仮に30歳前後で父親になったとすると息子は50歳ぐらいでしょうか。
藤竜也さんは子供についてはあまり語らないようですが、過去のインタビュー記事によると息子は芸能界ではない世界で働いているとのこと。
息子とはフランクないい関係を築いているそうです。
過去はすべて切り捨てるタイプだけれど、女房への愛だけは切り捨てられないと笑う藤竜也さん。
ダンディーという言葉がぴったりハマる俳優はそうそういるものではありません。
味のある渋い役者として、今後も男女を問わず魅了し続けてほしいですね。
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