大正末期から昭和初頭にかけて、名子役として人気を博した小桜葉子(こざくらようこ)さん。
往年の二枚目スター・上原謙さんの最初の妻であり、加山雄三さんの母です。
ハーフのような容貌から、「和製エリザベス・テイラー」と呼ばれた美人女優でした。
この記事では、その家系図や親に注目するとともに、美容体操のパイオニアとしての小桜葉子さんに迫ります。
ハーフのような美貌の小桜葉子
小桜葉子さんは1918年3月4日、現在の東京都千代田区霞が関で誕生しました。
7歳で小笠原プロダクションに入り、翌年松竹蒲田に移籍。
『チンドン屋』『明日天気になァれ』などの映画で子役として活躍します。
長じてからは人気が低迷し、1936年の『結婚の条件』『素晴らしき空想』を最後に上原謙さんと結婚して引退。
この時18歳でした。
翌1937年に加山雄三さんを出産しています。
1936年(昭和11年)、上原謙と小桜葉子の結婚式です。素晴らしい美男美女夫婦ですね。この翌年に生まれたのが加山雄三です。 pic.twitter.com/WaY4OdHzxF
— 戦前~戦後のレトロ写真 (@oldpicture1900) 2018年8月21日
当時、上原謙さんは桑野通子さんと結婚するのではないかとささやかれていたそうです。
そんな上原謙さんが小桜葉子さんとの結婚を決意したのは、その熱意に心を動かされたからだといわれています。
世紀の二枚目スターのハートを射止めた女性というわけですね。
ハーフのような日本人離れした顔だちで、日本のエリザベス・テイラーと称された小桜葉子さん。
お母様 #小桜葉子 さんについて。
1918年3月4日生まれ。
曾祖父は明治の元勲 #岩倉具視
1936年 俳優 #上原謙 と結婚
エリザベス・テーラー似(私観)
1970年52歳で亡くなる「おふくろの死」 #加山雄三
上原謙さんとの間には1男1女をもうけていますが、健康や美容に関する意識が高く、晩年まで若々しいルックスを保っていたことで知られています。
小桜葉子の息子は加山雄三
俳優、シンガーソングライター、画家など多彩な顔を持つ加山雄三さん。
60年代に人気を集めた「若大将」シリーズや大ヒット曲『君といつまでも』、作詞家・作曲家としてのペンネーム・弾厚作もよく知られていますね。
1970年5月12日、母の小桜葉子さんが52歳という若さで他界します。
以前スキーで怪我をした際に片方の腎臓を失っており、それによる腎臓障害のために子宮がんの発見が遅れたとのことでした。
母の死の2か月後、加山雄三さんが父・上原謙さんと開業したパシフィックパークホテルの運営会社の倒産が発表されます。
母の他界から倒産発表までの間、加山雄三さんは「若大将」シリーズの新作の撮影を行い、2週間で15の楽曲を書き、レコーディングを終えて渡米。
倒産が表ざたになるのを見越してのアメリカ行きだったのかもしれません。
そしてアメリカ滞在中に松本めぐみさんと結婚。
帰国後の会見では、ホテル経営についての質問が浴びせられるばかりで、結婚を祝福する声は一切なかったといいます。
倒産のマイナスイメージも、「若大将」シリーズが低迷した理由のひとつといえるでしょう。
小桜葉子の親は男爵!家系図に注目!
小桜葉子さんの母は江間光括(えまみつこ)さんという女優です。
「青木しのぶ」、または本名の「江間光子」などの名義でも映画に出演していました。
岩倉具顕(いわくらともあき)男爵と結婚して2男5女をもうけますが、長女の小桜葉子さんが子役デビューをしたのちに夫妻は離婚。
小桜葉子さんは男爵家の令嬢で、旧姓が「岩倉」、本名を池端具子(いけはたともこ)さんといいます。
「池端」は上原謙さんの本姓です。
父・具顕さんの祖父は幕末から明治初頭にかけて活躍した公家出身の政治家・岩倉具視。
小桜葉子さんは岩倉具視のひ孫であり、加山雄三さんは玄孫になるわけです。
昔の500円札の肖像画を覚えている人は、加山雄三さんに面影が似ているかどうか頭に思い浮かべてみてください。
1歳年下の妹も小桜昌子さんという女優でした。
昌子さん夫妻の息子にグループサウンズのザ・ランチャーズの元メンバーで、現在は音楽プロデューサーの喜多嶋修さんがいます。
喜多嶋修さんの長女が元タレントの喜多嶋舞さんです。
孫は花火演出家で画家の池端信宏さん、俳優の加山徹さん、タレントで料理研究家の梓真悠子さん、女優の池端えみさん。
なんとも豪華な家系図ですね。
小桜葉子は美容体操の先駆け!
戦後になると、小桜葉子さんは美容体操家として活躍。
女性がいつまでも美しくいられるように、「小桜式整美体操」を考案して教室を展開しました。
『よりすこやかに』『いつまでも若く美しくあるための食事療法と整美体操』などの著書も発表しています。
美容体操のパイオニアといえますね。
【新入荷】小桜葉子「若さをいつまでも 西備体操と食事療法」フォノシート両面盤2枚付(状態良好)
上原謙の妻・加山雄三の母にして、美容体操の草分け、小桜葉子。カードを見てフォノシートを聞きながら体操するようです。フォノシート聞きたい。 pic.twitter.com/zW3T0Kgtgm— 古書と古本 徒然舎(太閤堂書店) (@tsurezuresha) 2014年6月6日
教室はやがて全国に広がり、テレビや雑誌などでも評判だったようです。
息子の加山雄三さんと一緒にいても姉弟にしか見えなかったという小桜葉子さん。
そこにはやはり健康に対する意識の高さや知られざる努力があったのだと思います。
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