黒澤明監督、小津安二郎監督、溝口健二監督ら日本映画の巨匠がこぞって起用した女優、久我美子(くがよしこ)さん。
夫である平田昭彦さんとの死別後も長く女優活動を続けていましたが、近年は表舞台からすっかり遠ざかっていますね。
2023年は92歳を迎える久我美子さんは現在どうしているのでしょうか。
また、娘がいるという噂や侯爵だった父親についてもみていきたいと思います。
久我美子の2023年現在
久我美子さんは1931年1月21日、当時の東京市牛込、現在(2023)の東京都新宿区に生まれました。
生家は公家華族の名家・久我(こが)家。
結婚前の本名を久我美子(こがはるこ)さん、結婚後の本名を小野田美子(おのだはるこ)さんといいます。
学習院女子中等科在学中に東宝ニューフェイスに応募しますが、それは家族の事業の失敗と華族制度廃止によって行き詰まった家計を助けるためでした。
デビューは1947年の『四つの恋の物語』。
『また逢う日まで』で岡田英次さんと演じた窓ガラス越しのキスシーンは日本映画史に残る純愛の名場面です。
生まれながらの品格と名監督たちとの出会いによって一時代を築いた久我美子さん。
今も多くのファンや映画人にリスペクトされる名女優です。
今日は久我美子さんのお誕生日。
硬質で芯が強そうな美しさに、少し甲高い声も魅力的でとっても好きな女優さん!
釧路を舞台にした『挽歌』が観たいんだよー。
.#久我美子#happybirthday https://t.co/yHP63OFueY pic.twitter.com/uCFZpKlKTW— orzちゃん (@zgm1125) 2018年1月21日
美しい… #久我美子 pic.twitter.com/XViJ72JMDU
— ゆうこりん (@haihaihaiku575) 2019年5月30日
結婚後も、また夫との死別後も女優業を続けてきた久我美子さんですが、2000年公開の映画『川の流れのように』を最後に第一線から遠ざかっています。
所属事務所のワタナベエンターテインメントの公式サイトには今もプロフィールがあるのですが、2023年は92歳になります。
公の場に最後に姿を見せたのは、義姉にあたる女優・三ツ矢歌子さんが死去した2004年でした。
最後の出演からおよそ20年たっていることもあり、芸能活動を引退した状態にあるのかもしれません。
久我美子さんはブログやSNSも持っていないので、近況を知る手がかりもありません。
ですが、病気や入院の報道もないということは、マイペースに老後の生活を送っているとも考えられますね。
久我美子の夫は平田昭彦。娘はいる?
俳優と結婚する気はなかったという久我美子さんですが、平田昭彦さんからの熱烈な求愛の末、1961年に結婚しています。
平田昭彦さんの本名は小野田昭彦さん。
東京大学法学部卒業後にいったん東京貿易(現・三菱商事)に入社しますが、映画への思いを捨てきれず、東宝ニューフェイスに。
知的な雰囲気と端整なルックスの人気俳優として多くの映画で活躍しました。
『ゴジラ』第1作に芹沢博士役で出演して以降は特撮映画の常連俳優になります。
テレビでは『ウルトラマン』の岩本博士役も演じています。
平田 昭彦 pic.twitter.com/vtYabjcaFQ
— AndroMEGA (@AndroMEGA18) 2019年4月24日
二人の馴れ初めは『大坂城物語』での共演でした。
撮影中はデートを重ねていたそうですが、共演者やスタッフが誰一人マスコミにリークしなかったのは、平田昭彦さんの人望によるところが大きいといわれています。
1984年公開の『ゴジラ』に出演予定だった平田昭彦さんは、癌性リンパ管症のため56歳で死去。
久我美子さんは夫の遺志を継ぎ、5年後の『ゴジラVSビオランテ』に官房長官役で出演。
当時、史上初の女性官房長官だった森山真弓さんと重なって話題を呼びました。
夫妻には娘がいるとの噂がありますが、子供はいません。
久我美子の父親は侯爵!
久我家は平安時代から続く公家の名門。
村上天皇の孫を祖とする家柄です。
父親の通顕(みちあき)さんは侯爵の爵位を持ち、貴族院の議員も務めた人物。
母の与志江さんの実家は篠崎商店という大きな商店でした。
与志江さんの話によると、通顕さんとの縁談の際は華族と平民ということで宮内庁が動き、7代前の先祖まで調査されたそうです。
久我美子さんが本名の「こがはるこ」ではなく「くがよしこ」と読みを変えて女優活動をしていたのは、久我家の面目を保つためでした。
本姓を名乗らないことと、住所を他に移すことを条件に芸能界入りを許されたそうです。
90年代以降は竹中直人さんや柄本明さん、秋元康さんらがメガホンをとった映画にも出演した久我美子さん。
映画監督が本職でない才人たちからのラブコールが多かったことも久我美子さんの勲章です。
コメント