永井豪、フランスで人気になり勲章を受勲。イタリアでも高評価。天才の理由&石川賢との違い

多くの人気作を生み出し国内外で高く評価される永井豪(ながい ごう)さん。

様々なジャンルでヒットを飛ばせる漫画家は二度と現れないかもしれません。

永井豪のプロフィール

本名:永井潔(ながい きよし)

生年月日:1945年9月6日

血液型:O型

出身地:石川県輪島市

最終学歴:東京都立板橋高等学校

永井豪、フランスで驚異的な人気を得て勲章授与

後続の漫画家に多大なる影響を与えた漫画界の巨匠、永井豪さん。

漫画家を目指したきっかけは幼少期に読んだ手塚治虫さんの「ロストワールド」。

浪人中に体調を崩した事で自分が生きた証として漫画を残す事を決意。


こうして大学進学を諦めて漫画を描き始めた永井豪さん。

約1年半に渡って出版社へ原稿の持ち込みをするも掲載とはならず。

編集者からプロの漫画家に原稿を見てもらう事を勧められます。

そこで、漫画家を志すきっかけとなった手塚治虫さんに原稿を見てもらおうと手塚プロダクションへ赴くも、会う事は出来ませんでした。

落ち込む永井豪さんでしたが、石ノ森章太郎さんが原稿を見てくれるという連絡が。

その後、すぐに仕事を手伝うよう言われました。

石ノ森章太郎さんは原稿を一目見て才能に気が付いたのでしょう。

そうでなければすぐに仕事を手伝わせるなんてしませんよね。

多くの人気作を生み出し勲章授与へ

こうしてアシスタントとなった永井豪さんでしたが、非常に多忙なためストーリー漫画を描くことが困難になります。

そこでページ数が少なくて済むギャグ漫画に路線変更。

この方針転換が功を奏したのか1967年に『目明しポリ吉』でデビューが決定。

1968年に連載が始まった『ハレンチ学園』が良くも悪くも日本全体で大論争を巻き起こす社会現象になりました。

その後も『デビルマン』や『マジンガーZ』、『キューティーハニー』など多くの作品が大ヒット。

こうして人気漫画家の仲間入りを果たした永井豪さん。


生み出した作品の数々は日本だけでなく世界からも高く評価されています。

2019年にはフランスの芸術と文化に高く貢献したとして芸術文化勲章シュバリエを受勲。

フランスで開催された「ジャパンエキスポ」で受勲の連絡を受けた永井豪さん。

事前に知らされていなかったそうで突然の出来事に大変驚いたそうです。

グレンダイザーの人気がすごい

フランスで愛される永井作品の中で特に人気の高いものとしては、原作としてかかわったテレビアニメ『UFOロボ グレンダイザー』があります。

タイトルは改名されていますが、1978年から放送が始まると、たちまち子供たちが夢中になりました。

2021年に首都パリで開催された展示会にも、多くのファンが集まっています。

関係者も驚くほどの人気で、大変な盛り上がりだったようです。

フランスでは、駅に巨大な広告が登場したり、切手が作られたりもしています。

この様子を見ると、一部のアニメファンだけが盛り上がっているわけではないようです。

子供の頃に見ていた人が多く、何十年経っても名作として語り継がれているのでしょう。


海外でもそれほど愛される作品を生み出したと考えると、やはり永井豪さんの才能は素晴らしいものですね。

人気の理由は斬新さにあり

フランスでの驚異的な人気には、似たような作品が国内になかったことも、大きく影響しているようです。

「感情豊かな登場人物と巨大で恐怖も感じさせるロボットを合わせたSFは、当時の西洋アニメにはない世界観だった」

普段見ているアニメとは違った魅力に触れ、熱中した子供が多かったのでしょう。

見たこともない新しい作品が登場し、興奮する気持ちはわかります。

どこの国のアニメかは気にせず、純粋に楽しんでいたのではないでしょうか。

当時の人気ぶりには、永井豪さんも驚いたようです。

スペインでは『マジンガーZ』が大ヒットし、フランスでは『グレンダイザー』が『ゴルドラック』というタイトルで最初に放映されたのだけれど、なんと100%近い視聴率を上げた。

100%近いとなると、誇張抜きでほとんどの子供が見ていたのでしょう。

放送開始時間になると、外で子供を見かけなくなったそうですが、それも大げさな話ではなさそうです。

それほどの人気作品なら、いまだに伝説のアニメとして語り継がれ、大人のファンが多いことも理解できます。

原作者である永井豪さんのシュバリエ受勲も、多くの人が納得していたことでしょう。

日本のアニメが海を越えて放送され、海外の子供たちを感動させた結果、いつまでも大切にされているというのはすごいことです。

ちなみに、フランスでのアニメ人気の元祖と考える人も多いのだとか。

子供の頃に日本の作品を見ていたからこそ、さまざまな作品を自然に受け入れることができたのかもしれません。


おそらく、「自分にとっての原点」という人も多いのでしょう。

歴史に残る名作として、これからもずっと愛されていく作品ということですね。

永井豪はイタリアでも大人気?

芸術大国と言われるフランスで高く評価された永井豪さん。

伝統と情熱の国であるイタリアでも大人気なんです。

2017年に永井豪さんの画業50周年を記念して作られた映画『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』。

この作品がどこよりも早く公開されたのがイタリア。

邦画アニメーションの初公開がイタリアという異例の出来事は大きな話題となりました。

この作品は、ローマ国際映画祭に招待出品されています。

レッドカーペットに永井豪さんが姿を現すと現地ファンが主題歌を日本語で熱唱。

上映終了後はスタンディングオベーションでファンが押し寄せたそうです。

また、イタリアでは『鋼鉄ジーグ』がモチーフとなっている映画『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』も製作されています。

同映画はイタリアのアカデミー賞と言われるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で16部門にノミネートされ7部門を受賞しています。

永井豪さんのイタリアにおける人気の高さが良く分かりますよね。

永井豪が天才と言われる所以は?

長く続く日本漫画界では天才と呼ばれる漫画家は少なくありません。


ですが永井豪さんほど「天才」という言葉がピッタリの漫画家はいないでしょう。

シリアスからギャグまで幅広いジャンルの作品を描くことができ、その多くがアニメ化や実写化で大ヒットしています。

また、現在(2023)も刊行が続く4大週刊少年誌と休刊となった3つの週刊少年誌で連載した唯一の漫画家。

特徴も読者層も違う週刊少年誌で連載できたのも永井豪さんの引き出しの多さ故でしょう。

これだけ多くの雑誌で連載していたため多い時には一度に5本の週刊連載をしていたことも。

代表作の1つである『デビルマン』に重点を置き仕事量を減らした時もありましたが、それでも月に400〜500ページも描いていたそうです。

こんなに多くの仕事をしていても、締め切りを破る事は殆どなかったのだとか。

内容もジャンルも違う複数の作品を抱えながら締切を守るなんて一体、頭の中はどうなっているのでしょう。

とても常人とは思えない永井豪さん。

多くの人達から天才と言われるのも納得ですよね。

永井豪と石川賢との違いは?

マジンガーZと並ぶスーパーロボットの代表的なロボットであるゲッターロボ。

そのゲッターロボを永井豪さんとともに生み出したのが石川賢さん。

石川賢さんは高校卒業後、永井豪さんのアシスタントに。

先生とアシスタントという間柄でしたが、実は弟子と思った事は一度もないんだとか。


それどころかもっと早く出会っていれば藤子不二雄さんのようになっていたかも、と語っています。

ゲッターロボが2人の共作となっているのも間違いなく信頼関係があったから。

原作だけでなく、メインキャラクターのデザインも石川賢さんに任せていたそうです。

また、ゲッター1のデザインを手掛けたのも石川賢さん。

自信はゲッター2、3をデザインしています。

このようにあくまでも対等な関係として接していました。

ですが残念なことに世間ではそのように感じていない人が多いようです。

アシスタントをしていた事実と、2人の絵柄が似通っていることから評価に大きな差がついてしまっています。

ゲッターロボを知っていても石川賢さんの名前を知らない人も少なくないのではないでしょうか。

永井豪さんがあまりにも偉大、という事もあるでしょう。

ですが、本当はもっと評価されても良い漫画家であることは間違いありません。

既に故人となってしまいましたが、生前にもっと正当な評価をされて欲しかったと思ってしまいます。


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