中村吉右衛門の家系図まとめ。兄弟・松本幸四郎との不仲説&少ない共演

長きにわたり歌舞伎の立役として活躍してきた人間国宝・中村吉右衛門(なかむらきちえもん)さん。

歌舞伎での功績はもとより、テレビ時代劇シリーズの成功など多方面で存在感を発揮していますね。

ここでは中村吉右衛門さんの家系図や兄弟の松本幸四郎さんにフォーカスしてみました。

兄弟の仲が悪いという噂は本当なのでしょうか。

また、過去に共演があったかどうかも調べてみたいと思います。

中村吉右衛門のプロフィール

本名:波野辰次郎(なみの たつじろう)

別名義:松貫四(まつ かんし)

生年月日:1944年5月22日

没年月日:2021年11月28日(77歳没)

身長:178㎝

血液型:B型

最終学歴:早稲田大学第一文学部仏文学科(中退)

出身地:東京都千代田区

複雑な中村吉右衛門の家系図

中村吉右衛門さんの家系図は少し複雑です。

というのは、幼少時に母方の祖父である初代中村吉右衛門さんに養子入りしたから。

初代は明治の末から昭和にかけて活躍し、6代目尾上菊五郎さんとともに名優と称された歌舞伎役者。


中村吉右衛門さんは初代松本白鸚さんの次男として生まれました。

出生名は「藤間久信」。

母・藤間正子さんは初代吉右衛門さんの一人娘でした。

初代吉右衛門さんは正子さんに婿養子をとろうと算段していたため、白鸚さんに嫁がせることに難色を示したといいます。

そこで正子さんは父に約束。

男児を2人もうけて、次男に「中村吉右衛門」を継がせるというものでした。

言葉通り2男を授かり、次男が養子に。

中村吉右衛門さんは生まれた時から実家の高麗屋ではなく、播磨屋の役者になる宿命を背負っていたのですね。

特殊な家系図に戸惑いも

10代の頃は、実母が戸籍上は姉であり、祖父が父、兄が甥という奇妙な関係にずいぶん悩んだとのこと。

1954年、養父であり、祖父だった初代が死去。

吉右衛門さんは10歳で喪主を務めました。

松本幸四郎さんは2歳年上の実の兄。

2018年に「2代目松本白鸚」を襲名しています。

甥が10代目松本幸四郎さん。


姪に松本紀保さん、松たか子さん。

娘・瓔子さんの夫が尾上菊之助さん。

父方の祖父が7代目松本幸四郎さんです。

叔父は11代目市川團十郎や2代目尾上松緑

父親である初代松本白鸚さんには、兄と弟がいました。

兄は、11代目市川團十郎さん。

かつては9代目市川海老蔵を襲名し、「花の海老さま」として高い人気を獲得したイケメン歌舞伎役者です。

確かに、かなりの美形ですね。

当時は若い女性のファンも多かったのではないでしょうか。

長年の歌舞伎ファンの中には、「あの海老さまの甥っ子?」という目で中村吉右衛門さんを見ている人もいるのでしょう。

そして、2代目尾上松緑さんは、父親の弟にあたる人物。

踊りが非常に上手く、日本舞踊藤間流の家元・4代目藤間勘右衛門としても活躍しました。

こちらも、若い頃はかなりのイケメンであることがわかります。


兄と同じく、かなりモテたことでしょう。

しかも、初代松本白鸚さんと同じく、人間国宝に認定されています。

見た目もよく、驚くほど優れた技量の持ち主というのは、本当にすごいことです。

こうして見ると、中村吉右衛門さんの家系図はとても豪華ですね。

歌舞伎役者なので当然ではありますが、親戚も含めて有名人の名前ばかりなので、圧倒されてしまいます。

7代目尾上菊五郎とも親戚関係

家系図の中には、7代目尾上菊五郎さんの名前もあります。

2013年から親戚関係となりました。

尾上菊五郎さんは、2003年の人間国宝認定が話題となった人物。

中村吉右衛門さんも2011年に認定されているので、人間国宝同士が親戚ということになります。

あまりにすごい世界で、現実離れした印象も受けますね。

そんなすごい関係のきっかけとなった出来事は、息子である5代目尾上菊之助さんが、中村吉右衛門さんの四女である瓔子さんと結婚したことです。

2013年2月の結婚式では、多くの祝福の声が上がりました。

お互いの子供同士が夫婦になったため、家系図の中に組み込まれることになったんですね。


途中から親戚になった仲とはいえ、2人の関係は良好であり、とても親しくしていたようです。

2021年に中村吉右衛門さんが亡くなった際は追悼コメントを発表し、思い出を語っていました。

これまで幾度も同じ舞台に立ちましたが、菊之助の結婚を機に、縁あって親戚となり、孫の丑之助も生まれ、初お目見得や初舞台では共に孫の成長を喜び合いました。

一緒に孫について語り合うこともあったのかもしれませんね。

中村吉右衛門の兄弟・松本幸四郎

高麗屋の松本幸四郎さんは本名を藤間照暁(ふじまてるあき)さんといい、1942年8月19日に誕生。

弟と同じく、現代歌舞伎立役の第一人者です。

テレビドラマやミュージカルでの活躍もよく知られていますね。

『ラ・マンチャの男』『王様と私』といったヒット作は海外公演も。

10代の頃は、兄弟2人に市川猿翁さんを加えた10代歌舞伎トリオとして人気を呼びました。

歌舞伎の枠にととまらず多方面で活動する兄弟ですが、違いを挙げるとすれば、松本幸四郎さんが現代劇にも多く出演するのに対して中村吉右衛門さんはほとんどなし。

また、松本幸四郎さんをクイズ番組などで見ることもほとんどありませんね。

中村吉右衛門と松本幸四郎の仲は?過去に共演は?

兄弟の仲については不仲説が根強く囁かれていますね。

幼い頃に両親と暮らせなかった吉右衛門さんは高麗屋に残った幸四郎さんをうらんだという話も。


また、兄弟であるがゆえに比較されることも多く、メディアがライバル同士とあおったことも兄弟の確執を連想させる一因になったと思います。

兄弟共演が少ないのも理由でしょうか。

過去に舞台『さぶ』やテレビ時代劇『大忠臣蔵』などで共演していますが、そもそも2人は得意とする役柄が似通っているように思えます。

例えば『勧進帳』の弁慶役は松本幸四郎さんも1000回以上演じています。

仮に仲が悪いとしても、それは昔の話であり、今はわだかまりはないと思いたいところ。

ですが、確執はただの噂ではないのかもと思わせる出来事がありました。

それは、前述した尾上菊之助さんと娘・瓔子さんの結婚。

思い起こせば、幸四郎さんの息子の市川染五郎さんが、菊之助さんの姉・寺島しのぶさんとの交際中に他の女性との婚約を発表した過去がありました。

これにしのぶさんの父・尾上菊五郎さんは激怒し、披露宴も欠席。

こうした背景をふまえて菊之助さんと瓔子さんの結婚をながめると、高麗屋に対抗するため播磨屋と音羽屋が団結したとも見えてくるから不思議です。

幸四郎・染五郎親子に対する吉右衛門さんと菊五郎さんの仕返しではないかという声も多いですね。

実の兄弟でありながら、兄は高麗屋の跡取りとして育ち、弟は播磨屋へ。

共演が少ないのは、それぞれの屋号を背負う立場だったことが理由なのかもしれません。

けれども、現代劇もミュージカルも一流の歌舞伎役者と人間国宝の競演を観てみたかったと思うのは、歌舞伎ファンだけではないでしょう。

中村吉右衛門の経歴まとめ

中村吉右衛門さんは、1944年5月22日、東京都千代田区で生まれました。


身長178㎝、最終学歴は早稲田大学第一文学部仏文学科中退。

4歳で「中村萬之助」を名のり初舞台、21歳で「2代目中村吉右衛門」を襲名しています。

屋号は播磨屋。

芸歴は70年以上になります。

2011年には重要無形文化財保持者に認定。

芸域が広く、代表作も多いですが、当たり役は『義経千本桜』や『勧進帳』などの武蔵坊弁慶役。

プライベートでは、意外なことにディズニーランドが大好きなのだそう。

お気に入りのアトラクションは「プーさんのハニーハント」「スプラッシュマウンテン」など。

人間国宝も童心に帰るディズニーランド。

さすがは夢の国です。


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