大友克洋が漫画界に影響を与えた技法!物言う背景。立教大学説はデマ&河村康輔と服をコラボ

今もなおSF漫画の金字塔と言われる『AKIRA』を生み出した大友克洋(おおとも かつひろ)さん。

大友克洋さんがいなかったら日本の漫画が世界で評価される事はなかったかもしれません。

大友克洋のプロフィール

生年月日: 1954年4月14日

血液型: A型

出身地: 宮城県登米郡迫町(現:登米市迫町)

最終学歴: 宮城県佐沼高等学校

活動期間: 1973年~

大友克洋の漫画界に影響を与えた技法とは

当時、日本の漫画界に革新を起こしたと言われる『AKIRA』。

アメリカで最も権威があると言われる漫画賞を受賞するなど世界的にも高く評価されている作品です。

ハリウッドで実写映画が製作される事が正式に発表された事も大きな話題となりましたよね。


その『AKIRA』の作者と言えば大友克洋さん。

漫画家だけでなくアニメや映画の監督、脚本家としても活躍しています。

「大友以前・大友以後」と言われる程、その後の日本漫画界に大きな影響を与えた事はあまりにも有名ですよね。

では、大友克洋さんの一体何が日本の漫画界に影響を与えたのでしょうか。

ポイントは、キャラクターを美化しない事と極細線による緻密な描き込み、それと画面構成です。

それまでは漫画と言えば男性は格好良く、女性は可愛らしく描くのが当然とされていました。

ですが大友克洋さんはキャラクターを美化することなくアジア人の容姿の特徴をそのまま描いています。

また、緻密な描き込みは大友作品の特徴のひとつです。

均一な線による異常と言えるほど描き込みや複雑なパースによる3次元風景は圧巻の一言。

多くの人が作品に魅了されるのも納得です。

大友克洋さんが『AKIRA』を発表したのは今から30年以上も前のこと。

ですが今もなお多くの漫画家が影響を受けていると言われています。

絵が上手くストーリーを作るのも上手いという漫画家は少なくありません。


ですが大友克洋さんのように漫画界の歴史を変えた、と言われる人は数えるほど。

世界中で評価されるのも納得ですよね。

浦沢直樹の絵柄を大きく変えた

大友克洋さんの技法に影響を受けた漫画家の中には、『YAWARA!』や『MONSTER』、『20世紀少年』などで有名な浦沢直樹さんもいます。

1980年に『童夢』が発表されたとき、当時の漫画界では「これからはこういう絵じゃなきゃだめ」という空気が流れたのだとか。

前述した緻密な描き込みなどが、それだけ高く評価されたのでしょう。

当時まだ若かった浦沢直樹さんは、それまでのやり方を変えるほどの強い影響を受けています。

僕も当時、19、20くらいですから、それをもろにかぶって、絵柄がガッと変わりました。

浦沢直樹さんは1960年生まれなので、大学時代にあたる19~20歳は、1979~1980年。

大友作品を含む「ニューウェーブ」と呼ばれる漫画が、次々に発表された時期でした。

それまで見たこともないような新しい手法で作られた作品は、漫画家を目指す若者たちに大きな衝撃を与えたことでしょう。

そのタイミングで自分の絵柄を見直し、新たなスタイルで漫画を描き始めた浦沢直樹さんは、1983年に『BETA!』でデビュー。


それ以来、数々の名作を世に送り出してきました。

大学時代に大友作品と出会っていなければ、絵柄がなかなか評価されず、現在とは違った漫画家人生を歩んでいたかもしれませんね。

スピルバーグを魅了したデザインセンスも有名

多くのクリエイターに影響を与えた大友克洋さんのスキルといえば、デザインの力もあります。

『AKIRA』に登場するバイクは、独特ながら非常にかっこいいデザインです。

昔の作品にあまり詳しくない人でも、SNSなどで見たことがある人は多いかもしれません。

このバイクに魅了されたのは、海外ファンも同じです。

『ジョーズ』や『E.T.』、『ジュラシック・パーク』シリーズなどで有名なスティーブン・スピルバーグ監督も、その中の1人。

自身が監督を務めた『レディ・プレイヤー1』にバイクを登場させ、細かい部分もしっかり拾うほどのこだわりを見せていました。

「『AKIRA』のバイクが大好き。映画でもタイヤのグリーンフラッシュを忠実に再現した。『AKIRA』はすごい作品」

完成した映像を見ても、本当に好きなことが伝わってきます。

日本の漫画家がデザインしたバイクが、ハリウッドの超有名監督をこれほど痺れさせるというのは、本当にすごいことです。

大友克洋さんの技術やセンスは、世界レベルといっても過言ではないかもしれませんね。

大友克洋の作品は背景もストーリーを語る

漫画の描き方は独学で学んだという大友克洋さん。


誰に教わるでもなくあれだけの漫画を描けるなんてまさに天才。

逆に漫画の描き方を教わらなかったから革新的な漫画を描くことが出来るのかもしれません。

そんな大友克洋さんの作品にはキャラクターが登場しない背景だけのコマが続くことが良くあります。

キャラクターが登場しないシーンだけを描くというのは相当勇気がいること。

場面転換などで背景だけのシーンが使われる事は多々あります。

ですが使い方が下手だとストーリーの流れを遮ってしまうだけのコマとなってしまいます。

ところが大友克洋さんが描く背景は「何かを語っている」と評価されています。

背景だけで読者に何かを訴えかける。

これも大友克洋さんの画力があるからこそ為せる業と言えるでしょう。

大友克洋は立教大学出身?

大学全入時代となった今も学歴が重視される日本。

一般社会だけでなく芸能界でも高学歴な人が増えていますよね。

学歴とは無関係に思えそうですが漫画家も高学歴な人が多いんです。

そこで大友克洋さんの出身大学を調べてみると「立教大学」というキーワードが見つかりました。

のむらしんぼさんや城アラキさん等、立教大学出身の漫画家は少なくありません。


大友克洋さんも立教大学出身なのかと思い調べてみると意外な事実が。

大友克洋さんの最終学歴は宮城県佐沼高等学校。

つまり大学には進学していないんです。

大友克洋さんは過去に立教大学の卒業アルバムのカバーのイラストを手掛けたことがありました。

そのため、立教大学というキーワードがセットになっていたようです。

有名漫画家のイラストが卒業アルバムのカバーになっているなんて羨ましい限り。

きっと学生は卒業証書を貰った時よりも嬉しく思ったことでしょう。

大友克洋と河村康輔がきっかけで服をコラボ

グラフィックデザイナーやコラージュアーティストとして活躍する河村康輔さん。

ライブ、イベントのフライヤーやアパレルのグラフィックなど幅広く活動し、サンフランシスコやベルリンなど海外でも個展を開催するなど、国内外で高く評価されています。

新作を発表すると瞬時に売れてしまうなど最も注目を集めるアーティストと言っても過言ではありません。

そんな河村康輔さんは2012年の「大友克洋GENGA展」でメインビジュアルを担当。

大友克洋さん初の原画展という事もあり大きな話題となりました。

その後も、2人の交流は続いています。

2017年に若者に大人気のブランド「Supreme」と『AKIRA』がコラボしたのも河村康輔さんがきっかけでした。


大友克洋さんは当初『AKIRA』のTシャツに乗り気ではなかったそうですが、2年がかりの説得を経て、ついに夢のコラボが実現。

デザインはもちろん河村康輔さんが手掛けています。

『AKIRA』がファッションブランドとコラボしたのはこれが初めてのこと。

河村康輔さんがいたから実現した奇跡のコラボレーションと言えるでしょう。

それから2年後の2019年、2人は「PARCO MUSEUM TOKYO、GALLERY X」のオープニング展の実施を発表。

渋谷PARCOの建て替える際の仮囲いに描かれた『AKIRA』のアートウォールに原画の展示を行いました。

また、『AKIRA』に登場するオブジェを再現したものも設置されています。

それに加えてオリジナルグッズも販売となれば国内外からファンが殺到する事は間違いないでしょう。

多くのファンからその動向が注目されている大友克洋さんと河村康輔さん。

これから先、どんなコラボを見せてくれるのか非常に楽しみですね。


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